恋文の作品情報・感想・評価

「恋文」に投稿された感想・評価

奥山和由の世界、と借りてきたVHSのラベルには記載されていた ラストのシーンがどうしたって金子正次の竜二を思い出さずにはいられない ララバイ
リコ

リコの感想・評価

3.8
ショーケンと倍賞三津子が会話をする場面はいつもしみったれた場所(駅の雑踏、ゲームセンター、居酒屋、ごちゃごちゃした居間)というのが良い。
FURU

FURUの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ショーケンらしいというか、ショーケンならこういうことやりそうだなーという、ハマリ役でした。
ただのダメな男、とは違って、女が死ぬ前にもう一度会いたいと想う男、そういう不思議な魅力がある男、なんですよね。ショーケンってまさにこの役柄そのもののような人だと思います。
人を好きになることって、理屈じゃない、どうしようもないことなんだってつくづく思い知らされるような映画です。
この映画の主役は、ショーケンというよりも倍賞さんだなーと感じました。すごい人だよなーと思いながら見てました。
だんなさんと元恋人に目の前でキスされたり、子供にだんなさんの元恋人のことを説明しないといけなかったり、いとこのふりさせられたり、何度も警察のお世話になっちゃうだんなさんを迎えに行ったり……
それでも別れたくない、帰ってきてほしいと素直に言えるのがすごい。そこまでなんで好きになれるんだ!というか、ショーケン愛されすぎ!!
そんで、ショーケンの「ごめん」とか、「ありがと」が、いちいちかわいくてね。困った時の悲しそうな顔とかね。もうダンボールの中の子犬やんか……。
そんな目で見つめないでよ。
ってなりますね。
離婚届が、最高のラブレター…というのは深いなぁ。ああいうセリフを考えられるのはすごい。
大事な場面でのBGMがいつもざわざわしてたり。あれはあえてかなー。ゲームセンター、エアロビクスの音、子供の遊ぶ声、居酒屋……
音の使い方もこの映画の魅力だなと思いました。
日曜日。海岸でのブルースハープ。お別れの時、何も言えずに、じっとその場から動けずにいた電車のホーム。あの場面好きです。
黄色い線まで下がらんと!危ないよぉ。(笑)
お父さんの元恋人に会って涙を流してたすぐる君。お父さんと元恋人の結婚式を拍手できずにじっと眺めていたすぐる君。彼はどんな想いだったんだろう、これからどんな想いで生きていくんだろうか。お父さんはそういう人だから、と、あきらめるしかなかったのかな。
倍賞さんは戻ってきて!戻ってきて!と、一生懸命ショーケンに伝えて、ショーケンも「ありがと」って答えてたのに、結局、戻れなかった。自分で自分を許せなかったのかな。これ以上、倍賞さんに甘えることもできなかっただろうな。うん。そりゃそうだ。
居酒屋ゆうれいの時みたいに笑顔で「ただいま!」とは言えませんね。苦笑。
一人の男を愛したふたりの女の絆、居酒屋ゆうれいとの共通点を見つけた気がしました。
「私の笑顔を書いてよ」という場面では、なんとなくもどり川を連想したりしました。

ありがたくYouTubeにて拝見させていただきました。
感謝!!
スクリーンでも是非また何度でもじっくり味わいたい作品です。
コレ神代辰巳の最高傑作では!ロマンポルノ期と全然作風が違うけど、全てにおいて冴え渡ってる。

あれだけ「カットが割れない」と言っていた神代が、この映画ではしっかりとしたコンテで、特に切り返しをバチっと決めていて、ちゃんと「メロドラマ」をやってる。何かファスビンダーに近いものを感じたし。台詞も“ 強い”ものばかり。

