家路の作品情報・感想・評価

「家路」に投稿された感想・評価

akubi

akubiの感想・評価

4.0
窓越しの親密さ。舞台袖のよそよそしさ。こごえているもの盗り。
孤独を抱きしめるひと。孤独をもて余すひと。孤独を憎むひと。

色とりどりのそれらが音を奏で、やがてほんものの自分自身へと帰ってゆく。なにものでもなかった、あの頃の自分へ。
優しく描かれた空に足早に回る観覧車がせわしなくも美しくて、老いゆく儚い人生をおもった。
人は胎内から出てきて徐々に社会的関係を築いていくが、疲れた時は胎内に戻る代わりに家に帰り休息をとる。悲劇に見舞われた時はもう家に帰りたいとよく思う。交通事故で妻と子供夫婦を一度に亡くした老人俳優の渾身の「家に帰る」が観られる映画。
遊

遊の感想・評価

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ソフィア・コッポラの「SOMEWHERE」に凄く似てると思った
他人を演じることで生活してると自分の人生のピントがゆっくり合わなくなってくのかな

山場もなく淡々とした描写をしみじみ鑑賞するタイプね、と思わせておいて最後10分でふっと意表をつく展開になって途端に「結末に向かって進行する物語」に化ける感じ、90代のじじい監督のくせに侮れない
ピコリじいさんの生活をただ見ているだけなのに心地良い。でもオリヴェイラはやっぱり女性を中心に据えた方が良い。
テーマとストーリーは好み……のはずだったけど、とにかく退屈。起伏に乏しい、淡々と進む映画が好みな私でも、途中で飽きてしまうほどだった。特に舞台上の芝居のシーンはあんなに長くなくていいと思うけど。孫の存在もそこまで生かしきれてないのかな。

延々と足元を映す会話シーンとか、窓越しのシーンとかはユニークだったけど、そこまで効果的だったかと言うと……。
ジャケ写から漂う良作臭。大人の男と少年という黄金の組み合わせ。このふたりのどんな生活が見れるのか楽しみでしたが…ちょっと話が違いました。

大物俳優ピコリさんが大物俳優を演じてます。舞台袖から見守る劇中劇の様子や仕事のオファー場面での持論の展開だとか…まるでピコリさんを密着取材した情熱大陸を観ているかのよう。

普通なら耐えられないはずの冒頭の辛い出来事。寄る年波には勝てないと悟ったような終盤の展開。いずれも現実に抗うことなく人生を達観した潔さが感じられます。でも最後は少し心配…

お気に入りシーンの靴だけのロングショット👞いやにオシャレでした。
ぞしま

ぞしまの感想・評価

4.5
良かった。
劇中劇も、部屋で静かに悲しんでるところも、靴のところも、ラストも、良い。

ミシェル・ピコリ……!

タクシーの車窓から見える観覧車、すごくきれい。
Gak

Gakの感想・評価

4.2
キュートだなあ
孤独に耐えながら俳優業やってるのに、テレビの世界に引っ張られてなかなかぞんざいに扱われてる人の話。
でもまあ、セリフは覚えないといけないかもね、ちゃんと

靴だけ映すショット。使える
靴盗まれるのとか、なんかキュートなんだよね。老人の日々のルーティンワークに起こる小さな事件。
好きな絵画を見つけたり。

代役に抜擢されるところの、監督の何とも言えない悪気の無い嫌な感じがうまい。
メイクすれば若くみえますね。
そのあとの長いメイクシーンの画面の暗さ笑
演劇シーンはマジで長いし。笑

孤独に対するプライド
選んでやってる
生き残った孫とはそんなに上手にコミニュケーション取れず
NYARGO

NYARGOの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

本来なら無条件に賛美されるべき才能ある老人にこの仕打ち
決定的な事件が起きるわけではないだけに恐かったです
ペイン

ペインの感想・評価

4.0
クリント・イーストウッド現90歳を遥かに上回る106歳まで映画を撮り、世界ギネス記録にも認定されたポルトガルの巨匠、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の2001年の作品。

オリヴェイラは遺作の短編『Um Século de Energia』をYouTubeで観て度肝を抜かれて以来、初めての長編鑑賞。

冒頭の演劇のシーンや、その他数ヵ所、いくらなんでも中弛みし過ぎでは?というシーンも散見はされたが、それでもあまりある素晴らしい役者たち(特に主演のミシェル・ピコリ)の自然すぎるアンサンブル、それを引き出す監督の熟練の演出にはぐうの音も出ません🙏

個人的には老人の人生のターニングポイントを描いた作品として、黒澤明の『生きる』や、ベルイマンの『野いちご』なんかにも通呈するものを感じました。
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