撮ることの倫理の思考を誘うという意味で佐藤真以降のドキュメンタリーで非常に貴重。この監督は撮影以上に生活を最上位に置いているのだろうし、監督の「撮影してると手伝えないね」の一言がこの映画そのものの成…
>>続きを読む「チーズとうじ虫」
このショッキングな題名はイタリアの作家、カルロ・ギンズブルクの『チーズとうじ虫』に監督がインスピレーションを受けて名付けたんだとか。
癌におかされた母親を娘である加藤治代さん…
人の温かさの描き方の一つ
母親の姿、生活を映す 母のガンが見つかってからも、娘からの視点で家と家族と母を映し出す
いくつもの構成に分けて、物語を並べる
彼女にしか撮れない家族を、ただのホームビデ…
生まれたからには死なねばならないと言う当たり前の事実を見つめているだけだから特にこれと言って何も無いのだが、「私より先に死ぬ母」は同時に「母より先に死ぬ私」でもあって、同じく遺された者に課される「死…
>>続きを読む癌に冒された母をホームビデオで捉え続けた映像の断片が、散文的に綴られていく。でも、そこに人の命そのものが映されているという事実が、その断片にどうしようもなく「物語」的なものを作り出してしまう。
カメ…
ハッとなにか真理の輪郭に触れたような気持ちになった(大袈裟でないつもり)。癌の母親を記録するが誇張もされず美談にもされず、ただありのまま生の中の死と死の中の生を捉える娘のカメラ。佐藤真が推したのよく…
>>続きを読むキャンバスと母、カメラと私。
カメラを回したとしても奇跡は起こらず、小さな夢も叶えてやれなかった。
祖母と母と私の3人の日常が断たれ、祖母と私の日常になったとき、ただただカメラに映る母を眺める二人…
このレビューはネタバレを含みます
お母さんの目や表情。娘さんの笑い声が心地よく。まるでいつの日かの原風景のように感じる。
カレンダーが映された時に、カメラの前では気丈なお母さんの、映すことのなかった時間にハッとさせられる。
今まで…