キャロルの作品情報・感想・評価 - 641ページ目

キャロル2015年製作の映画)

Carol

上映日:2016年02月11日

製作国:

上映時間:118分

3.8

あらすじ

1952年、ニューヨーク。ジャーナリストになる夢を持ってマンハッタンに出て来たテレーズ(ルーニー・マーラ)は、クリスマスシーズンのデパートの玩具売り場で臨時アルバイトをしている。テレーズにはリチャードという恋人がいるが、なかなか結婚には踏み切れないでいる。そんなテレーズの前にある日、娘へのクリスマスプレゼントに人形を探しているキャロル(ケイト・ブランシェット)が現れる。エレガントで洗練された美し…

1952年、ニューヨーク。ジャーナリストになる夢を持ってマンハッタンに出て来たテレーズ(ルーニー・マーラ)は、クリスマスシーズンのデパートの玩具売り場で臨時アルバイトをしている。テレーズにはリチャードという恋人がいるが、なかなか結婚には踏み切れないでいる。そんなテレーズの前にある日、娘へのクリスマスプレゼントに人形を探しているキャロル(ケイト・ブランシェット)が現れる。エレガントで洗練された美しさを持ち、裕福そうなのにどこかミステリアスな雰囲気を醸すその女性に、たちまち心を奪われるテレーズ。送り先伝票からキャロルの住所を知るテレーズは、ダメ元でクリスマスカードを書く。すると驚いた事に、すぐにキャロルから連絡が届く。そして二人は会うようになり、テレーズは、キャロルが人妻で、現在離婚訴訟の真っ最中で、娘の親権を巡って夫と泥沼の争いをしている事を知る。婚約者からの求婚のプレッシャーや、これからのキャリアに対する不安からストレスを感じているテレーズは、クリスマス休暇に別居中の夫に娘を取られて孤独のキャロルから、車での小旅行に誘われる。生まれて初めて本物の「恋」をしていると実感するテレーズは、キャロルとの愛の逃避行に出発するが、この旅がきっかけで、この先二人の運命が思いがけない方向に向かうとは、まだどちらとも気づいていなかったのである…

「キャロル」に投稿された感想・評価

morita

moritaの感想・評価

4.0
ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラという、世代の離れた、それぞれ今この年齢において最もノリにのっていると言っていい2人の共演、それだけで観る価値ありだと思います。

特にケイト・ブランシェットの演技はすごくて、今この瞬間において世界で一番演技力のある女優なんじゃないかと思わせる、それほどの凄みを感じました(cf.メリル・ストリープはもちろんうまいんだけど、あのビジュアルのインパクトとか存在感とかが大きすぎて、いち女優というより、出演している映画自体がもう“メリル・ストリープ”という一つのジャンルみたいになってしまう気がして、、、)。

ルーニー・マーラも、劇中で「天から降りてきたよう(うろ覚えです。。。)」みたいに言われるけど、ホントにそんな感じ。刹那的な魅力というか、あと数年でこの輝きは消えてしまうんだろうな、という今しかないという魅力があるように思います(そういう魅力を持った人はたまに現れるけど、うまく作品に残されるとは限らないからこそ本作は貴重だなと。特に日本ではそういう瞬間が収められた作品が少なすぎる。アイドル映画として、薄められて作られてしまうので、、、)。

これだけ書いてきたけど、何ヵ月も前から聞いていた評判が高過ぎて、そのハードルを超えるほどではないと思いました。完全に個人的な好みなんですけど、こういうちょっとハイソな感じの世界観よりも、もうちょっと世俗的な感じの方が好きなので(ソフィア・コッポラみたいな)。でも、間違いなくすごい映画です。
553

553の感想・評価

4.1
【惹かれあう二人】
1950年代、大人の女性同士のドキッとするような恋。

じっと見つめる視線、そっと肩に置く手、焦ることなく落ち着いて食事をする姿。
ケイト・ブランシェットのひとつひとつのスローな所作が丁寧で神秘的で美しい。
まなざしや指先から溢れ出る色気に魅了される。

単純に肌を露出するとか言葉巧みに口説くとかそんなことをしなくても、表情や立ち振る舞いで色気って出せるんだなぁと気づかされました。

女優さんの演技が素晴らしく、衣裳デザインも素敵!

