暗黒の旅券の作品情報・感想・評価

「暗黒の旅券」に投稿された感想・評価

u

uの感想・評価

3.7
新婚カップルが東京駅を発つ直前に妻が失踪し、捜索していた夫が諦めて泥酔したまま家に帰ると、そこには妻の死体が置かれていた。妻の死に疑問と陰謀を感じた夫は泥酔していた中の微かな記憶を頼りに独自で捜査をする。といった主人公が素人探偵のミステリー映画である。

捜査をしていく中で、見知らぬ人物「K」からの脅迫状やゲイボーイの集まるバー、麻薬など、様々なファクターが出てきて視聴者を物語へと没入させてる良い脚本だった。(突拍子のないシーンもあるがご愛嬌)

捜査が大半を占めているが、終盤の車越しに銃を構えて対峙するシーンがとにかく渋い。背景が穏やかな川辺というミスマッチさも、場面の緊張感を高めてくれる。
buccimane

buccimaneの感想・評価

3.5
あれ?と思ったけど終盤は兄EHエリックさんに入れ替わってたのか。
なんでキョドいマネージャは素直に物を話さないのかとかこれも正直釈然としなさのある脚本だけど序盤とか引き込まれる感じは強いし水商売同士の呼吸みたいなのが良かった。
脅しがあった後の演奏でマンボ隊まで真剣な面持ちだったのウケた。
シネスコで左手前と右奥に人物配置したりとか斜めに奥行きとった画面がカッコよかったからちょっと後ろめの席に座れば良かったかも。
渋谷のゲイバーは南口のほう?ゲイボーイたちはメイクや服装みんな似た風だし没個性じゃないかと思った。
法一

法一の感想・評価

3.8
 オープニングで「○○君結婚おめでとう! 我々から新婚旅行をプレゼントします!」つった直後にドカーンと『暗黒の旅券』というタイトルがでっかく登場するのはさすがに笑った。最高。

 よくわからない人間が次々出てきて、よくわかってると思っていた人間もどんどんよくわからなくなってくる。この視界が歪む感じがまさにノワールで素敵なのだが、鈴木清順らしいというのか、奇異な演出がさらに加わってなんというかカストリ酒でも飲んでるような気持ちになる。あるキャラクターが殺されるシーンで、主人公がほとんど同時刻に現場に到着したらそこから殺し屋が出てくるというくだりにはまことに驚いた(何がおかしいのか文章ではわからないと思うのだが……)。
車の中の揺れる人形が印象的だけど、この3日で観た清順作品に振り子状のアイテムが必ず登場するのが気になる。『俺たちの血が許さない』は冒頭から振り子時計の前で殺人が行われるし。

推理ものとして出色の出来で、妻を殺されたトロンボーン奏者の追跡劇はたしかなサスペンスに満ちていた。周りの人間がクズばっかりと次第にわかってくるのにメゲないメンタルは異常だ。ラテン音楽が50年代後半にどれだけ浸透力があったかを確認できる貴重な資料でもある。
しかし、岡田眞澄はカッコよすぎる。
花嫁の殺人事件を調べているうちにある組織の存在が露わになってくるサスペンス。聞き込み調査の時にバーのネオンを次々と映すのは粋な演出だと思った。それとこの頃の日活映画に出てくるトンデモ外国人超好き。当時では珍しかったであろうオネエも沢山出てくる。
脇役で美女が出てると思ったら東谷瑛子だった。やっぱり超かわいい。最高。