北野恒富の「道行」を想いながら鑑賞。
モノクロの圧倒感を体感する。
文楽人形、人形遣い、黒子。
音楽 武満徹。助監督 小栗康平。
絵 篠田桃紅。天井桟敷。
何と贅沢な面々。
古典と現代アートの融合…
なぁ治兵衛さん…地獄へやとどこへやとはよ私を連れて行って
【感想】
近松の原作が人形浄瑠璃においてリアリズムを描いた(武家でなく町人にフォーカス)という革命を前提に、篠田は映画において黒子をあえて…
「曽根崎心中」とは立場が違って事情も複雑で、この心中は回避できたのではと思ってしまった。どうしてもというなら、周りに及ぼす不幸の度合いを緩めてあげれんもんか。
「極道者にかぎって、やれ誓紙のやれ証…
たまたま篠田正浩特集で、『国宝』(原作)の流れにもなった。
紙屋・治兵衛は、妻子がありながら、遊女小春と深い仲に。二人は心中を約束するが…。
映画なのに黒子がいるのが最高にかっこいい。しかも冒頭…
日本人のこういう痴話話に何か美を見出すという国民的心情、けっこうしんどいものがある
それはさておき、この時代特有の実験的試みはも少しケレンの分かる監督でないと難しいのではないかな
どうも画がノッペ…
【所感】
本作は時代劇ではあるものの、通常の時代劇とは異なっており、徹底的に人工的かつ抽象的になっている。
分かりやすく言うと、視聴者に”これは演劇であり、作り物である”と自覚させるメタ演出がなされ…