妊婦を主役にした映画を撮りたいと願っていたフランソワ・オゾン監督が、当時妊娠6ヶ月だったイザベル・カレを主役に撮ったのが本作「ムースの隠遁」である。
わたくしごとだが、自分が父親になるまでの数ヶ月…
倫理や道徳は一旦端に寄せて、人はそれぞれの形があるだけなのだと思った。
波がメタファーっぽくなってて良かったな。
自分のお腹に絶望とも呼べる希望が宿っていたとして、10ヶ月も正気を保てる気がしない…
欲した唯一の存在は去り
残ったのは実感の伴わない命
膨らむ未来と反比例していく自己価値
埋まらない孤独と冷たい床
美しさと醜さは表裏一体で
じわりと闇に浸食される感あり
生まれ堕ちた場所は苦しみの…
久しぶりにフランソワ・オゾン❗️
あ〜〜オゾン🥺と言う感じ。
まずタイトルだよね...
原題『Le Refuge』(避難所)
邦題は、ムースはジャケ写の女性の名前で、彼女がイントンする話。
オゾ…
妊婦姿が美しかった。ポールがピアノを弾きながら歌うシーン、心の移り変わりとお腹。全てが芸樹的センスで魅せられた。
配達人にコーヒーを大きなカフェボウルに入れてさらっと出すシーンもナチュラルでよかった…
♪ 凍りついた時間に震えて
歪んで見えない記憶重ねる
悲しみが消えるまで
一言でまとめると“文学”ですね。
過去に流されて消えた恋人。
お腹の中に残された子供。
誰にも望まれない自分。
…
亡くなった恋人の子を身籠っていたムースは、1人、出産を決意する。
ドラッグも断ち、生に向かうはずだった彼女のベクトルは、恋人の弟との奇妙な同居生活によって静かに揺らいでいく。
巧妙な犯罪のようであ…
オゾンの作品に、道徳心も常識もいらない。
劇中歌(エンディング)がめちゃくちゃよい。
冒頭から、なかなかエグい。
へロインを血管にぶちこんでる画は、もうスッパーイ梅干しを食べた時のような、クソ苦い…