母からの電話を受けるペトラ・フォン・カント(マルギット・カルステンセン)が振り向く瞬間にカメラ目線のクローズアップとなり、「起きていたわ、本当よ」などと述べながら悪戯な笑みを浮かべる様を捉えると、…
>>続きを読むスタンダードサイズのスクリーンめいっぱいに収まる人物たち。
舞台の奥行きを感じさせる人物の配置とか、目線を交差させない会話とかは非常に演劇的だったな。
アーティストとモデルという、いわば雇用関係、…
芸術的!
ニコラ・プッサンの「Midas and Bacchusミダスとバッカス」を背景にし、あのマネキン。
哲学的なやりとりもあり、全体的にお芝居っぽいまとまり。素晴らしいラストシーンに釘付けにな…
わーお、これはめっちゃ『TAR』!!
今年2023年を代表する1本であろう『TAR』、その原型と言って良い映画だと思う。
「多分に男社会とされる業界でのし上がり、才能と地位を兼ね備えた王のごとき振…
瑕疵のない完全な映画が存在する。この映画はその代表例だろう。演技、構図、カメラワーク、美術。すべて意図通りに創られ、高い芸術性をもつ。アパルトマンの部屋だけで展開する、恋、嫉妬、仕事、母娘、隷属と反…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
ある女の没落劇。仕事での成功とそれに対する自己認識のズレによるネガティブな感情もあるからなおさら。
愛と言語の不完全性を見事なまでに生々しくありありと映し出す。
前半部分は抑制的で淡々と何ら変化が…
ラストのマレーネのとこめちゃくちゃ良かった。急に舞台っぽくなる照明とか、画角のなか、1人歩き回るマレーネの動きが面白かった。
振り向くときのカメラの動きとか、鏡の使い方が面白くて不思議で、小さな動き…