パンドラの箱の作品情報・感想・評価

「パンドラの箱」に投稿された感想・評価

Naoya

Naoyaの感想・評価

2.3
世紀末ロンドンにて。天真爛漫で純粋な女性ルルだったが、彼女を取り巻く人間達の人生を左右する存在でもあった。20年代のサイレント映画。序盤は、素敵な女性像、明るく清らかな女性ルルの存在に魅了されるが、徐々にそのルルの存在が負の方向へと転がっていく展開は不気味。天真爛漫、自由奔放な彼女だからこそ、容姿端麗な姿だからこそ余計に強く感じる不気味さがあります。サイレント映画で、最低限の会話しか表示されないが、それもより本作の世界観に没入する材料になっていて、苦にはならない。タイトルも、本作の物語の的を得ている。
蹂躙

蹂躙の感想・評価

4.8
ルルが妖艶さと無邪気さをバランスよく兼ね備えてるのがすごい。
最初のシーンから、そういう女性なんだな..と匂わせるのもすごい。

従来のファムファタールと違うのは、人を操ろうとする意図がないこと。人々が勝手に彼女のイメージに魅了され、勝手に破滅してしまう。彼女は将来のことを考えず、刹那的である。

ゲシュウィッツがレズなのには気づかなかった..。ジャックザリッパー。
ジャックザリッパーとルルが見つめ合うシーンが最高


2005年あたりにつけられたらしい音楽がうるさめ。笑
 サイレント時代のパプスト映画をつまむ。本作は『嘆きの天使』とならぶ悪女映画の古典とされている。あちらはディートリヒだが、こちらで主役を張るはアメリカ出身のルイーズ・ブルックス。この映画は、ただ彼女の放つ危険な魅力によって成り立っている。その官能と頽廃の美は白黒画面でも色あせず、時代の経過をものともしないで現前する。
 同時代性は、この男をまどわす悪女や、無力な青年の姿に見てとれる。これらは『カリガリ博士』から『メトロポリス』に至るまで、この時代のドイツ映画に頻繁にみられる男女像である。本作の父-息子関係には精神分析の影響が濃厚だが(この頃パプストはフロイト理論の紹介映画をつくっている)、偉大な父親に反発しながらも勝ち目のない弱々しい青年の姿は『メトロポリス』の主人公そのものである。
 方向喪失におちいった男どもと反比例するかのように、ブルックス演じる悪女ルルは、周囲の人間全員を巻きこみながら無軌道に突き進んでいく。そもそもヒロインが男から男へと渡り歩く半娼婦であるが、映画にはさらに麻薬・賭博・殺人と反社会的な場面が次から次へと現れる。レズビアン描写まで出てきたのにはさすがに驚いた。
 
 しかしこの映画に何か道徳的な意図があるとは思えず、おそらくパプストは、冷笑的なまなざしで、そうした全てをカメラに収めたかっただけに違いない。彼はただ表層に魅了されているのだ。内面を現実に反映させてしまう表現主義の映画群と見比べて、やはりパプスト作品は多くの点で対照的である。端的にいえばリアリズムであり、それは演技からセットにまで及ぶ。彼の映画には象徴の類もないし、多重露光などを用いた非現実のシーンもほとんど登場しない。
 そしてルルことブルックスは、まさしく「表層」でしかない。彼女に人間的な深みはまったくなく、ただ自由気ままに生きている。そんな彼女はパプストにとって、麻薬や賭博などの犯罪行為、そして戦争や炭坑と同等に、映画にふさわしい対象だったのだろう。
サイレント期から活躍した監督でムルナウやラングに並ぶ程優れたドイツ人監督なのに今までその作品にあまり触れてこなかったパプスト、その代表作をようやく鑑賞したけど洗練具合では特に秀でたサイレント映画の一つと思えた。

まず目を惹いたのが主演のルイーズ・ブルックスの所作で、この作品は特に彼女の魅力を引き出す為の映画に思えたけど、特徴的な髪をして奔放に振る舞う前半の姿は実に華麗だったし、逆に後半の妖しさには寒気すら覚えた。

一方でその他の主要人物、特に強面の男(フリッツ・コルトナー)とその息子の抑えめな演技も、パプストが精神分析に造詣が深かったこともあってか心の機微を捉えた繊細なものになっていて、さながらシュトロハイムの作品のように真に迫ったものがあり目を見張った。

