1作目、別題『ファントマ/ベルタム事件』。車が画面奥から走ってくるファーストカットからパンフォーカスやってて驚く。
被写界深度を意識した構図も画期的で、特筆すべきは演劇観覧シーン、舞台の様子をフィックスで映すかと思えばショットはすぐにボックス席に鎮座する一人の貴婦人へ切り替わる。演目はおろか、舞台そのものが巨大なスクリーンの如く彼女の背景と化している。
このように大舞台が急に一人の人間の背景(もしくは視点)となってしまう様は同じくフイヤードの『ドラルー』で反復されるだろうし、権力の表象という点では『市民ケーン』にまで受け継がれていく。
本作における彼女は支配的な立場ではないがちょうど今、舞台上の俳優をある計画に利用しようと企んでいる。
パンフォーカスの趣はBlu-rayだとより一層楽しめますね! フイヤードの『ドラルー』??と思ったら、ヴァンピールの邦題とは知りませんでした!😮 フィヤードの『ジュデックス』、ジャッセの『プロテア』も気になってますが資料が少なくて…サドゥールの本を買おうか検討中です💰
本当に、blu-rayの画質の良さに驚いてます! 今では"1001本"と紀伊国屋書店のお陰で『レ・ヴァンピール』の方が呼び名として浸透していますね🤔 『ドラルー』が邦題ということは、実は僕もサドゥールやバザンの著書で知りました🫣 サドゥールの本は黎明期から1965年頃の作品まで言及されている「世界映画史」もいいですが、1910年代のフランス映画のみを詳しく知りたいのであれば「世界映画全史」の5、6巻、連続活劇(フイヤードも)全般を知る上では7、8巻がオススメです✨
ご助言有難うございます! とりあえず「世界映画全史」の5巻を探して観ようと思います😎