むかしむかしの作品情報・感想・評価・動画配信

「むかしむかし」に投稿された感想・評価

AS

ASの感想・評価

3.6
所持DVD再鑑賞。
フィルム欠落箇所が多すぎるのが残念で定価5040円の対価としては物足りないところもあるが、前半の如何にもなお伽噺→後半のドライヤーならではの厳格さといったギアチェンジにはブチ上がる。
甲冑

甲冑の感想・評価

4.0
ドイツからデンマークに戻って今度はおとぎ話。殺伐としたものが続いたからかノホホンと優美な感じでこういう引き出しもあるんやなぁと。「誰も手伝ってくれなくてバタバタと仕上げてしまった」との事だしスチールだけで処理されている所も散見するがフィルムの損失がかなり多いみたいでここまで修復されて観れるだけでも感謝。そして毎度40頁ほどにわたる小松弘先生の細やかな解説付き冊子を付けドライヤーをソフト化した紀伊國屋書店には日本で最も栄誉のある会社として俺内で盛大に表彰させて頂いた。
100年経てども、映画の輝きは失われないのだ!!映画最高!!
lemmon

lemmonの感想・評価

4.0
点数が非常に難しい😖。


イリア王国の我儘な王女が、大切なものに気づくお話。
とてもシンプルだが、物語が進むにつれて面白さが増し、夢中になったところ、現存するフィルムがなく、スチール写真と字幕での演出に頼らざるを得ない作品となっている。

教訓めいてはいるもののどこか愛らしさがあり、舞台セットも素敵で絵巻物のような印象。

軽くユーモアを注いでいたりと、堅くならずに鑑賞できるドライヤー作品で、とても楽しかった。


人生の喜び。
この王女の境遇は、んなアホな!的な展開だが、物の見方ひとつで変わる価値観。
彼女はきっとよい王女、妻、そして母にもなろう。


書くと簡単だが、その人の立場立場で気づきにくいことってある。
映画はそんなことも思わせてくれる、ありがたい存在😊。


点数は、きっと後半も映像が明確に残っていれば傑作であったと信じて!
ドライヤーには珍しいおとぎ話の映画化。作り込まれたセットや衣装が美しい。
zhenli13

zhenli13の感想・評価

3.0
ノーザンライツフェスティバルにて
ドライヤーらしからぬコミカルさや華やかさがあると思ったらそれは前半だけの話で、後半は人間としての在り方や信仰心に迫る。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.5
‪「むかしむかし」

‪冒頭、昔々のイリア王国。
我儘な王女、外国の貴族、求婚、王宮へ来た王子。森を彷徨い、不思議な人物との出会い、やかんを手にする。真の愛情を知る妃、縛り首。今、5幕からなる王子らの求婚が描かれる…

本作はカール・テオドア・ドライヤーが1922年に監督した唯一のおとぎ話映画で、本作はスウェーデンとドイツで1本ずつ映画を監督したドライヤーが故国のデンマークに戻って映画輸入業者のS.マッセンの"最もデンマークらしい映画を作って欲しい"と言う要望に応える形で、作家H.ドラックマンが1880年代に書いたお伽話「むかしむかし」を映画化したのが本作である。

どうやらアンデルセンの童話に出てくる「豚飼いの王子」と言う物語に類似している様だが、そちらを見たことがないため何とも言えない。

本作は意外に愛国主義的要素があって結婚式のシークエンス等は個人的には好きな場面である。

それと古くからある民話も素晴らしい。

対局する森の中の小屋の貧困的な生活と環境を映し出した映像と煌びやかで華麗な王宮の場面の美しさとのコントラストがあまりにも違くて圧倒される。

このような美的映画を堪能できるのは当時からは非常に好まれていたとは思うが、この時代に今から100年前近くの作品を見てもそう感じるのは如何に本作が凄いかを実感できる。

