パンドラの箱の作品情報・感想・評価

「パンドラの箱」に投稿された感想・評価

サイレント期から活躍した監督でムルナウやラングに並ぶ程優れたドイツ人監督なのに今までその作品にあまり触れてこなかったパプスト、その代表作をようやく鑑賞したけど洗練具合では特に秀でたサイレント映画の一つと思えた。

まず目を惹いたのが主演のルイーズ・ブルックスの所作で、この作品は特に彼女の魅力を引き出す為の映画に思えたけど、特徴的な髪をして奔放に振る舞う前半の姿は実に華麗だったし、逆に後半の妖しさには寒気すら覚えた。

一方でその他の主要人物、特に強面の男(フリッツ・コルトナー)とその息子の抑えめな演技も、パプストが精神分析に造詣が深かったこともあってか心の機微を捉えた繊細なものになっていて、さながらシュトロハイムの作品のように真に迫ったものがあり目を見張った。

そんな静的な演技と多人数の賑やかな動きが良いコントラストを生んでいる場面も多く、中でも舞台の裏側を描いた第三幕と裁判所の一幕を描いた第五幕はその最たるものとなっていた。

終盤でいきなりあの殺人鬼が出てきたときはちょっと戸惑ったけど、奴の人物造形もシーンの陰影の具合も絶妙でこの最終幕だけでも何度も見返したく良さがあったからやはり必要だったのだろう。

サンライズやメトロポリスと比べたら特段奇抜な演出があるわけでもないけど、役者の見事な演技と堅実な演出で後のブレッソン的趣すら時折感じさせる、見応えありまくりの優れた作品となっていた。
No.46[無邪気な妖婦、私とルルの時代(前編)] 100点(オールタイムベスト)

一時期サイレント映画を狂ったように追っていた時期があった。その時に出会ったサイレント期の大傑作たちを忘れることなどあり得ないのだが、その中でも一際異彩を放つ作品が本作品である。以後取り憑かれたようにルルの影を追い求めた私は、ついぞルルにたどり着くことはなかった。想い出記録。

ルル、映画史を代表する無邪気な妖婦は無自覚のまま男たちを翻弄し破滅させる。ついに自分まで破滅させ、映画は終わる。2000人近くのオーディションを繰り返したパープストはブルックスの出た映画を見た瞬間、パラマウントに電報を送ったらしい。既存のルル像を壊したかったパープストとフラッパーから抜け出したブルックスの信頼関係は双方が亡くなるまで続いた。

1906年のアメリカで生まれたブルックスは、読書家だった父のもと膨大な知識を身に着けた。加えて踊りや芝居が好きだったため、15歳で単身ニューヨークへ向かいダンス・スクールに通うことになる。しかし、紆余曲折を経て入ったデニショーン・カンパニーは居心地が悪く2年で辞めている。その後、ダンスや舞台、女優の仕事を転々としながら生活する日々が続いていた。パラマウントと契約を結び、比較的予算の付く映画に出演し始めるが、決定的にハリウッド嫌いであり、かつ強固な意思を持っていたブルックスは人間としては聡明であるが、あまり好かれてはいなかったらしい。時代はトーキー主流になり、”声”を解雇できる理由に使い始めた会社と対立した彼女はパラマウントを辞めてしまった。そこにパープストが本作品への出演依頼を送る。ブルックスは迷わずドイツへと渡った。

この頃はサイレント映画が最後で最高の輝きを放っていて「裁かるるジャンヌ」「サンライズ」など”無声映画の最高到達点”とも言われる作品が数多く並んでいる。結局のところ、映画は多くの副次的要素を手に入れたが、この映画群を超える映画は未だに出てきていないように思える。
ENDO

ENDOの感想・評価

4.2
ルルの純粋悪。天真爛漫な微笑みに誰もが操られる。男女問わず。自身を照らし返す悪に抱擁された時、彼女は逃れられるのか。出会う者全てを破滅させる女。どの映画のファム・ファタールよりも純度が高い。暗闇に爛々と輝く瞳の妖しさ。ドイツ語の英訳をさらに和訳したのでだいぶ遠回りだったが、ノワールの原点として素晴らしかった。
堊

堊の感想・評価

4.5
ハスミンの推し、ルイーズブルックスの着エロ。
『アデルブルーは〜』のBGVで流れていて知ったクチだが、あんな感じでもっと世のお洒落なバーで流れていてほしい。基本全カットやばいが、後半、逃避行の果ての煙と照明の絡み合いが凄い。ノワールじゃん。
身体がムッチムチで顔がキュッと小さくて背が高いので非常に今っぽい可愛さ。つかなんだあの布面積少なすぎるエロい衣装…………

「あなたはわたしに何も求めないから好きよ?」

fillmarksでは90分になってるが、紀伊国屋版では2時間超えてる。
yadakor

yadakorの感想・評価

3.0
意外と登場人物おおい
けどストーリーはシンプルで込み入っていないので流し見で理解できるくらい
あえていうけど女美しいよ
オールタイムベスト級に好き。まずルイーズブルックスがヤバい。グラマラスじゃないのにエロティシズムを感じる、役に説得力がある。
あと、ロンドン行ってからがもうホラー。切り裂き魔なんか本当、ヤバい感じで映ってて最高。
萌奈

萌奈の感想・評価

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みんな散り散りにぐっときた
あえてかくけどルイーズブルックスの美しさ アップの時の美しさよ
「港々に女ありけり」繋がりで

古今東西見渡せど
天使と悪魔は表裏一体
男は愚かな鬼畜なり
女は輝く金貨なり
指で弾いて宙に舞う
女に男は忘我混沌
女に憑依し天使と悪魔
知らぬ男は克伐怨欲まっしぐら
そんな女が行き着く場所は
運が悪けりゃ薪尽火滅
運が良くても黯然銷魂…
Wednesday

Wednesdayの感想・評価

3.3
ルル、いまのわたしと髪型・まゆげが似てて恥ずかしくなった。

VHSの画像が悪過ぎてけっこう見てるの辛かった。

美しい物語。
Okuraman

Okuramanの感想・評価

4.0
ヤドリギの下のルイーズ・ブルックス……無垢と好奇心の瞳で自分とよく似た男を見つめてる。
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