自動車泥棒の作品情報・感想・評価

「自動車泥棒」に投稿された感想・評価

鶏、生肉、ミュージカル調とシュールな演出。ブニュエルもぶっ飛びそうな鶏の羽を毟りながらのダンスに爆笑。まるで和田版『大人は判ってくれない』という感じだが、どん詰まりの「海」というものが、登場人物たちにはなかった。とにかく出鱈目で最高。マジソンダンスをしながらの会話という粋な演出も。1964年に流行っていたのかな?あと寺田農がずぶ濡れになる噴水のロケーションは今は亡き、新宿ミラノ座前?

@シネマヴェーラ渋谷 35mm
mingo

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4.0
黒澤明「用心棒」においてフォース助監督を担当した和田嘉訓の熱意とアバンギャルド性が相まったデビュー作にして野心作になっている。真理アンヌと安岡力也のデビュー作として知られる本作だが、酋長ことホタテマンが台詞の8割が何言ってるかわからない怪演も見どころ。高級外車から部品を盗んでそれで車を作って銀行強盗をしてヨットを買ってアフリカに行くのが夢って、どこか設定が羽仁進を想起させワクワクする。混血児たちの謎のダンスや新学期操行ゼロを想起させる鶏むしりちくしょーも傑作演出。武満徹の音楽も文句なしに良い。かなりの怪作だが映画表現の楽しみがたくさん詰まった傑作。
遺作「脱出」では最後の映画でのあがきを感じとれるが「銭ゲバ」がかなりの駄作なので、表現は素晴らしいものは持ってるのに正しく使われなかった監督に対して悔やまれる。
ずっと観たかったやつ。序盤から中盤にかけては羽仁進とか斎藤耕一のクソつまらん映画みたいで苦痛。『ウエスト・サイド物語』のパクリみたいなダンスが挿入されたり本当によく分からないしつまらんかった。しかし終盤はクソ最高。おもちゃの銃を持って走りまくる安岡力也と燃える車を見つめる黒人少年。終着点としての浜辺ってなんでこんなに魅力的なんだろう。和田嘉訓は『脱出』(こちらは傑作)でもそうだったが何かを脱したい人物を描きたがる。
buccimane

buccimaneの感想・評価

4.0
力也さんらが走ったり踊ったりなど肉体の躍動が凄いし飼育作業シーンとか横に流れるカメラがオシャレだった。
窓から飛び降りるとことかカッコいい。
しかし少々ウトついてしまいゼニガメさんとかいつの間に居なくなったか気付かなかった。
終盤の米兵の動きも絶対そうならないだろって感じのコミカルさでかえって良かった。
AS

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3.8
自身の境遇に対する淀んだ感情の捌け口が見つからず、厭世的な日々を送る混血青少年たち。事あるごとに「チクショー」と口走り、どこまでもついてまわる成熟しきれない思考が映画の推進力として底流をなしている。
心の渇きを代弁する様なあの謎ダンス、何ならもっと取り入れてみても良い味出たんじゃないかと思う

@シネマヴェーラ
一

一の感想・評価

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"酋長"こと安岡力也をはじめとした混血孤児院の悪ガキたちによる『新学期・操行ゼロ』。でも枕の羽根は舞わず、鶏を殴り殺し「ちくしょー」と声を上げながら羽根をむしり取る。残酷な悲痛の行き止まり。他の孤児たちが養子にもらわれていく一方で、盗んだ車の部品で車を組み上げ港へ向かいアフリカを目指すことにこだわる力也が切ない。最期に目に浮かぶのは荒原を駆けるキリンの姿。大好きな『カリートの道』の看板を思い出すような手の届かない楽園の地。ラスト、パートカラーで海と空の青が目に飛び込んでくる。例えば『地獄の逃避行』に流れるカール・オルフのような、武満徹の優しくフォーキーな音楽が素晴らしい。
Josh2000

Josh2000の感想・評価

3.8
安岡力也!半分何言ってるか分からない。
戦後の混血児施設ってこんな感じなのかって勉強になる。
香港

香港の感想・評価

3.9
終始安岡力也が何言ってるのか分からない!!!

でも何言ってるかわかんなくても問題ないだけの暴力的なまでの勢いがあるんだよな。動的なカメラの動きと、画面の中で動きまくる人物で作っていくグルーヴだね。

そして武満徹の手による、作品の内容とは一見かけ離れたメランコリックな曲や、「ちくしょうちくしょうこんちくしょう!!」や「しゅーちょー!!」とか、耳でも記憶する作品でもある。ホタテ前夜の快作。