はじめに失われて
今度こそ失われなかったが
それでもやはり失われてしまった
いつかこの作品が、他の多くの作品の如く忘却の彼方を漂流する時が来たとしたら、これらの断片やメカスの話した言葉はたぶんあの…
このレビューはネタバレを含みます
反復される円環と歩くイメージ、極端に寄って撮られる顔のクローズアップが印象だった。
「ウォールデン」とは違い、早回しはほとんど使われない。前半のリールで描かれる亡命者としてのメカスの側面があることに…
この映画を見てよくわかるのは、メカスが本質的に詩人だということである。言葉の通じない国で必死に日常を記録してゆく行為は、リトアニア難民のメカスにとってあまりに切実なものである。ニューヨーク、ブルック…
>>続きを読む父親の「西へ行け」という言葉のままに故郷を離れたメカスが、終盤で「どこにも自分の本当の場所がないので、どこであろうとすぐにそこの人間になる習慣が身についた。」と自嘲的に語るのが切ない。そう思うと、あ…
>>続きを読む確かにジョナス・メカスは亡命者であったろうのだろうが、同時に旅人であり、革命家であったろうのだろう。隅々まで変わりゆく心情が詰め込まれた6巻のリール、それは記憶装置であると同時に、一人の青年の成長譚…
>>続きを読む『ウォールデン』同様6つのリールで構成される、兄弟の網膜に焼き付けられた記憶の断片。ようやく別れの言葉を言えた気がする至福の180分間。
追われた故国への郷愁を源泉として紡がれていく前半部、そこから…
劇場のエアコンが寒過ぎて3時間キツかったし雪の中核実験に抗議してる人達の気持ちになった。
前半では週末に郊外の誰だかの家に集まってるのがホムパとか何するでもなくただ集まってる様子がエモい。
音楽に語…
亡命してきたメカスがカメラを手に入れ、「私ができることといえば、私自身がゼロから立ち上がって、何であろうと一人前になって、故国、リトアニアに帰ることだけ…」というように、記録をしてゆく。故郷の言葉が…
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