アメリカの兵隊の作品情報・感想・評価

「アメリカの兵隊」に投稿された感想・評価

kkmovoftd

kkmovoftdの感想・評価

3.2
ファスビンダー映画には社会的なものであれ私的なものであれ、人と人の間には力関係がある。本作はファスビンダーがいた劇団アンチテアター名義で制作された、割りと後期の作品。初期のギャングもの「愛は死よりも冷酷」「悪の神々」よりはストーリーの構図がしっかりしているが、その分本作の主人公は社会的な力関係に徹底的に絡み取られていると思う。

ファスビンダー映画の例によって物語は淡々と進むが、随所に挟まれる老婆と外国人労働者の話(後作「不安は魂を喰い尽くす」の元アイデアだろう)や別れの電話を終えて自死する女性などの演出が、平坦に流れる時間の密度を高めている。唯一ラストシーンだけが情感たっぷりのスローモーションだが、これも異常な程長く続けることでドラマチックというよりは不思議な余韻を残す。

ファスビンダーが言うアンチテアター内部での製作からより一般的な方法論での映画製作への変化の、過渡期的な作品だと思う。
dailyfroth

dailyfrothの感想・評価

4.0
革ジャン姿のファスビンダーとかクリシェに満ちたスキット感とか初期長篇らしい魅力に富んでいて3枚目あたりのドアーズっぽい主題歌もよかったけどやはりなんといってもラストシーンの最高さ加減に尽きると思う。
t

tの感想・評価

4.0
物凄くスローなメルヴィルみたいな。ギャング映画のクリシェを重ねて基本ふざけた雰囲気だけど強力なショット多し。実家の照明などドイツ表現主義みたいである(アーケードゲームが平然と室内にある異様さ)。正面から前部座席、両側ロッカー、ベッドインの横で自分語り。
しつこいウェスタン演歌なテーマ曲は大好き。
ゴダール的遊び心の感じられる、というかほとんどそれしか感じられないフィルムノワールのパロディ的作品

色々印象的だったシーンはあったんだけど、あのふざけてるとしか思えないクライマックスのせいで全てどうでもよく思えてしまった
延々と続くかのような車を走らせる男女を真っ正面から撮ったショットからのタイトルバックからの銃撃、カッコよすぎや!!
再見。フィルムノワールなんだけど、観る度に、
とにかく暴かれる家族の歪んだ愛情関係に、くどいくらいのその描写にくらっくらする。
殺し屋の女ぎらいとかはもはやパロディになってる。

ファスビンダーのヤクザ歩きもパロディになってて良い。笑った。

ラストのシンメトリー銃撃戦はかっこよすぎ。
Aki

Akiの感想・評価

4.0
オフの使い方や画面の奥行きの作り方に関してはさすがと思うものの、イマイチ乗れず。ラストショットもやたらと冗長。
spacegomi

spacegomiの感想・評価

3.7
ファスビンダー版『サムライ』とでもいうか、からっからに乾いた無機質なノワール。メロドラマの片鱗はまだあんまりないが、ちょっとヌーヴェルヴァーグを思わせるこの頃の作風も面白い。鏡やフレームの使い方も巧い。「ムルナウ」やら「フラー」やら人物の名で遊んでるが、娼婦の名前が「ローザ・フォン・プラウンハイム」なのは笑った。ファス本人はいつ出てくるのかなと思ってたらおいしいところ全部持っていく。あれはいい舞い。