アルフィーの作品情報・感想・評価

「アルフィー」に投稿された感想・評価

1960年代ロンドンの市井に興味が湧いたので鑑賞。60年代はイギリスが「病人」呼ばわりされるほど経済が停滞したなかで、ロンドンでは文化が爛熟してスウィンギングロンドンと言われた時代。

そんな時流に乗ってスターダムにのし上がった若者の代表はビートルズ。本作の主人公・アルフィー役を務めるマイケルケインもそんな若者たちのうちの一人だった。

内容は、自己中、高圧的、短気で粗野だけどルックスが良く自信家でモテる男アルフィーが女を取っ替え引っ替えした挙句に苦い思いをする話。

アルフィーの服と車(ロールスロイス シルバークラウド)はスタイリッシュだけど、車は運転手という職業を利用して乗り回しているものであって羽振りが良いわけじゃない。労働者階級〜中流階級の境目をうろつく市井の若者だった男がそろそろ落ち着きはじめそうな、30過ぎぐらいかな。35歳のハリーと同世代だろう。フラット(アパート)は質素でいつも散らかっている。

そのアルフィーが事あるごとにカメラへ向かって独自の人生哲学(主に恋愛に関する)を語りながら話は進む。アルフィーの節操のなさは、前日に観た「復讐するは我にあり」主人公の榎津巌に通じるものがある。

アルフィーはシリアルキラーでも詐欺師でもないから危険な匂い(<-そんなものが魅力になるのか個人的には懐疑的だけど)や口達者はなく、限りなく直球。

ルックスを除けばなんでこんな男がモテるのかさっぱりわからないからルックスに自信のない男性が観ても絶望感を味わうだけのような気がするけど、特に羨ましかったり腹立たしかったりしないから希望を捨てるには及ばない。きっと当時の観客も納得しながら観たんだろうな。

なぜ羨ましかったり腹立たしかったりしない(≒憧れない)のか簡単に考えてみると、どうもアルフィーの立場に自分を据えてみても幸せじゃなさそうだからじゃないかという結論にさしあたりなった。

まず、アルフィーのやり方でたどり着く女性との関係性がいまいちピンとこない。食事や旅行を楽しむどころか会話を楽しむわけでもない。パッと見スタイリッシュだけどよくよく観察すると女性を性行為のはけ口(時には兼住みこみメイド)としてしか扱っていない。

ロールスロイスでのドライブも、それ自体を楽しむためというよりは女性のご機嫌を取ったり警戒心を解くためのツールに過ぎない。女性達はそれでも従順だったりするけど結局は愛想を尽かしてアルフィーのもとを去る。

関係性以前に、モテることで得られる幸福感にも目を向けてみる。ただし、モテる=複数かつ多様な立場の女性から同時または連続的に求愛されるまたは自身の求愛を受け入れられること、とする。と、承認欲求の充足とか攻略の達成感とか常に新しい相手と向き合う高揚感とか色々考えられるけど、アルフィーはもっと原始的で、基本的には性欲を満たすことしか頭になさそうだからそれもちょっと引く。嫉妬心の強さも縄張り意識よろしくとても動物的に見えるし。

一部の人種に対して、「一見華やかに見えるけど行動原理が動物的だと動物と同じように発情期を過ぎると孤独になる」という皮肉をやってる映画かなと思う。140分は長い。

以下余談

マイケルケインてよぼよぼで眼光鋭いお爺さん姿しか記憶になかったけど、昔はこんな顔してたんだ。遅咲きの二枚目〜好々爺へのキャリアパスは、日本で言うと「復讐するは我にあり」にも出てた三國連太郎とイメージが重なる。

キッチンで闇医者が堕胎するシーンはザ・トライブにもあったけど方法が微妙に違うように思う。たしかザ・トライブでは胎児をゴリゴリに取り出してて、本作では施術から堕胎までしばらく時間がかかってた。その差が何によるのか多少興味をひかれる。

終幕に流れるソニーロリンズ作のテーマ曲はTBSのドラマ「協奏曲」のテーマでもあった。田村正和と木村拓哉が宮沢りえを取り合う話。田村正和の役柄は壮年期のアルフィーをイメージしたものだったのかな。懐かしい。

