カップに注がれたコーヒーに角砂糖を入れるだけで、何故あんなに不穏な空気が出るのか。
あのウサギの死に方。
ガラス戸越しのカメラや手のクローズアップ等、他作とも共通するブレッソン的な演出が今作では…
ブレッソン⑥
徐々に堕ちていくのではなく、ムシェットは徹頭徹尾不幸だ。
貧しい家庭に生まれ、破滅へと文字通り転落していく彼女の姿が、非常にミニマルに描かれる。
台詞は最小限で、ショットも限定的だが…
「パルタザールどこへ行く」で描いているものと大体同じことが描かれているが悲惨さでいうとこちらの作品の方が勝る。
遊園地でのひと時の楽しみをムシェットが送るシーンでさえ、決してなくならない閉鎖感。それ…
ここらで作家性が完成されてきてますね。バルタザールの自由さの代わりに手にした不自由さで独自路線を進み始める。ブレッソンのシネマトグラフは映画を縛りプレイしてる感じ。陰鬱なので好きにはなれないけれどよ…
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