吶喊(とっかん)の作品情報・感想・評価

「吶喊(とっかん)」に投稿された感想・評価

慶応末年、明治零年。
髷を落とした新撰組土方歳三を演ずるは仲代達矢。
奥羽列藩同盟仙台藩参謀に岸田森。
時代設定とカメオ出演だが堪らない配役に序盤から歓喜。
また、中盤には鉄砲名人として天本英世、後半には会津藩士として田中邦衛と、飽きさせない。

幕末明治期は日本の歴史の中で、限りなく平民に近い下級志士が起こした唯一の革命期である。
数多の星が瞬き消えていく、いかようにも描きようのある魅力溢れる時代の転換期。
本作で描かれているような若者のやり場のない情熱と欲望の暴走は日本国中に溢れていただろう。

歴史の授業では、ある日を境に西洋化に進み、民主主義国家への成熟を歩んでいるように教えられるが、実際はかような混乱の火種は西南の役で火を鎮められるまで10年は燻っていた。

カラス組なるゲリラ軍が、博徒、土方、百姓、漁師の烏合の衆で結成され、妓楼の女郎達が黒ずくめの上下を仕立て、遊撃隊として戊辰戦争戦線へと雪崩れ込む。

面白きを是とする若者と一攫千金を夢見る若者の二人を中心に展開される愚連隊風味の青春活劇だが、ドンパチだけで無い細やかなドラマとユーモアがATG作品だけあってユニーク。

板垣退助、岩倉具視、伊藤博文、日本円札のカットインがオシャレ。
岡本喜八作品ではイマイチな方かな。

テンポ、スピード感、ユーモアは確実に喜八なのだが……。
序盤の展開が少し煩雑な気が。
主人公・千太の視点を通して、薩長の非道を断罪する後半の展開は良い。もう一人の主人公・万次郎のシニカルな視点から、官賊各々を撮すのも良いんだけどな。

仲代達矢や天本英世、今福将雄、田中邦衛ら常連キャストの造形、見せ場は流石。
紙幣で登場する幕末の英傑は、「ジャズ大名」の東名高速のインサートに引き継がれる。
明治0年の字幕のセンスの良さ
早馬で仙台藩着く高橋悦二のローアングルPOVが意味わからなくて新鮮
板垣百円のカット入れたりする外連味は健在
例え戦であろーとも、若者は性欲が優先する
小林

小林の感想・評価

4.0
岡本喜八監督の戊辰戦争
からす組という、奇襲部隊を軸にしているのだけど、ただの戦争ものではなくて、並行して、若者の飽くなき性欲が同じくらいエネルギッシュに描かれるのが、どうしよもなくて楽しい
岡本監督、いつも乱闘シーンがキレッキレだなあ
坂本九がおばあちゃん役で出てくるし、伊佐山ひろ子が綺麗だし、思いがけず地元だしでなかなか満足だった
寂々兵

寂々兵の感想・評価

3.9
仙台藩軍の弱腰にブチ切れた下級藩士の高橋悦史が、仙台藩参謀の岸田森に「仙台藩兵はドンゴリ(ドンと大砲が鳴ったら五里逃げる)と揶揄されている」と叱咤する。岸田森はクールにあしらうが、その刹那大砲の音が鳴り、そそくさと立ち上がったかと思えば部下を引き連れて五里は逃げんばかりの勢いで立ち去る。このシーンが最高。そして高橋悦史の方も、岸田森の「百姓でも使って白河を取り戻してみろ」という捨て台詞を真摯に受け止め、地元の百姓と博徒を集めて「カラス隊」を結成し戦渦に赴く。主演は伊藤敏孝と岡田裕介で、この二人が時代の変革そっちのけで性と欲望に突っ走る様が面白いのだが、大人たちのやり取りも非常に痺れる(特に序盤の仲代達矢カッコ良すぎ)。喜八の中でも五本の指に入る戦争悲喜劇の大傑作。
皮肉と馬鹿馬鹿しさのバランスが悪い。
喜八のワーストに数えたいくらい。
mato

matoの感想・評価

3.0
幕末の戦乱の世を、わんぱく青年が痛快に生き抜く。

主人公がもろルフィだ
口癖が「おもしれぇ〜!」で
面白そうなら、敵味方なりふり構わず突っ込む。大義を抱えた周りとのギャップが甚だしく、おかしいのだ。
15.2.20 on 日本映画専門ch〈ATGアーカイブ〉