「ミカエル」の作品世界は「見ること・見られること」「描くこと・描かれること」の主題が織りあげる錯綜した戯れの場からなっている。われわれの映画的感性を動揺させるのは、この主題が物語の展開を支えているか…
>>続きを読む目線と明暗で視聴者の意識の動線を。
フォーカスによって感情伝達する。
すでに満ち足りた最大限の美的開花を遂げ、残されているものは無惨に滅びゆくゾレの人生と、邸宅の作りが示している。
メモ
画…
老いと孤独の中で袖に振られてもミカエルに愛情を注ぐゾレ。死をもって永遠の愛を手に入れる。ザミコフ侯爵夫人は経済的事情により、儚い無垢な風貌とは裏腹に確固たる意思をもってゾレに近づきミカエルも魅了して…
>>続きを読む老画家と少年モデルと女性をめぐる世俗劇。『ゲアトルーズ』や『怒りの日』を思うと、目線と立ち位置をドライヤーが大事にしたいたのだと気づく。フローベールを思わせる非情のプロットにおいて、それぞれの目の動…
>>続きを読む侯爵夫人の瞳をミカエルが肖像画に描出するとき、短い間の切り返しに、絵画の一歩先へと、人の視線の表象ににじり寄っていく映画の姿を垣間見た。
やがてミカエルを失ったゾレが遺作の前で佇むショットの最後、深…
画家の死の床で、ミカエル家がインサートされ、ベッドの上のミカエルの傍に座っている伯爵夫人が目を上げると、次のショットで死の床に戻り、画家の顔のアップが映って「偉大な愛を見たから静かに死ねる」
交わる…