O侯爵夫人の作品情報・感想・評価

O侯爵夫人1975年製作の映画)

DIE MARPUISE VON O...

製作国:

上映時間:103分

ジャンル:

4.0

「O侯爵夫人」に投稿された感想・評価

ムチコ

ムチコの感想・評価

4.5
名画のような構図、サテンのドレープの陰影が美しすぎて! アルメンドロス!

とにかく男がズルくて良い。
「救うと同時に辱める」という抜群に両義的な主題を持つクライストの原作を、蝋燭の火の余韻を通して洒脱に映像へと落とし込んだ傑作。至近で捉えながらも醒めた印象を残す母と娘の衝突シーンが素晴らしいし、オチも皮肉めいていてナイス。グザヴィエ・ドラン氏はこの映画が持つ感情の宙づりを『たかが世界の終わり』の手本にするべきではなかったか、などと思わず生意気なことを口走ってしまいたくなる。
A

Aの感想・評価

4.4
俗な事件を歴史劇ならではの大仰な語り口で、ロメールらしいおとぼけも挟みながら描く巧みさ、そしてアルメンドロスが自ら最高作と語る映像が本当にうつくしい。ドイツ語も新鮮。
nagashing

nagashingの感想・評価

3.5
多様で複雑な恋愛観を持つ男女関係のグレーゾーンを皮肉っぽくとらえた現代劇にたいして、18世紀末の強固な宗教観がはっきりとシロクロの判断をくだしてしまうこの歴史劇の風とおしのよさはいい意味で意外だった。明晰なせりふ、端正で禁欲的なショットのつらなり、自然光を採り入れた照明、この監督の持ち味と原作の前近代的な世界観がバランスよく調和している。
ぶつ切りのシーンのつみかさねや字幕による進行を多用する性急で淡白なストーリーテリングに初めとまどったが、それはしだいに身に覚えのない妊娠でふくらんでいくおなかへの違和感と連動して、「気持ちが追いつかないもの」のサスペンスとして結実していく。この駆け足な流れと室内の奥行きをじゅうぶんに使った長いカットで構成されるシークエンスの緩急がまたすごい。
フュースリの『夢魔』は参考というかもはや引用で、「悪魔」に襲われる以前からすでにあの絵の構図を再現していた侯爵夫人の寝姿は、ずっこけ必至なオチの予言だと読めないこともない。
dailyfroth

dailyfrothの感想・評価

4.5
ロメールのなかでも相当好きな感じだったし巧さ炸裂という感じ。なにも中身を知らずに観たい。絵画的援用の多そうな撮影もきれいで楽しめたしデジリマもよかった。
とにかく室内の女が美しく撮られているのと、その美しい室内にズカズカと踏み込んでくる侵略者のおぞましさ。ラストの切れ味最高。
tjr

tjrの感想・評価

4.5
こんな下らないとも思える話を経済性を度外視したような慇懃すぎる語り口で進めるのが最高。
そしてこの照明への意識は尋常ではない。多くは室内での会話であるが隅々まで行き届いた画作りは異様な高貴さと緊張感を放っている(スクリーンで観れて心底良かった)。ピストルが出るシークエンスには違った意味で戦慄した。
恋愛ゲームに陥らない分ロメール×アルメンドロスの恐ろしさがより際立つ傑作
ひ〜〜〜
バカバカしくて嬉しい!
ロメール本人もちゃっかりロシア軍人役で出演している。あの髪型で。