お艶(若尾文子)の行動は元からの性分が堅気じゃなくなったことにより成長してそうなのか、女郎蜘蛛の刺青のせいでああいう風になったのかどちらかわからないところがよかった。
全編を通して緊張感があった。…
このレビューはネタバレを含みます
2021/1/7
質屋の娘である若尾文子が丁稚奉公の新助との駆け落ちから映画は始まる。逃げ腰の新助に対して若尾が半ば強引に駆け落ちを実行。
二人があるく雪の橋のシーンが美しい。
質屋の客の船宿を訪ね…
背中に張り付く女郎蜘蛛。食らいついて魂を吸う。沈めておしまいな。度胸で図太く。まくし立て揺すり巻き上げる。殺して当然とちからずくで突き刺す。降る雨舞う雪散る花弁。霧がかる橋と日陰の林道。怯える弦楽。…
>>続きを読む『卍』(64)『痴人の愛』(67)の異常さを遥かに超え、『盲獣』(69)の異様さに迫る、鬼気迫る世界。
その中央にいる若尾文子のキレの良さは、男なら一度はハマりたくなる“蜘蛛女”。
ポルノに近いエ…
増村監督らしい演出でエロチシズムとグロテスクな映像が4Kデジタル復元版によって鮮やかに映し出されていました。
男の情念、女の情念がスクリーンいっぱいに描かれて最後まで飽きることなく観ることができて満…
増村×谷崎三部作のうち、最も評価が高い作品。谷崎潤一郎の二つの短編小説を合わせて脚本が書かれているからか、少し辻褄が合わなかったり、強引なところが散見されるが、そこは手練れの新藤兼人、よくまとめてい…
>>続きを読むこれはお艶殺しに刺青が入ってる構成なんだね。女郎蜘蛛ってタイトルでもよかったかも。彫師の清吉(山本学)の出現が幽霊みたい。なぜそこにいる?みたいな。芹沢様(佐藤慶)の豪胆さとの対比だろうけど新助(長…
>>続きを読む若尾文子さん、「艶やか」という言葉が本当にしっくりくる女優さんだなぁと思って役柄というよりその存在に見入ってしまった。背中に刻まれていく蜘蛛の脚が長くて、身体を支配されているような、周りをも絡めとっ…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
若尾文子映画祭にて。この映画をスクリーンで見られて本当に良かった。
原作と違い清吉にはあまりフォーカスが当てられていないが、まったく別の物語としてとても楽しめた。最初は新助が気の毒で仕方なく、お艶の…