ライトシップの作品情報・感想・評価

「ライトシップ」に投稿された感想・評価

ageless505

ageless505の感想・評価

3.9
渡米後のスコリモフスキ初監督作。
ライトシップ=灯台船の船長(と息子)と乗組員が、漂流していたギャングの3人組を助けることから始まるサスペンス。シビレました。
監督スコリモフスキは自分の息子を船長の息子アレックス役に抜擢。
一部シナリオ展開はアレックスの独白ですすむ。

船長は、ヤンチャして保釈直後の息子を同船させ、会話の機会を探る。
息子は父親に幽閉されたと思い込み逃げ出す機会を伺う。
船長は海軍従軍時代に自分の判断ミスで多くの海兵を死なせた過去がある。
乗組員は責任感強い船長を信頼しているが、ギャングへの応対に疑問をもつ。
ギャングのボスは小柄な切れ者、幼稚で衝動的な子分二人を完全に掌握している。
息子はギャングの出帆に便乗して自らも逃げ出すつもりでいたが・・

87分という短い尺の中で、ついてこれるモンならついてこい、的に多様な人物・人間関係を描き切るスコリモフスキの剛腕に圧倒される。
特にギャングのボスの人物造形は説明が少ないながら、数々の現実離れしたセリフやゲーム感覚の人身掌握術が描かれ存在感抜群。

また舞台は文字通り灯台の役割をする船の上。
常に海洋上で錨を下ろし停泊してるため終始揺れまくる。
床に落ちた鉛筆が左右に転がったり、ドアが揺れに合わせてに開閉したり、溶けたアイスがスルスルとたゆたったり、と。
そんな描写が人物の内面心理の揺れ動きともなる演出が秀逸。
父の想いを尊重すべきか?否か?
船長を信じるべきか?否か?
船の奪取を強行すべきか?否か?

そもそも父親(船長)はなぜギャングに船を明け渡さないのか。
真の理由に思い至らず反目を強めていた息子、ラストのモノローグからは少し父親の心境に歩み寄ったと思われる。
ここに<成長に戸惑う世代の心の在り様>を描くスコリモフスキ的な主題が垣間見える。

余談ですが、ハットを被るマフィアボスことロバート・デユバルがクレイジーケンバンドの横山剣に見えて、それはそれで不気味な存在感でありました。
灯台船が救助した難破船の乗員は逃走中の強盗団で、偶然乗り合わせた船長の息子を含めた乗組員が船内に軟禁されてしまう。シチュエーションは密室系スリラーっぽいが、ジャンル映画ではなく、文芸系になる。ロバート・デュヴァル演じる強盗団のリーダーが、かなり変わったキャラで、最初はちょっと誰かわからなかった。基調となるのは父性に対する葛藤だと思うんだけど、途中で船長と強盗団リーダーの正反対かつ似た者同士の心理戦が重厚な感じで入ってくるので、主題がわかりずらく感じた。
2018.2.4 ムービープラス(録画)(字幕)
おやおや登場人物の行動や考えが全くわからないぞ?ひとつひとつの目的や狙いが全く理解出来ないし、アホみたいな行動を取るキャラ自体もクソみたいな奴が多くて何にも入って来ない分、面白さのカケラも拾うことが出来なかった。やっと面白くなってくるぞ!という後半、クライマックスもやはり行動がバカ過ぎて、ここまで緊迫感もないもない密室劇もない。珍しいもん観たわ。音楽がジョルジオ・モロダーっぽい、やたらかっこいいシンセサイザー系だと思ったら、シンセサイザーはハンス・ジマーだったみたい。
2018.1.27.
スカパー ムービープラス
堊

堊の感想・評価

3.5
船の揺れを忘れたことがない、といいつつも船の揺れを的確に表現したショットあったか?
冒頭とかモノローグの雰囲気は好きだし、スコリモフスキらしい?変な演出(ダンスとか謎の風呂とか)もあったが散逸しまくりで良くできた作品ではないような。船の話なので当然ながらただひとりの女性も出てこない。
第二次世界大戦の終戦から10年。
沿岸警備隊の灯台船船長をしているミラー(クラウス・マリア・ブランダウアー)は補導された実の息子アレックス(マイケル・リンドン)を乗船させ監視する事にしたが、アレックスはミラーに反発していた。
その頃エンジントラブルのボートの乗組員キャスパリー(ロバート・デュバル)ら3人を救出したが、彼らは多数の銃で灯台船を制圧してしまう。
航海士ソーン(ティム・フィリップス)らが反撃を計画するもミラーは断固として反対する。
そんな父親の姿を見てアレックスは失望し・・・。

灯台船(ライトシップ)なので錨を下ろし動かない。
海の上の密室劇ですね。
3人の傍若無人な犯罪者が乗り込み、抜き差しならぬ状況になるわけです。
その3人は何者かもよく分からない。詳しくは特に描写ナシ。

ミラー船長も大戦時に色々あったようだが台詞だけで、それが各方面から批判浴びるような出来事かな?…みたいな(笑)

展開次第でもっとスリリングな作品になり得るものなのに、ミョーにグダグダしていてノリ切れない作品でしたね。
ロバート・デュバルの存在感が圧倒的で他のキャラが霞んでるのは仕方ないのかな。
記憶から速攻で消えそう。
notitle

notitleの感想・評価

3.0
灯台船の船長の父とクルー、ボートで遭難した凶悪犯と色々上手くいかない僕の話。緊迫する、限られた船上の空間の中、我が道を決して譲らない父。見たことのない父の姿に揺らぐ。一つ一つ出来事に繋がりがなく、ちぐはぐ感が否めない。いまいちかな。
3人の凶悪な逃亡犯に船を乗っ取られた灯台船が舞台。
狭い空間での攻防と船長と息子のドラマを描く。
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ロバート・デュヴァルが胡散臭さ放ってて目を見張る
この抜け目のない極悪人と船長の心理戦が地味に進む。
船長とはいえ左遷された形の父親、父親を憎む息子、このあたりの心理も地味に見せる。
シブい作品でした^ ^

2017 11 ムービープラス
ほろ苦い。

頑固にそこから動かず、ただ揺れるだけ。
それは船か、不器用な親子の心か。

脚本2
演出3
映像3
俳優2
印象2
キチガイ3人組に燈台船を占拠される父子の話で、完全にスコリモフスキ色満載。嵐でグラングラン揺れる船の中が、不安定で神経症的で、そいで意味不明で最高だった。不可解な人物ばかり出るくせに、その心理を空間で表現するのもスコリモフスキ的。

ロバート・デュヴァルが細くなりすぎていて、最初誰だか分らなかった。 あと、ペットのカラスを殺された黒人のコックが、カラスの鳴きまねしながら復讐を果たすシーンが狂ってて最高です。
胡散臭いうえに、会ったばかりなのに自由を巡る人生論でブランダウアーをライバル視するデュバル、最高に気味悪くてよい
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