倍賞美津子が恋敵の高橋恵子の背中を叩いて白血病の発作をおさめるシーン。高橋恵子の「もっと強くやってください」に答えて、倍賞美津子の叩く力がエスカレートしていく。両腕を何回も振り下ろす美津子……。ここは増村保造っぽい。濃くて強いメロドラマ。
あと、高橋恵子が臨終のときに目を閉じたかと思うと、一瞬だけ息を吹き返して倍賞美津子と目が合うときの切り返し!
ただ単に瞼を閉じて終わりなのではなくて、閉じる→開ける(一瞬)→閉じるという三段に分けることで、看取りの際の切り返しの必然性を導き出してる。ここは凄かった。
子供の成長が心配させられる映画ですね。神代辰巳監督が余命が幾ばくもないとしてショーケンが奥山和由に頼んで製作した映画。春日太一さんの「黙示録」に詳しい。ダメダメ男がメインかと思いきや妻と病気の元カノが同じ好きな男を巡って意気投合するみたいな話。ショーケンは、当時倍賞美津子と付き合っていてアントニオ猪木を敵に回した男でもある。そのためキャスティングが楽だったとは!ショーケン・マジック!倍賞美津子が熱演でなんとか観れるんだが、こういった話は、ロマンポルノ向けで裸のぶつかり合いが表現されて迫力を生む感じがする。(大相撲か!)どちらも脱げる女優だったので、できれば身体張ってもらいたかったですね。
死にゆく女と生きる妻子を愛しつつ不器用な男の足音は遠ざかる。
神代から濡れ場を抜くと大げさな感情を中和する受け皿がなくなるので、そもそも陳腐な物語が垂れ流しになり映画が通俗的に見えてしまう。80年代後期の神代映画よりにっかつ時代のポルノ映画の方が今でも突き刺さるし古びていないと思う。ショーケンの存在感ありきで玄関の前まで来て去っていくラストは悪くない。個人的に倍賞美津子、高橋恵子は苦手な役者。
shikibu

shikibuの感想・評価

5.0
2020.05.04再見
現時点の神代ベスト。
神代っぽくないと言われてるし、それには首肯する部分もあるが、どうしようもない男女の関係、いや人間というどうしようもない生き物を、取っ組み合うように描くという点においては、やはり神代映画といわざるをえない。まともじゃないショーケンに対して、まともたらんとする倍賞美津子の姿が、病院の屋上での3人の端正な動線設計から、そこで吹かれる「まともじゃない」風がショーケンと高橋惠子の、逆光の中での激烈なキスシーンを呼ぶ一連の演出など、「まともな」映画と「まともじゃない(神代は気狂いとインタビューで言ってたが)」映画をいったりきたりするダイナミズムと重なり合う。高橋惠子に奥さんだって知ってましたよと告白されるシーンで笑いながらセリフを言う倍賞美津子や、ビールと一緒に包丁を持ってる倍賞美津子をまるごと抱きしめるショーケンや、暗い面会室で電灯を落としながらショーケンに「戻ってきてよ」と伏しながら声を絞り出す倍賞美津子や、与えられたセリフに対して、人間のどうしようもなさみたいなものが、役者の演技からその演出から、より激しく、心をかきむしるように、にじみ出てくる。人混みを逆行する2人とか、浜辺で向かい合うように座りながらハーモニカを息子にふかせるショーケンとか、ほかの神代作品でも見られる詩情が、比較的落ち着いたこの映画の作風からも感じられるのである。

以下、おもいついたこと
冒頭のマンションの窓辺に絵を描くショーケンと流れるテーマソングだけでもってかれる。窓に描かれる絵は、やがて倍賞美津子によって拭われるのだが、その拭うという動作は、二度はさまれる、恋敵の高橋惠子の前に出るときは鏡の前で口紅を拭くという動作に呼応するのかと考えた。
山根貞男はこの映画の評論で、これは大人の男女の三角関係を描いてるだけでなく、そこにその関係を理解できない夫婦の息子を混ぜた四角関係ではないのかと推測していた。倍賞美津子が高橋惠子の病室を始めて訪れるシーン。別の病床の見舞客なのか子供が遊び回ってる音がオフスクリーンで提示されるが、これは息子の存在をほのめかしているのではないかと推測した。
buccimane

buccimaneの感想・評価

4.0
奇抜な感じはないけど逆光高橋さんとか電車にぶつかるんじゃないかってくらいスレスレで見送るショーケンとかハードパンチャー美津子さんとかブチ上がるショットがあってブチ上がった。
美津子さんがショーケンを詰める雑踏のシーンも凄まじいけどあれは梅田でしょうか?
会話の思ってたのと違う玉が返ってくる感じも凄く良かった。
式が立て続けに続くシーンはえっそんな泣く顔とか写しちゃうのと思ったけどまんまとウルウルきてしまったし。
ショーケンのキャラも嘘くさいと言えば嘘くさいけど熱演だしキッドフレシノさん感がある。
高評価が多いですが、わたしはそれ程でもなく…役者さんたちが皆さん良いですが逆にハマり過ぎという感じで何か物足りない印象でした。