世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶の作品情報・感想・評価

世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶2010年製作の映画)

CAVE OF FORGOTTEN DREAMS

上映日:2012年05月12日

製作国:

上映時間:90分

3.6

「世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶」に投稿された感想・評価

カラン

カランの感想・評価

4.0
3万2千年前の壁画がフランスの峡谷で発見されたらしい。探検家たちが峡谷の岩壁にへばりついて探索し、岩石で入口が覆われて洞窟内部が完全に覆われているのを、たしか、わずかに漏れでる空気を察知して?見つけたようだ。壁画は凄いですよ。私はソシュール的な言語一元論者なのですが、ボノボの人間的性行為の映像と同じくらい、考え直さないといけないかもなと、強いインパクトを受けましたね。ものすごい上手で、まわりにホラアナグマの爪痕が刻まれているのも、悠久の彼方の表現である気がしましたね。

木だけの葡萄畑のような素朴で高さのない平面から、遠景を撮りながら峡谷に降りていくハレとケの対比による一連のショットは、リドリー・スコットの『プロメテウス』のオープニングの人類の起源にまつわるシーンよりも、私はずっとゾクゾクした。その後の映像は普通 (爆)。

この洞窟は、入口を覆っていた岩石によって密封されていたので、タイムカプセルのように太古の空気をそのまま封じており、時代の臭いまで残しているという。で、内部の空気を保存するために、入口は金庫のような重厚な鉄扉がつけられており、内部には鉄のレールのような足場が組まれているが、そこからはみ出すことは決して許されない。調査チームの吐く息のせいで内部にカビが生まれて、もはや立ち入りを全面的に禁じるということにもなってしまったようなロケーションでの撮影なのである。ヘルツォークも「狭すぎて撮影班が写り込んでしまう。」と漏らしており、ときどき登場することになる。内部には樹木の根からでる有毒な二酸化炭素が満ちている場所もあり、長期の撮影がそもそも可能でなかったようだ。

奥まったところの天井からつららのように垂れた岩に、野獣と人間の女がまぐわるような壁画が描かれていた。「それはこれ以上は撮影はできません、その岩に近づくための足場を周辺が脆いので作れないからです。」と言われるのだが、そこは『フィツカラルド』を撮ったヘルツォーク、カメラに長い柄をつけて撮影の許可をもぎ取る。たぶんしつこく撮らせろ撮らせろってせがんだのだと思う。

ヘルツォークは映画のためという名目であまりにも強引になり過ぎてる気がして、好きになれなかった。だって、撮影のためにアマゾンの山を裸にしちゃだめでしょう。アマゾンに西洋のオペラを鳴り響かせるって発想がそもそもただの西洋中心主義、植民地主義、なんと言おうと帝国主義でしょう。あんな映画を観て喜ぶなんてのは、為すところを知らざればなり、恥知らずにも暴力に加担しているようなもんでしょ! あの自分の夢とかいいながら乱痴気騒ぎを南米のジャングルで起こしたフィツカラルドという白人は、まったくもってヘルツォーク本人のことだろうって思ってた。だからヘルツォークはあまり好きじゃなかったし、許せないやつだなぐらいに思ってた。しかしこのドキュメントを観ていたら、少し好きになってきた(笑)

ドキュメントなんだけど、ツッコミが激しいのも、爽快。よく、そんなのは分かってるから、もっと深く探求しろっていう番組があるけど、これは違う。映像の素材が限られているからなのか、センターでもフィールドでも専門家に話を聞くのだが、学者があれこれ言うと、逆に喋れなくなるような返しをする。「この武器は、こうやって長い柄につけて投げることで、マンモスを倒したのだと思われます」って、アインシュタインのようなおじさんが得意げに古代の武器を投げてみせると、ヘルツォークは「それではマンモスは倒せないと思う」と言って学者を苦笑いさせる。発言からかなりの学識があるようで、顔も怖いから、学者たちは困っただろうな(笑) この人は本気なんだよ、映像に何かを残すこと以外に何も考えてないけど、そういう本気さは脚色とか演出とか撮影技術とかの前提なんだよね。