二人が人として惹かれあっていることが伝わってきて、官能的な表現も下品さやいやらしさがない。
まるで美術館で芸術作品をみているような不思議な感覚を味わえる映画でした。
米粉

米粉の感想・評価

-
とにかく画が美しく素敵な映画であることは間違いない。
だが正直本当にノれなかった。
恋をする美しさがどうとか綺麗事すぎる声が多く、気が滅入りそう。
理性がきかない恋については「友だちのパパが好き」でも描かれていたことだが、そういう恋って得てしてあの映画のように醜いものだと思う。
そういう汚い面を誠実に描いているからこそ私はあの映画が好きなのだけれど、本作は美しい面しか描いていないために、何だかフェイクにしか見えず最後まで映画に没入することができなかった。
巷で話題の他人の不倫に対しては厳しい目を向ける奥様方も、美しい女性2人の不倫であれば「恋って美しいものね…」と思えるものなんですかね。
矛盾してますよね、ホント。
あとは美しい美しいと絶賛されているケイト・ブランシェットも綺麗なニューハーフにしか見えなかったので、私には口からセメント流し込むようなギトギトした韓国映画の方が合ってるなと再認識しました。
okegirl2

okegirl2の感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

時間ができたのでキャロルを見てきた。
映像と音楽が1950年代の時代感と情緒的でよかった。
夜ビリーホリディ聞いちゃった。
あの比較的明るいとこがまたいい。暗い曲じゃないとこが。

話としてはどうなんだろう。
恋の裏の現実の重さ。孤独。若さと年を重ねたものの現実と恋のシフトの仕方。セルフコントロール。
突然の別れ後のテレーズの苦しみと強さを得ていく姿が印象的だった(ルーニーマーラがとてもよかった)。
てかテレーズは決められないと自分で言っていたけど、とても強く感じた。それがキャロルと出会って変わったところなのか。。もともと持っていたような気もするな。
キャロルについては、計り知れない知り得ない苦しみがたくさんある。生きていかなくちゃいけない。娘に会うことも制限される絶望感。これからも生活をしていくたびにいろんな場面で映し出されてしまうのだろうし。。
このあとどうなるんだろう。。
キャロルはテレーズと暮らすんだろうか。。
暮らすなら楽しく暮らして欲しい。

兎にも角にも、ケイトブランシェットとルーニーマーラ素晴らしかった。
映像と音楽の効果も素晴らしかった。すべてが美しかった。
開始直後から特別な一本の予感。

目から耳から、圧倒的な美しさ。
抗いがたい吸引力をもった出会い。
出会ってしまった人たちの悦びと苦しみ。
多くの人が身に覚えのあるだろう感情の揺らぎ。
取り返しがつかないことはある。

これからふとした時に思い出すであろうシーンが多く。
退屈??とんでもない!終始ドキドキしていた。酔いがまわっているかのようだった。
やはり特別な一本。主演ふたりの凄みといったら。傑作。すごかった!
たまこ

たまこの感想・評価

3.2

このレビューはネタバレを含みます

期待していた割には…イマイチな印象。そもそも主役2人のケミストリーみたいなものがあまり伝わらなかった。

恋愛映画は悲恋の方が胸に残るのになぁ。
うーん。何か結局のところそこそこ上手くいきすぎなんじゃないか?
くっつきましょ旅しましょバレちゃったから別れましょやっぱ会いたいでしょレストラン行っちゃうでしょ???

いやまぁ熟女二人綺麗ですけど、全然障害っちゅう障害もないしなんだかなぁ。
モーテル紹介映画じゃん。
mOjako

mOjakoの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

陳腐な言い回しなのであんまり使いたくないですが、紛れもなく普遍的な"愛"を描いた傑作といって良いんじゃないでしょうか。

観る前のイメージでは全体としてやっぱり「ブロークバックマウンテン」に近いのかなぁとか赤裸々な女性同士の恋といえばこないだの「アデル ブルーは熱い色」だなぁとか色々と思ったんですが、観終わってみて個人的に1番連想したのはメロドラマの古典中の古典であり個人的にも生涯ベスト作品の1つ、デヴィット・リーンの「逢びき」ですね。途轍もなく出来の良いパンフなどでも監督のトッド・ヘインズが影響を公言してますし構造としてはほとんど同じ事をしてるので、個人的には冒頭レストランでの大事な会話に邪魔が入るシーンから現代の「逢びき」だ、とその時点で好きな映画確定しておりました。

前半は「逢びき」的に2人が否応なく惹かれあっていくメロドラマの過程を丁寧に描き、中盤からは現実に追い詰められた2人の逃避行へと続いていきます。後半のこの辺りは一連のヌーヴェルバーグ作品とかニューシネマっぽい展開で、どちらにせよ全体に漂うクラシカルな雰囲気が今時ちょっと見れないタイプの映画だなと。ただ同性同士の恋愛にしろニューシネマとかにしろ一般的に結末はハッピーエンドたり得ない訳ですが、今作はそこが先行作品との決定的に異なるところであり同時に強く今の映画だなぁと感じた部分でした。まぁ個人的には単なるハッピーエンドというより敢えて結論めいたものははっきり明示していないようにも感じました。確かにテレーズもキャロルも成長して自分らしく生きる道を選びますが2人の関係がこのまま上手くいく保証はどこにもないし、それこそそれは男女の関係と何も変わらない。特にテレーズにとっては内面的にも時代的にもいばらの道で、監督が「卒業」のラストを引き合いに出していたのも非常に納得しました。「さぁここからどうしよう…」と。