そんな静的な演技と多人数の賑やかな動きが良いコントラストを生んでいる場面も多く、中でも舞台の裏側を描いた第三幕と裁判所の一幕を描いた第五幕はその最たるものとなっていた。

終盤でいきなりあの殺人鬼が出てきたときはちょっと戸惑ったけど、奴の人物造形もシーンの陰影の具合も絶妙でこの最終幕だけでも何度も見返したく良さがあったからやはり必要だったのだろう。

サンライズやメトロポリスと比べたら特段奇抜な演出があるわけでもないけど、役者の見事な演技と堅実な演出で後のブレッソン的趣すら時折感じさせる、見応えありまくりの優れた作品となっていた。
No.46[無邪気な妖婦、私とルルの時代(前編)] 100点(オールタイムベスト)

一時期サイレント映画を狂ったように追っていた時期があった。その時に出会ったサイレント期の大傑作たちを忘れることなどあり得ないのだが、その中でも一際異彩を放つ作品が本作品である。以後取り憑かれたようにルルの影を追い求めた私は、ついぞルルにたどり着くことはなかった。想い出記録。

ルル、映画史を代表する無邪気な妖婦は無自覚のまま男たちを翻弄し破滅させる。ついに自分まで破滅させ、映画は終わる。2000人近くのオーディションを繰り返したパープストはブルックスの出た映画を見た瞬間、パラマウントに電報を送ったらしい。既存のルル像を壊したかったパープストとフラッパーから抜け出したブルックスの信頼関係は双方が亡くなるまで続いた。

1906年のアメリカで生まれたブルックスは、読書家だった父のもと膨大な知識を身に着けた。加えて踊りや芝居が好きだったため、15歳で単身ニューヨークへ向かいダンス・スクールに通うことになる。しかし、紆余曲折を経て入ったデニショーン・カンパニーは居心地が悪く2年で辞めている。その後、ダンスや舞台、女優の仕事を転々としながら生活する日々が続いていた。パラマウントと契約を結び、比較的予算の付く映画に出演し始めるが、決定的にハリウッド嫌いであり、かつ強固な意思を持っていたブルックスは人間としては聡明であるが、あまり好かれてはいなかったらしい。時代はトーキー主流になり、”声”を解雇できる理由に使い始めた会社と対立した彼女はパラマウントを辞めてしまった。そこにパープストが本作品への出演依頼を送る。ブルックスは迷わずドイツへと渡った。

この頃はサイレント映画が最後で最高の輝きを放っていて「裁かるるジャンヌ」「サンライズ」など”無声映画の最高到達点”とも言われる作品が数多く並んでいる。結局のところ、映画は多くの副次的要素を手に入れたが、この映画群を超える映画は未だに出てきていないように思える。
ENDO

ENDOの感想・評価

4.2
ルルの純粋悪。天真爛漫な微笑みに誰もが操られる。男女問わず。自身を照らし返す悪に抱擁された時、彼女は逃れられるのか。出会う者全てを破滅させる女。どの映画のファム・ファタールよりも純度が高い。暗闇に爛々と輝く瞳の妖しさ。ドイツ語の英訳をさらに和訳したのでだいぶ遠回りだったが、ノワールの原点として素晴らしかった。
堊

堊の感想・評価

4.5
ハスミンの推し、ルイーズブルックスの着エロ。
『アデルブルーは〜』のBGVで流れていて知ったクチだが、あんな感じでもっと世のお洒落なバーで流れていてほしい。基本全カットやばいが、後半、逃避行の果ての煙と照明の絡み合いが凄い。ノワールじゃん。
身体がムッチムチで顔がキュッと小さくて背が高いので非常に今っぽい可愛さ。つかなんだあの布面積少なすぎるエロい衣装…………

「あなたはわたしに何も求めないから好きよ?」

fillmarksでは90分になってるが、紀伊国屋版では2時間超えてる。
yadakor

yadakorの感想・評価

3.0
意外と登場人物おおい
けどストーリーはシンプルで込み入っていないので流し見で理解できるくらい
あえていうけど女美しいよ
オールタイムベスト級に好き。まずルイーズブルックスがヤバい。グラマラスじゃないのにエロティシズムを感じる、役に説得力がある。
あと、ロンドン行ってからがもうホラー。切り裂き魔なんか本当、ヤバい感じで映ってて最高。
mona

monaの感想・評価

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みんな散り散りにぐっときた
あえてかくけどルイーズブルックスの美しさ アップの時の美しさよ
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