国境の夜想曲の作品情報・感想・評価

国境の夜想曲2020年製作の映画)

Notturno

上映日:2022年02月11日

製作国:

上映時間:104分

「国境の夜想曲」に投稿された感想・評価

pherim

pherimの感想・評価

3.0
ジャンフランコ・ロージ監督新作。

同監督名作『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』から『海は燃えている』の地中海経て混迷のシリアへ上陸した質感。死や暴力の気配漂う場所ではしかし、例えばパトリシオ・グスマンの静止に比べロージのねっとり仕草は明らかに軋みをあげ興味深い。


※TIFF2020時の邦題は『ノットゥルノ/夜』
haruka

harukaの感想・評価

3.5
静謐なドキュメンタリーだけど、日常の風景とそのすぐ背景ににじむ戦禍が織りなすコントラストがとても普通ではないのにそれが彼らの「日常」ということが誇張されるでもなく自然に流れていて、救いもカタルシスもわたしにできることも何もないけれど、観てよかったなと思った。 TIFF2020
思ってたのと違った。
景色がとにかく綺麗、でも常に緊張感Max
子どもが描いたISの絵が汚いから直接的にはグロくないんだけど、そっから情景を想像出来ちゃうからゾッとする。
[あまりにも綺麗な"夜"] 40点

イラク、シリア、クルディスタン、レバノンなどの国境で暮らす人々を3年間撮影を続けた末に生まれた作品。兵士たちが暗闇の中で家宅捜索する風景など、生の現実では撮れないようなキマりすぎたショットが数多く含まれているので、ドキュメンタリーというよりドキュドラマと呼ぶほうが良いかもしれない。刑務所跡地で息子の死を嘆く母親、ISISの忌まわしい記憶を吐き出す子供たち、劇中劇として欧米に蹂躙された歴史を憎々しげに語る老人たち、真夜中の川に漁に出て赤く燃える地平線を背に黙々と狩りを続ける男など、一般人の記憶に寄り添う合間に、言葉少なに立ち続ける兵士たちの背中も挿入される。こういう映画に対して素直に"美しい…綺麗だ…"と思えるほど清い心の持ち主ではないので、本作品の映画祭に向けて媚びてる感じはあまり好きになれなかった。取り敢えず一枚の画に命賭けてる感じ、とてもヴェネツィアっぽいっすね!良いと思います!(投げやり)

それにしても今年のTIFFメックスは社会問題を食い物にした映画祭対策映画が多すぎるな。次の一週間ハンガリー映画見続けるくらいに精神がすり減った。
東京国際映画祭 7日目鑑賞

先日鑑賞した“二月”のような詞的な要素の強い作品。ただし背景は全く違い、中東の紛争地帯を映してゆくドキュメンタリー。
こういった作品は公開される可能性はあまり高くなさそうだし、公開されても選ばない可能性もありそうで、そこは映画祭ならではなんだろうと思う。
長回しのカメラワークと、なりやまない銃声をバックに映し出される映像は美しいのだけれど、これまた、現実世界に留まっているのが厳しい作品でした💤
あさの

あさのの感想・評価

3.8
固定カメラが作り出すその場にいる感。水タバコと銃弾の音が交互する夜、どこかの戦場も遠くから見たら鮮やかなオレンジ色の夜…静かに進む物語に時折息を呑んでしまう子供の証言や音声メッセージが鋭く刺さる。
171 2020/11/4 東京国際映画祭15本目

紛争地帯で壮絶な経験を経た人たちを淡々と見つめる。
子どもたちが描く絵、凄惨な記憶、胸が痛む。
Haru

Haruの感想・評価

3.5
東京国際映画祭で観ました。
イラクやシリアに住む人々のドキュメンタリー。淡々と日々を送る中に、戦争が消えない日常が描かれていて、
何とも言えない気持ちになりました。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

1.1
【美は社会問題を消費させる】
『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』で第70回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』で第66回ベルリン国際映画祭では金熊賞を受賞し、ドキュメンタリー監督初の三大映画祭金賞コンプリートに王手がかかっているジャンフランコ・ロージ監督が数年の歳月をかけて、シリア、イラク、クルディスタン、そしてレバノンの国境を訪問した作品『ノットゥルノ/夜』が第33回東京国際映画祭でお披露目となったので観てきた。先日行われたヴェネツィア国際映画祭での評判もかなり高いらしく期待していたのだが、これが今年ワーストクラスの代物であった。

本作も例のごとく複数の被写体をモザイクのように散りばめていく作品だ。そこには説明がなく、『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』の時みたいに相当事情通でなければ何を言わんとしているのかわからない箇所が多い。

軍隊の行進に始まり、銃声が聞こえる中、ボートで一人行動する男。地面が破壊され舗装が追いつかず道なき道となった場所を何食わぬ顔で横断する車たちに、子供たちのイスラム国イラスト、そして中東情勢への怒りを演劇にするパートエトセトラエトセトラ。監督が数年間で見つけた映えるショットと面白いエピソードを並べて、我々が中々知ることのできない中東問題の深部を提示しようとしている。

だが、「破壊の中の美しさ」で批評家の同情と好感を得ようとするあざとさが全開で非常によくない作品となっている。よくカンヌ国際映画祭がフランスでもっとも富める場所から、社会の底辺を描いた作品を賞賛する構図が下品だと批判の対象にされるが、本作はまさしく傾向と対策で、凄惨な社会の中にある美しさを提示しておけば勝手に観客は脳内補完し高評価を与えるだろうと傲慢になっている印象があります。

特に、子どもたちにイスラム国へのトラウマを描かせ、その一人に吃り吃り辛い状況を語らせるという演出が下品過ぎてドン引きした。見ようによってはカンペを読ませているようにも見え、日本の24時間ナンタラテレビのような、いやそれ以下の偽善に満ち溢れていた。

正直、あまり好きではないが『ノマドランド』が金獅子賞を獲って良かったと思う。『ノットゥルノ/夜』なんかが獲った日には、なんて社会問題に土足でズカズカ踏み入れる映画祭なんだろうと失望していたところだ。

美で釣っている問題提起映画に気をつけろってところですかね。
たむ

たむの感想・評価

3.2
映画は破壊を描くことは多いですが、その後を描くことが少ないので、そこに目を向けたドキュメンタリーです。

中東の国境付近を三年かけて撮影した、という映像美は圧巻。
一方で、作品は長回しが多く、ナレーションや字幕による説明はほぼありません。
数ヵ国、三年という広く長い撮影は素晴らしい一方で、何かランドマークがあるわけではないので、ここの話はいつ、どこなんだろう、と思ってしまうとその回答はありません。

徹底的な破壊のあとを区別しない、というのは手法としてはアリですが、観客への不親切感もなくもないドキュメンタリーですね。
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