一筋縄ではいかないが、かなり没入しながら観た。「白夜」の時はよく分からなかったのだが、今作を観てブレッソンの凄さが少し見えてきた気がする。
風が吹けば桶屋が儲かる的な、ある小さな悪意が大きな悲劇に着…
辛かった。トルストイの小説が下敷きとあるから、最後には改心が…?と思いきや。
色使いがとにかく綺麗。特有の画角からは、登場人物たちが交差し、結局それぞれの孤独に戻る作風を想起した。
本作でも犬が登場…
「たぶん悪魔が」、「ラルジャン」
晩年のころのブレッソンの作品に特にみられるような
鬱で抑制的な人間がそれでもなお、事物や社会とのコミュニケーションを保てている、それでもなお恋愛関係を持続できている…
社会構造の不条理を描いた重厚な物語を、語らなくても伝わる部分を徹底的に排することで85分という短い尺に収めている凄さたるや。
全てのカットに意図が込められており、色使いや映し方も独特。興味深いシーン…
手と金と扉手と金と扉が散々映っていた。
数日前院生室で皆で手遊びをしていて、手笛を吹き、綾取りして蛙や蛇やうさぎを作って狐の窓から周りをのぞいた。手ってなんて精巧なんだろう楽しいなとか思っていたのだ…
2回目
資本主義の行く末
上から下へと流れる金
ブレッソンの作品を見直しているが遺作にしてもっとも分かりやすくメッセージ性が強いように思える。
RIP.
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