家路の作品情報・感想・評価

「家路」に投稿された感想・評価

Mypage

Mypageの感想・評価

4.1
『ドライブ・マイ・カー』の5倍良くて、『ライムライト』の2倍良かった

このおじいさんがどんな人生を送っているのかということを、おじいさんを見ながら、おじいさんか見ているかもしれない景色を見ながら、想像することしかできない、けどその想像するのがめちゃ面白い。
観客にとっては、舞台のなかの出来事も、映画のなかの出来事も、同じように“自分の身に起こったことではない”出来事なのだし、その壁を越えることなどできなくて、そんなこともナンセンスなんじゃないかと言われてるよう。

このおじいさんはこの絵の前で立ち止まるんだ、とか、このおじいさんは、メイクされてるときどんなことを考えてるんだろうとか、ぜんぶそれに尽きる

靴の回収とか、カフェの反復、牛乳おばさんの回収、家が近いから歩いて帰れるとか、さりげない伏線の回収がおしゃれ。

朝の部屋の暗さ、静けさがなぜか懐かしい

インタビューで監督が「現代の悲劇」とか「家に帰っても何の解決にもならない」とか言ってて、さすがにきびしいなぁ。そしたらあの最後のカットはなかなかきびしいまなざしだったんだなぁと
カフェでいつもの席に座れない男の動きを何度も追いかけ

長いメイクシーン
変身していく様
ピコリという存在が見事に。こじんまりながらサイレント的な動きの面白さや、長回し。素晴らしかった。
あの観覧車とピコリの車内からの目線忘れられない。
yuuuk

yuuukの感想・評価

4.0
最後10分くらいで見てきたものを理解できる瞬間があった。切れ味鋭いラスト。

おじいちゃんの背を見つめる孫の顔、それまで大きいこととして扱われなかった老人の妻と息子夫婦の死が暗く影を落としている。無邪気に見えていた孫も、彼なりに祖父を気遣いながら拠り所にしていた。

気持ちが世から離れてしまった老人の姿は、まるで魂のないラジコンカーのよう。老人は心を取り戻すために家に帰った。
ひたすらに薄味で、粥を食べさせられている感覚。オリヴェイラ作品のわりには微妙なのではとも思ったが、たしかにミシェル・ピコリの生活を見ているだけでしみじみとはなる。フェイバリットではないがそこそこ好きな作品。
wong

wongの感想・評価

4.0
本来写すべき筈の部分を画面から排除するオリヴェイラ。例えば、リハのシーンでセットにいる俳優ではなく、監督マルコヴィッチのクローズアップを映し続ける。
多くの人が目にしてるものの裏にはほつれがあるような、そんな暗部を切り取る彼だが、出てくるキャラクターを飄々とした人に仕上げるから、そんな重い状態を叩きつけられてる気もしない。
終始平和な画面に突如やってくる
暴力。習慣化してる孫の見送りがラストに、孫に見送られるに変化するのは圧巻
akubi

akubiの感想・評価

4.0
窓越しの親密さ。舞台袖のよそよそしさ。こごえているもの盗り。
孤独を抱きしめるひと。孤独をもて余すひと。孤独を憎むひと。

色とりどりのそれらが音を奏で、やがてほんものの自分自身へと帰ってゆく。なにものでもなかった、あの頃の自分へ。
優しく描かれた空に足早に回る観覧車がせわしなくも美しくて、老いゆく儚い人生をおもった。
人は胎内から出てきて徐々に社会的関係を築いていくが、疲れた時は胎内に戻る代わりに家に帰り休息をとる。悲劇に見舞われた時はもう家に帰りたいとよく思う。交通事故で妻と子供夫婦を一度に亡くした老人俳優の渾身の「家に帰る」が観られる映画。
遊

遊の感想・評価

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ソフィア・コッポラの「SOMEWHERE」に凄く似てると思った
他人を演じることで生活してると自分の人生のピントがゆっくり合わなくなってくのかな

山場もなく淡々とした描写をしみじみ鑑賞するタイプね、と思わせておいて最後10分でふっと意表をつく展開になって途端に「結末に向かって進行する物語」に化ける感じ、90代のじじい監督のくせに侮れない
ピコリじいさんの生活をただ見ているだけなのに心地良い。でもオリヴェイラはやっぱり女性を中心に据えた方が良い。
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