景気が良くなくても若い世代の元気が良かったからかなんとなく全体に浮ついたムードがあって、バブル期の映画、石田純一主演の「愛と平成の色男」を連想した。どちらも男性主導の映画界のなかで浮かれた男が作ったから似てるんだろうなと勝手に納得する。

もっとも、時代背景が違うから、アルフィーは労働者が蜂起した頃だから所々ささくれてるし、石田の方はトレンディーのフィルタがかかってニヒルかつクール、サックス吹いたりとか見てくれも結構ちがうけど。
April01

April01の感想・評価

4.0
リメイク版のアルフィー(2004年)を見てから、オリジナルの方を見たくなったので鑑賞。

当時のロンドンの街並みを眺めて楽しめる映画。

ジェーン・アッシャーさんはポール・マッカートニーの元婚約者であり、1963年から5年間の間に制作された多くの曲に影響を与えたと言われている。

映画の中でも、繊細な美しい若い女性として登場する。

女性のファッション、特に髪型がまさに60年代で
ボリューム溢れるヘアスタイルに目が釘付け!

ソニー・ロリンズの音楽も良かった。

マイケル・ケイン、瞳がウルウルしていて色っぽい、この役にピッタリ。

大人向けの映画、と言っても良いかも。
町山智浩「トラウマ恋愛映画館」シリーズ

マイケル・ケインおじちゃまは今作を機にスターへ。
プレイボーイ、アルフィーの物語。
アルフィーがしばしば画面のこちらに向かって語りかけてくれるんだが、それがまたいい。ほんとに50年以上前の映画だとは思えないくらい、今にも通ずるところが多い。
エンディングも素敵です。

いろんな女を追っかけ、捨て、捨てられる身になり、わかることもある。
それでも前向きプレイボーイ、アルフィー。
ここまで吹っ切れてると見てて楽しい。

クマのぬいぐるみを抱いて歩くシーンが切ない…。
maverick

maverickの感想・評価

4.0
1966年公開の映画。主演はマイケル・ケイン。最近ではクリストファー・ノーラン監督作でお馴染みのイギリスを代表する名優。そんな彼の若かりし姿がとても新鮮。イギリス人らしい気品さがあり、スーツが似合う色男。『バットマン』3部作の執事、アルフレッドに代表されるような紳士なイメージの彼が、本作ではプレイボーイを演じているのも見所だ。また、視聴者に向かって語りかける演出は『デッドプール』そのもの。こんな所にも第4の壁を破れるやつがいたとは(笑)。主人公は様々な女をとっかえひっかえのプレイボーイ。これが結構な最低野郎で、確かに色男でモテる要素満載なものの、人間性や行動にはドン引き。主人公に対しての嫌悪感は大きくなるが、そこを軽いタッチで重い映画に見せないセンスの良さがある。第4の壁を使い、皮肉めいた言葉で語りかける演出が効を奏している。コメディ系統ではあるが全て軽いタッチでなく、シリアスに見せるべき部分は真に迫る作りがきちんとされている。さらには、普通であればそんな主人公の成長物語として、もしくは破滅の物語として描かれそうなものだが、結果的にプレイボーイな主人公を否定も肯定もしていない。これが俺さ、と。そうまとめる作品性がまたセンスあった。主人公と関わる女性らも全員個性と魅力があって作品を盛り上げる。今の倫理観では作るのが難しい古き良き映画だなと感じた。ジュード・ロウでリメイクもされているからそちらも観てみたい。
ハナから第四の壁を破ってるし
最初のクレジットも無いよって言っちゃって本当に無いから潔くて最高です

またチャラ男話だけかと思いきや
最後に重いパンチ
当たり前なんだけど
時間は戻らないという普遍のテーマ
のぞみ

のぞみの感想・評価

4.0
シェールが歌ってる😆

マイケル・ケインだから許されるクズっぷりとおすすめされて見ました👌

あれだけ付き合っては捨ててるのに「愛してるとは言わない」「自分がこれまで女性達にしてもらったことを思い出すと他人には幸せ者に見えるだろう」とかぼやくんだ~。。こんなに現実的なプレイボーイの主人公は初めて笑

浮気相手の旦那さんの顔を見たら可哀想で同情せずにはいられなくなって冷めるから絶対見ない、みたいな台詞妙に好き。笑
華麗にクズの所業だけど皆さんが言ってる通り憎めないのはこういう所なのかな、と思う。

アルフィーがなんで結婚したくないのか、愛と責任を選べないのか(でも子どもは好きっていう)は、自己愛が強いからなのか?結局誰も愛せないからなのか?最後だけ少し救いがある。笑顔優しかったもんね。無償の愛を学んで。とにかくマイケル・ケイン演技上手い!

