このレビューはネタバレを含みます
対独レジスタンスの闘士アンドレ・ドゥヴィニの実体験を基にした脱獄映画。
主人公のフォンテーヌが同じく収監された者と手紙のやり取りをしたり、脱獄を試みる手のショットは、次作の『スリ』に引き継がれて…
ちょうど映画のショットについての本読んでるからその視点で観ちゃったのだけど、4:3のアスペクト比でクローズアップが多かったから、独房の孤独さの強調や観客による感情移入ができる作品だったと思った。その…
>>続きを読む物資の受け渡しをする男3人が何度もやってくる。中庭ではバケツを持った女が突如現れ、去っていく。
ブレッソンの作品では人物が何度も画面上を行き来するが、いつも心地よくリズミカルで素晴らしい。この行為の…
結末よりも、死刑囚の独白、逡巡、過程に、
焦点をあてた、ロベール・ブレッソン監督の脱獄劇。
抑制の利いたドキュメンタリー・タッチの演出は、
同じテーマのジャック・ベッケル「穴」と対照的。
ベッケル…
手の美学と音のもたらす想像力で構成された映画。少しずつ脱獄に必要な道具を揃え独房の扉を壊していく脱獄DIYパートと、張り詰めた緊迫感の漂う決行パートに別れる。響き渡る銃声の音と消えていく隣人たちが、…
>>続きを読むすべて過去形のモノローグで語られる構造は前作から変わらず。覗き窓の円形が物理的なアイリスショットになる場面や、外と内を媒介する垂直に垂れた紐が脱走時の綱へ変奏される視覚演出も抜かりない。
壁越しの…
ブレッソンの中で1番シンプルに面白い作品かもしれない
脱獄モノというサスペンス性が約束されているジャンルを、周到にクリシェを避けながらシネマトグラフに昇華している
端正な手の動きを丹念に写すことで脱…
このレビューはネタバレを含みます
久々の再見。ブレッソンのインタビューを読むと本作をドキュメンタリーのように撮ったという。スプーンの柄をノミに加工したりベッドのワイヤーを強度のある紐に仕立てたり灯り窓のフレームを鉤に変形させたりする…
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