第65回カンヌ国際映画祭グランプリ。
マッテオ・ガローネ監督作。
イタリアの鬼才マッテオ・ガローネが『ゴモラ』(2008)の次に撮った異色のドラマ映画で、リアリティー番組のオーディションに参加した…
フェリーニの『ジンジャーとフレッド』のアップデート版のような趣ありだが、内容はより辛辣で、一部にYoutube時代の到来を予見するような場面も。
バチカンでさえ救えない名誉欲と成り上がり志向の露悪的…
ごく平凡な家庭を持つ陽気な魚屋のおっちゃんルチアーノが、出演すれば一攫千金を獲得できるかも知れないTV番組のオーディションを受けてからの偏執と、次第におかしくなって周囲と乖離していく姿を描く。
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リアリティー番組のオーディション、合否に左右される小市民の寓話。切り返しの代わりに手持ちカメラの長回しで主/客をつなぐショットが誇大妄想と現実の間で不安を抱えて右往左往する気味の悪い間を作る。不安・…
>>続きを読むビッグブラザーとはどんな番組コンセプトなのだろう。移動しない「あいのり」的な素人参加番組か。家に出たコオロギさえ、番組の差し金かと勘繰ってしまう、思い込みの激しさが哀れ。動機が不純で急に善人にはなり…
>>続きを読む「日常」という名を冠された非日常の世界に憧れたがために、本物の日常に色を見出せなくなってしまうという奇妙な悲劇。でも、ここまで極端じゃなくても、非日常に意識を囚われて日常を十分に味わわず過ごしている…
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