このオリジナル版が凄かったから、
ジュード・ロウ版見るか悩む~

2019②④
アルフィー。バンドじゃないよ。

1966年のイギリスの映画。

「彼女には今夜限りなのがわかっていない
 人妻が溺れてきたら潮時だ
 次は亭主に合わせたがる、目に見えている」

「じゃ、おやすみ」と言うアルフィー。
シディーは来週のパーティーにアルフィーを誘います。
「だんなは?」と言うアルフィー。
「あってよ、おやすみ」と言い、キスをするシディー。

「亭主に会ってなにが楽しいんだ?、
 会ってみろ、実にいい奴だったりする、たいていそうだ」

「その女房とやりながら、奴が洗濯したり、パブで話している姿がちらつく
 よくいるマイホーム亭主だ」

「これからギルダを訪ねる、
 彼女はばかじゃないが単純だ、本命の器じゃない
 連れて歩きたい女じゃないがキープしておくのには最高だ」

浮気して浮気して、キザで軽口たたくけど優しくて切ない、満たされない、幸せになれないし幸せにしてあげることもできない、
そんなオトコのおはなし。

背広や車、何でも手に入れてきたけど、何かを手に入れるには何かを手放さなければならなかった。
それで何かいつまでも満たされない。
一体何のために生きてるんだ…
そう最後に独白する。

たれ目の若いときのジェーンアッシャーがかわゆい…。

「アルフィー」名作です。
kirio

kirioの感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

 全編を通してブリティッシュジョークを基調にしながら、戦後の不況や労働者問題などの時代的な暗さ踏まえた、真面目な作品。
嫌いだけど憎めないアルフィーをはじめ、始めと幕引きのちっこい野良犬も愛すべきキャラクター。
★★★liked it
『アルフィー』  ルイス・ギルバート監督
Alfie

マイケル・ケイン as アルフィー

女性をとっかえひっかえ
寂しがり屋だから、すぐ好きになる
"Ilove you"って言えなくて”I like you a lot”
でも"Ilove you"って言われたい
正直なんだよね

アルフィーを去っていく女性
みんな強いね

Ronald Isley & Burt Bacharach - Alfie
https://youtu.be/u1z-kfI5AMg
Dionne Warwick - Alfie
https://youtu.be/cW2fLeD5Pow

What's it all about, Alfie? どういうこと?アルフィー
Is it just for the moment we live?
今よかったら、それでいいん?
What's it all about when you sort it out, Alfie?
あなた、なんか決めるときどうなん?
Are we meant to take more than we give
自分さえよかったらいいん?
Or are we meant to be kind?
それとも人に優しくするほうがいいん?
And if only fools are kind, Alfie,
もし親切にしてもバカをみるなら
Then I guess it's wise to be cruel.
そんなら冷たい方が賢いんやろうけど
And if life belongs only to the strong, Alfie,
でも強い者だけにある世の中なら
What will you lend on an old golden rule?
自分がされて嬉しい事を他人にもしなさいと
昔から言われるのはなんでなん?
As sure as I believe there's a heaven above, Alfie,
確かに天国があるって思てるけど
I know there's something much more,
もっと大事なもの、あるんちゃう
Something even non-believers can believe in.
神を信じない人達でも感じるなにか
I believe in love, Alfie.
愛を信じてるんや  アルフィー
Without true love we just exist, Alfie.
真実の愛がなくっても生きていける
Until you find the love you've missed you're nothing, Alfie.
でも、あんたが知らずにきた愛を見つけんと意味ないで
When you walk let your heart lead the way
自分の心に正直に生きてみぃや
And you'll find love any day, Alfie, Alfie.
そんなら、いつか ほんまの愛に気付くから
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