カルヴィーノが言っていた、芸術の価値のひとつとしての軽やかさ、の意味が最近何となくわかってきた気がする。
この映画全体を貫くairyな感触が非常に心地よい。
バロックからロココ、そして印象主義の絵画…
このレビューはネタバレを含みます
こんなにも純粋に映画的な作品があるだろうか。
カラーのルノワールがこんなにも美しいものだとは。
画面の深さを存分に発揮したショット数々、光や運動を捉えるまなざしが美しすぎる。
そしてこの映画では…
偉大な生物学者とワイン農家の娘。
普通なら接点が生まれない2人が、
草の上の昼食を機に予期せぬ展開を巻き起こす、
ジャン・ルノワール監督、快心の喜劇。
スクリーンの奥まで行き届いた巧みな演出、
…
生物学者エチエンヌ・アレクシ,女子訓練団,草の上の昼食招待,プロレス中継,休暇日程提出,ネネット.子供遊び,昼寝太り父親,母親歌声目覚め,人工授精記事,弱りヤギ連れ男,ネネット.アレクシ訪問,身体測…
>>続きを読む科学を粉砕する人間讃歌。
人工授精で優秀な人類を残すべきと主張する生物学者と、男はいらないが子供は欲しいと思っている田舎娘が恋に落ちる喜劇。
南仏プロヴァンスの自然が美しい。木に止まる蝉、河畔の…
人工授精、優生思想、性欲、避妊……。川辺での美しいピクニックの画面から乖離した会話。欲情して発狂する一児の母親が周囲を巻き込んで乱痴気騒ぎ。ひとつの恋の前に貧困、環境破壊、欧州統一、大統領選、新人類…
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