監督以外にも各セクション全員が一流スタッフで、脚本はパトリシア・ハイスミスの本当に描きたかったであろうテーマを今きちんと描き切ったという時点で感動的。また50年代当時の空気感の再現度の高さ、特にサンディ・パウエルの衣装には惚れ惚れします。ただオシャレなだけじゃなくルーニー・マーラ演じるテレーズがキャロルに憧れる純真な少女から大人の女性へと変化していくのを衣装やメイクでも表現してるところもいちいち無駄がない。全体に演出は抑制が効いていて最も素晴らしいなぁと思ったのは、トッド・ヘインズ及び撮影監督エド・ラックマンさんが相当詰めたであろう画作りの部分。表面的なフィルム調の荒い手触りや色みはもちろんですが、例えば前述の素晴らしいラストシーン。まず男性に取り囲まれ奥の席に押し込められたように座るキャロルが50年代に生きた彼女の状況をよく表してるし、その後の劇中何度も出てくる2人の視線が交わされる瞬間を捉えたカメラワークでふとキャロルの窮屈そうな表情が和らぐ一方でテレーズの戸惑いなんかも読み取れて本当に見事の一言。その他にもキャロルやテレーズの孤立を表現する窓枠越しのショット然りテレーズが撮るキャロルの写真然り。1つ1つのショットに幾つもの意味が重なり言葉ではなくそれが伝わってくるので退屈する暇はないし、非常に映画的で豊かな2時間だったと思います。

主演2人にとっても間違いなく最も美しくスクリーンに映った作品ではないでしょうか。ケイト・ブランシェットの満ち足りてるけど幸福ではない感じは相変わらず素晴らしいんですが、個人的にはやはりルーニー・マーラにとっての完璧な代表作になったことが嬉しかったですね。リスベットの時と同じく今回も憧れの人への思いを抱える純真な女の子というキャラクターで、クールでありながらいじらしい一面も見せるような幅のある素晴らしい女優さんだなと改めて思いました。とりあえず史上最も美しい2人を見れるだけで観に行く価値はあるんじゃないでしょうか。

ちなみに「オデッセイ」や「ブリッジ・オブ・スパイ」など人種的な多様性の尊重というテーマの作品は入ってるけど「キャロル」や「リリーのすべて」のような性的マイノリティだった人達を描いた作品が作品賞にノミネートすらされないことから考えて、ハリウッドのお偉いさん方が持ってる男女観の保守的で旧態依然とした感じは白人だらけのアカデミー賞よりよっぽど根深い問題なんじゃないか、なんてことも思ったりしました。
pero

peroの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

あなたは天から落ちたよう。

こういう題材では、
取りつく島のないバッドエンドが多い中
氷が解けるように静かで
言葉にならない、
素晴らしい終幕でした。

2人の彼女や
衣装と背景の美しさ、、、
どれを取っても素晴らしい。

特にキャロルの美しさは男でも女でもなく
美しい人間 というのが1番近いかなと思う美しさで、私も夢中になりました。

レズビアンでもストレートでもなく
どのレッテルを自分に貼ることもなく
情熱的でリリカルで、だけど大人で。

この映画で一番印象に残ったのは
キャロルの様な社会的地位のある、
美しく年を重ねた女性が、
かっこつけず
あなたを愛している、
一緒に暮らしたいと
気持ちをぶつけるところ。

そういう言葉を相手に打算なく
ぶつけられるひとはあまりいないと思う。

キャロルの微笑みが
どこまでも美しいです。

自分を偽っても虚しく、
存在意義がない。
私達は醜くないはず。
Hiro

Hiroの感想・評価

4.6
1950年代初期のニューヨーク
騒がしい人混みのなか目線が絡み合い
心を奪われ一瞬で恋に落ちていく二人

あなたは天から落ちてきたようね。

その美しく特徴的な時代に真実の自分として生きることは難しい。激しく惹かれ合う2人の揺れる気持ち弱さや成長をロマンチックな音楽と衣装はオブラートに包み艶やかに写す。

あたりまえ過ぎるこの恋を
この美しい時代は許さない。