何故R氏は発作的に人を殺したか?の作品情報・感想・評価

何故R氏は発作的に人を殺したか?1969年製作の映画)

Warum läuft Herr R. Amok?

製作国:

上映時間:88分

4.1

「何故R氏は発作的に人を殺したか?」に投稿された感想・評価

アテフラのファスビンダー特集にて。

これまたコメディ。
こーゆー路線が一番安定してる気がするファスビンダーは。

レコード屋のシーンが印象に残り過ぎ
Hero

Heroの感想・評価

3.7
タイトルにもあるように“R氏が人を殺す”という事象に向かって、彼の孤独や疎外感を(ほぼ)ワンシーンワンカットで羅列していく。やっていることはハネケの『71フラグメンツ』と同じで、観客の知的好奇心を利用し、あるはずのない物語性を生み出すことに成功してはいるわけだが、R氏の主観のみで構成された平面的な構造をとる今作は、様々な視点を織り交ぜることによって可能になる立体感とメディアまでこき下ろす神の視点とでも言う上から目線を併せ持つハネケ作品には到底及ばない。
ただ、R氏が家族を蝋台で殴り殺している最中にテレビから不意に流れてくる「stand by me」の破壊力は凄まじい。

ファスビンダーがテレビをやる前の、観客を無視してぶっ飛ばしていた初期作品の良い例。
“分断された部品の構築物”としての映画。
ブレヒト的。

《ニュー・ジャーマン・シネマ回顧》
素晴らしい。即興演出に気合が入りすぎてグダってる感じがたまらない。例えば終盤の撲殺シーン。主人公が動くたびにカメラがワンテンポ遅れてついていく。それも焦ってる感じで。明らかに主人公がいつ撲殺するか撮影側はわかっていない。主人公も調子に乗ってフェイントかけたりしてて笑いそうになる。あと、主人公がラジオで流れてた曲をレコード屋のお姉ちゃん二人に尋ねるシーンも最高。主人公が曲のイメージを彼の中のボキャブラリーをこれでもかと引っ張り出して長々と語りだすんだが、金髪の姉ちゃんがその必死さに爆笑しちゃう。あれ演出じゃないと思う。ソファーに座りながら4人全員が一斉にタバコを吸い出すシーンも最高です。
なやら

なやらの感想・評価

4.0
面白かった。相変わらずキッツい話だが、ラストの長回しにおける来るぞ来るぞ感は悶えつつ楽しむ。タバコの使い方上手い。
クルトラープはレコード屋のシーンからとても気持ち悪い(良い!)。
いっこも楽しさがないのにこんな楽しいなんて
レコード屋で欲しい曲を店員に説明しながら嘲笑われてるくだりから、延々と主人公の空気読めなさとか、ズレてる感じを疎んじられてく様を映し続けるのが堪えるー。世界に居場所がない。
いろいろ最高なのだが、息子の発音が弱いっていう設定が素晴らしい。
人殺したり自殺したりするときって、きっとこういう感じだよね
最近サイレント映画ばかり見てることもあって、真に良い映画とは字幕や言葉が無くても理解できるものという信条が更に強くなっているため、実験的に字幕を極力見ないでこの映画は見ようと試みたが、会話が意味を成しているか否かがギリギリのラインのこの映画においては良さがわかったようなわからないような微妙な感触

話に参加しないのかできないのか、とにかく仲間の輪に入りきっていない冒頭のR氏の姿から疎外感はなんとなく伝わり、その後もR氏は他の二人が煙草を吸ってるところで吸わなかったと思ったら、今度は家族団欒の場で一人煙草を吸い始めたりと気詰まりしていそうな場面が多く見られ、後半の会食シーンにいたっては自分が話していると他の皆が退屈そうにしていたりして実に居た堪れなく、とにかくそうした居心地の悪さを見ている側すら感じる場面ばかり映るために孤立体質の自分としても共感を覚えるものがあって、自分もふとしたとき発作的に殺人とかしてしまうかもと改めて戦慄

ちなみに自分が一番好きなシーンは大人たちが会話しながら歩いていると子供がこっそり離れていて、少ししてから大人たちが探し回る場面だけど、実はここで画面外から見ていてもいついなくなったのかわからなくて人間の注意力の無さに我ながら溜め息の出る気持ちで、しかしこれが他人に気が回らないで悲劇を齎す後の展開を暗喩していたのかもと思う中々深いシーンだった

ファスビンダー作品ではマルタやシナのルーレットみたいに長回し気味の固定カメラで映した端整な映像のものが好きで、それ故手持ちカメラばかりのこの作品の映像はファスビンダーに求めるそれとは違ったものになったけど、後のクリスティ・プイウ作品みたいなドキュメンタリーじみた21世紀的映像表現を70年代に既に行っていた点は中々先駆的で、革新性というでも白眉な作品だったように思える

しかし途中で字幕チラ見した箇所があったとはいえ、言葉の情報をあまりいれなくてもここまで良いと思えたということは、やはり良い映画って映像の情報だけでも良さがわかるものなのかもしれない
2017(141)
いろいろ本で読んだけどやっぱり観ないとダメね
ニュージャーマンシネマとファスビンダーのやるせなさが素晴らしい
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