小便小僧の恋物語の作品情報・感想・評価

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な

なの感想・評価

3.9
青と金。その暗さと、チクチク輝く眩さ。色が印象に残る作品だった。夜の劇場で観たせいか、外に戻ってからもなんとなく地続きにあの世界を持ち歩いてしまった感じを憶えている。そしてテーマ曲の美しいこと。
まだ初めての彼女が出来なかった頃に見ては、ピュアな恋愛に憧れ羨ましくもあった1本。「好き」って言えてもさ「愛してる」なんて中々冗談なしでは言えないよ。恥ずかしくて。

幼い頃に家族を列車事故で亡くしたハリーは、母の最後の言葉が「愛してる」だった為にその言葉を聞くとあの日を思い出してしまうように。そんな彼が市電運転手のジャンヌに一目惚れし付き合うようになるのだが、ある日ジャンヌはハリーに「愛してる」と言ったが為に彼は逆上するのだ。二人の恋のゆくえは…。 監督、脚本、音楽、キャスト全てがベルギー人によるベルギー印の恋愛映画。

モテない自分にとっちゃ、もうこう言う設定でやられてしまう。シザーハンズで言うなら「抱きしめたいけど、それは出来ない」って言うあれぐらい「うはー」と。ハリーの不器用な様子には、恋愛に億劫な自分にとって応援したくなるんですよね。ジャンヌは決して美人でもなければ綺麗って感じではないんですけど、キュート。傷つける気なんてないのについハリーを傷つけしまうのには、付き合い初めの繊細と初々しさを感じ、どの恋人達も一度は経験があるのではないでしょうか。私自身も、わざと逆上するような事を言ってはきゃっきゃっしたり取り返しつかなくなったりなんてセンチメンタルに。

そして、ああゆう終わり方って記憶に残っちゃうんですよ。久々に見たのですが、初めてデートした日を思い出し当時の雰囲気が蘇って来ました。

この映画を見てから、一度はベルギーのブリュッセルに行っては市電に乗ってだらだらーっとしてチキン・ポット・パイを食べたいと思うように。最近、テロがあったけども…。


未DVD作品の為、渋谷か新宿のTSUTAYAでVHSあると思います。

そうそう、95年に渋谷シネマライズで公開されたみたいですが、2016年1月に閉館。切ないですね。いつかまた、彼女が出来たら一緒に見たい映画です。