さて、物語はむかしむかし、イリア王国という所に、超がつく程の我儘な王女が暮らしていましたとさ。

外の世界から貴族がこの我儘だが美しい王女を妃にすべく、日頃から求婚に訪れる。だが、彼女の好みの者はいない…軈て国王も王女の我儘に疲れ果てるが、ある時にデンマークの王子が我儘王女の美貌の噂を聞いて、求婚の為にイリア王国の王宮を訪れる。

しかし王子も彼女をモノに出来無い…。 

ショックをうけた王子は森を彷徨う。すると不思議な人物が現れ王子はこの人物から不思議な"やかん"を貰う。

乞食に変装した王子はこの"やかん"を持って王女の所に行き"やかん"をあげる代わりに今夜一晩王女の寝室で過ごすという条件を貫き通す…。

そして次第に真の愛情とは何かに気づく王女を描く…と簡単に説明するとこんな感じで、取分け、この時代の監督は凄まじい作品を世に放っていた。ドライヤーがこの作品を出すのであれば、ムルナウやラングも同等に素晴らしい作品を出していた。

本当の意味で価値ある戦いだった。

この作品とりあえず象徴的に映るのがロココ調の雰囲気なのだが、これってフランスのロココ様式を導入しているような感覚を得るのだが、貴族の風俗画が作品に投影される展開などは中々の見ごたえがある。

やはりこの作品を見るにあたって美術史と歴史も勉強していきたいと思った。

職業俳優を使わない彼のスタンスは本作にも表れている。

また声を発さない画面作りの中で、演じる役者の芝居も素晴らしいし、演劇的な芝居も見ごたえの1つである。

もっとも優美的な演出が印象を残すのだが…。‬

余談だが、本作のセットや衣装やロケ撮影を考えるとかなりの製作金額がいったと思われる。

それともともと60分近くのプリントしか見つからなかったらしくて、それがトータル70分以上の作品になっている分、ラストに多くのスチール写真や新たに中間字幕を加えて尺を伸ばしたのかなと感じ取れるが、実際のところはよくわからない…多分きっとそうであろう。‬

‪まだ、未見の方はお勧めする。映像が美しく華麗で、風光明美なモノクロームが最高だ。‬
hrmnkzt

hrmnkztの感想・評価

3.5
明るく喜劇的な前半と暗く貧しい後半でがらりと変わる姫の表情が印象的。
傲慢な表情から何か祈るような表情へ変化していく様がどちらも魅力的に描かれている。
フィルムが欠けている為テキストなどで補われているクライマックスのシーンが、実際にはどんな風に描かれていたのか観られないのが惜しいけれど、100年近く前のおとぎ話を今観られる事に単純に感動している。
序盤は退屈だがどんどんショットが冴えていく。「羅生門」が子供騙しに思えてくる森林の美しさ、クローズアップの強度、繋ぎの面白さ。フィルムの欠落が途轍もなく残念。
菩薩

菩薩の感想・評価

4.3
あるところにジジイとババアがいて、腹の足しにもならぬ団子を与え育児放棄するピコ太郎の紛い物みたいな話などでは当然無いが、いい加減「きりもみ空中2回転」こと底抜けAIR-LINEは再評価されて然るべきだと思う、特にテクノ体操。

傲慢ちきでクソ生意気な小国の王女が、一夜にして全てを失った後に「真実の愛」とやらを獲得する、キーアイテム「黄金のやかん」。他人を見下す事ばかりを得意としていた人間が、他人に何かを懇願する様になった時の、その哀願に満ちた横顔は非常に美しく、かつ質素かつ厳しい生活の中で自らの存在意義を見出し「あの頃には戻りたくない。」と、最終的には自己犠牲の精神すらも習得していく大人のお伽話。なんせ道化役がいいキャラしてる。最終的に二人が結ばれる様のフィルムが欠損しているのは非常に残念。幸福とは常に喪失の先に存在しているものである。
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