新選組始末記の作品情報・感想・評価

「新選組始末記」に投稿された感想・評価

新撰組というと、多いのは近藤・土方ら所謂“試衛館道場“組をメインに据える。本作は山崎丞がメイン。彼は剣客ではなく密偵。それを、美剣士・雷蔵が演じる。

密偵とはいわば二つの顔を持つ事で、本作はそれがテーマ。新撰組内の理想と現実、陽の近藤勇と陰の土方歳三……。終盤のキーになる、商人に扮した浪人・古高俊太郎も二つの顔を持つ。

素っぴんだとファンすら気づかなかったという雷蔵の山崎、新東宝出身で陰のある色気を持つ天知茂の土方。この二人のキャスティングだけで最高。
景コマ

景コマの感想・評価

3.5
新選組という、一種の哲学を持っていた集団の虚と実、表と裏を堅実に描いている。若山近藤、天知土方はそれぞれで二面性のあるキャラクターなのが、映画の構造をよく反映している。

結局新選組は「殉じた」集団なわけで、女ではなくその新選組を取った雷蔵山崎も、虚実に関わらず「殉じる」ことを選んだ男として、主題をよく担っている。

すごく王道だし、押さえるところも押さえてて終始及第点の映画。
☆☆☆★

2016年1月3日 国立近代美術館フィルムセンター大ホール
エーコ

エーコの感想・評価

4.0
『御用牙』と比べるとショットは落ちるが、面白かった。実録物の三隅って新鮮。男女を容易に見つめ合わせたくないという性向が見える。
青二歳

青二歳の感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

三隅研次の新撰組。構図完璧。殺陣美しい。やたら血のりを使う殺陣は好みではないけど、新撰組には血生臭さが求められる。芹沢暗殺など息詰まる血の匂いも立ち込めるも、過剰な血のりはなく、立合いは美しい歌舞伎的殺陣。なのにどぎつい。例えば普通の殺陣なら一太刀のたすき掛けで終わるところを、とどめの二打撃がある。また血のりを吹かずとも藤村志保の手に赤を見せる。それだけで新選組の狂気と、幕末の京都の緊迫感が伝わってくる。

若山富三郎の近藤勇たまらん。撮影会いいなぁ可愛いな。天知茂の土方巽は最高に恐ろしい。芹沢鴨の鉄線はかっこいいなぁ。
女は二度生まれるとかチラチラ大映スターの周りに登場する高見国一が今作は市川雷蔵の横に。少年らしいいい加減さや若さゆえの屈託のない笑顔なんかは若者率の高い新選組にはマッチしてるんですが…なんかいい映画に出過ぎだ。そんな巧い役者じゃないが役どころが絶妙で印象的な存在。
しかし藤村志保がラストをさらうとは。力強く自分だけの道を見つめる伏し目。日本の未来を思う志士は新選組において佐幕の勤めに尽くしその意義を信じたが、その道はのちに行き詰まる。藤村志保の眼差しは未来につながる別の道を示している。三隅研次は、判官贔屓で新選組の悲劇性にひたることを許さないつもりなのだろうか。だとしたら随分容赦無い終わり方だ。
映画男

映画男の感想・評価

3.5
面白かった。新選組というのは僕の中では、幕末のやりきれない気持ちを持った若きサムライが、己の輝き場所を求めて集まった集団というイメージがあるがこの映画ではどうもおっさん臭いしネチネチしている感があった。そこだけが腑に落なかった。それ以外は十分に楽しめる時代劇でした。
勝五郎

勝五郎の感想・評価

3.9
2016.05.25
市川雷蔵が熱血隊士として好演。
個人的には天知茂の土方歳三が皆さんもおっしゃる様にツボです!

藤村志保さんの無垢な可愛さと恐らく実際に人の斬り合いに遭遇したらそうなるのであろうリアルさがいいです。

こういう映画は観ておいた方がいいよなぁ…
mingo

mingoの感想・評価

3.6
黒沢清がオールタイムベストを選ぶ際、三隅研次作品は必ず一本はいれたいと言っていたほど時代劇を語る上で外せない人物なのだが、コピーに「動乱の幕末を必死に生きる若者の群れ」とあるように思春期の群像劇として描ききっており、市川雷蔵の殺陣がうまいなどではないがリアルで素晴らしく見事な一本である。

監察の山崎を主人公に置くことで、一隊士から新撰組を俯瞰してみることができた点がどうやら当時斬新だったらしく功を表したみたいだ。
芹沢暗殺から池田屋を描いてて、もう有名すぎてはいはいわかったよという気にはなるのだが、新撰組モチーフの映画をみるたびに「生きている新撰組」をみてみたいと思う。

雷蔵主役にもかかわらず、土方歳三を演じた天知茂、近藤勇の若山富三郎大先生のオーラぱなすぎて、輝きを放っていないの珍しい…
というかこのあとに観た「幕末残酷物語」が凄くて掻き消された…
男の絆の美しさを語りながら、突き放される女で締めるのが三隅らしい。
田﨑潤が暗殺されるとこは壮絶すぎて笑った。
権藤

権藤の感想・評価

3.5
サムライに拘泥する愚かさと純粋さ。タイトルクレジットからして白砂で
ムキムキ。路地の逃走の見せ方。
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