そのほか、人間の起源を巡って、与えられたものをそのまま受け止めずにさらに探求に向かう異色のドキュメント! ワニまで出てくるんだから!
kumi

kumiの感想・評価

3.8
3人の探検家がクリスマス前に発見した
世界最古の洞窟。その中は素晴らしい壁画の数々だった。

この言葉は作品を見事に表わしている

『流動の概念、浸透の概念。

流動...変化が可能なモノ 
カテゴリとしては男 女 馬 木
木は話すことができるし、
人は動物やほかのものに変身できる

浸透... 我々の世界と霊の世界とに
境界がないことだ 壁は我々に話しかける 
我々を受け入れたり拒否できる
呪術師は自分の魂を霊界に送ることができ
霊界から 自分の中へ霊を受け入れることができる

二つの概念を合わせると
我々の生活とは 
どれほど違っていたかわかるだろう』
ヴェルナー・ヘルツォーク

「霊」をインスピレーションに置き換えるとわかりやすい
馮美梅

馮美梅の感想・評価

4.5
3億2千万年前にこんな壁画を描いたということにとにかく、びっくりし、一体何でどういう意図で描かれ他のかもすごく気になったし、単なる落書きというレベルではなく、本当に動物が生き生きと描かれているんですよね。

特にインパクトがあったのが、手形。古代の人たちも現代の私達とおんなじなんだなぁ〜だからこそ余計に未来の人たちに何を伝えようとしたのかいろんな思いが膨らんできました。
ほとんどの壁画は1人によって描かれたことまで分かってるらしい。もちろん残ってるものはってことだから、感化された周囲が多少描いてた可能性は否めない。しかし、農耕革命以前の人類に壁画アーティストなんて職業はなかっただろうし、そいつが一体なに考えて来る日も来る日も暗い洞窟の中で絵を描いて過ごしたのかはわかりようもないけど、狩猟社会の構成員としてはすごい異質だったんじゃないかな。勝手な想像だけど、誰かから後ろ指を指されたり、食い物を回してもらえなかったりとかも、ひょっとしたらあったのかもしれない。もしくは、そんなこと全くなくて、ふつうに尊敬されてたり。とにもかくにも、そいつは霊的な何かに後押しされて、描き続けたと。つまりは、そういうことだよ。

人間ではなく動物の画が圧倒的に多かったのが色々と考えさせられる。
756bee

756beeの感想・評価

3.6
いろいろ観たい映画を押しのけて鑑賞。圧巻!衝撃!もっと稚拙な絵やと思ってたわ。原始的やけど、だからこそ力強い。絵画って平面に描くもんやって思い込んでた。これは3Dで観る意味があるわ。ちょっと寝たけどね。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

4.5
2014/2/20鑑賞(鑑賞メーターより転載)
これを小さい頃に観てたら将来の志望が変わってたかも?!という気になる、大人子供問わず絶対に観るべき貴重なドキュメンタリー。フランスで近年発見され考古学史を塗り替えた先史時代の洞窟の壁画を丹念に取り上げ、一般人が立ち入れない貴重な生の映像を届けてくれる。人類の祖先の作とは思えない絵の鮮やかなタッチ、数万年前の人物の人体特徴や生活ぶり(その時使われた松明も!)までも判るような奇跡のような保存状態...これが残った事も映像に残せた事も奇跡。上映時は3Dだったそうだが、それで観られればどれほど凄かった事か。
3Dってこういうアプローチが実は最も適してるんじゃないか?
と目から鱗が飛び出す3Dでした。
ZOMBIETIME

ZOMBIETIMEの感想・評価

4.0
ドキュメンタリーは確固たる事実が力になって脚色の手腕によっては、こんなにも素晴らしい物語、映像ができるんだなと思いました
ほしの

ほしのの感想・評価

4.3
人間が人間から進化して新たな存在になろうとするための行為としての「祈り」、そういうのをホモ・スピリチュアルって話が出てきた。祈りの一形態としての芸術。

なんというか旧石器時代から人間はいろんなものを工夫して改良してきたけど、その間、根本的に新しいものは生みだしてない。大昔に人間は全部作りきった。だから進化を望む。色々は進化のための祈りの悪戦苦闘の成果。的なことを感じた。壁画の洞窟はとても幻想的で美しかった。

ヘルツォークのドキュメンタリー、もっと観たいなー。あとウィリアム ギブスンとかのサイバーパンクを読もうと思った(最近、クローム襲撃とニューロマンサー買ったし)
てぃだ

てぃだの感想・評価

3.5
「「人類=ホモサピエンス」っていう定義はふさわしくない。私たちはその名にふさわしいほど何かを知ってるわけでもない。それどころか何も知らない。」ってとこと槍投げのおっさんがおもしろすぎwww
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