緑はよみがえるの作品情報・感想・評価・動画配信

「緑はよみがえる」に投稿された感想・評価

毬藻

毬藻の感想・評価

3.5

学生の4年間、教授に「観なさい」と言われ続けた。卒業して3年が経った今、やっと観賞。


「戦争とは休むことなく世界を歩き回る獣である」
人が始めたはずの戦争は、やがて人の手には負えなくなってくる。残酷で救いの無い戦争というものをとても印象的に語っていた。


人が人として死ぬことも叶わない戦場、終わりの見えない兵士たちの日常は暗く冷たい。
それでも兵士たちは、戦いのなかで互いを思い、遠くで自分を待つ誰かを想う。そして、銃を向けてくる敵を許せるかと自らに問い願う。


激化する戦場の最前線での一時の時間軸の中で、人間をとても尊く感じた。

『緑はよみがえる』
観終わって改めてタイトルをみると、言葉では表せないが、とてつもなく豊かな"生"を祈りたくなる。
birichina

birichinaの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まじめな作品、楽しいとは言えないが見る意義がある。

舞台:第一次大戦、イタリア北西部のアルプスにある高原(アジア―ゴ高原とのこと)。国境を境にオーストリア軍と対峙していたイタリア軍小隊を描いた、まじめで静かな反戦映画。季節は冬、深い雪に埋もれかかった塹壕と掘っ建て小屋が小隊の基地。

色:彩度を極端に落とした、モノクロと見間違えるような色調の映像が印象的。雪、兵士の歯、傷の手当て用のガーゼなど白色がくっきりと浮かび上がる。

音:国境に張り巡らされた鉄条網には牛の首用らしき鈴がたくさん付けられている。この地方は平時は牧草地なのだろう。静けさの中で鈴の音がチリンと鳴っている。そんな中、オーストリア軍の大砲の爆音が響く。

自然:モミの木の森林の中で落葉したカラマツの木が凛と佇む。ウサギ、キツネ、ネズミなどが淡々と生きている。戦に四苦八苦している人間との対比で、人間のしていることの虚しさが伝わる。

虚しい任務:戦だけでなく、食糧調達の者が通れるよう雪かきをして道を作るのも兵士の任務。インフルエンザにかかり高熱で起き上がれずにいた大尉(隊長)の所へ師団司令部の命令を伝えに大佐(C・サンタマリア)一行がやって来る。塹壕からほど近い廃墟に無線(?)を取り付けるようにという命令だが、廃墟が距離は近いが高所にあるのを司令部は見落としている。上層部はマヌケが多いのはいつの時代も同じ。

兵士たちの楽しみ:家族から届く手紙。物語の前半、郵便が届いた19人の兵士の名前が呼ばれる。後半、オーストリア軍の攻撃があり、その直後の郵便が届くシーンでは17人の名前が呼ばれるが誰も返事をせず。一人の兵士の頬を流れる涙がクローズアップ。17人の名前が呼ばれるだけで何のセリフもないが、17人が無駄に戦死したんだと気付かされる。

疑問:死ぬ前の告白を聞いてあげている人がいるのだが、最期の告白を聞くために神父が従軍しているのだろうか?

タイトル:セリフでも言っているが、戦争が終わって故郷へ戻っても、死と隣り合わせだった恐怖は兵士の心に残る。一方、緑はよみがえるだろう。つまり、ここで兵士が命を落としたことなど忘れ去られるだろう。タイトルを見たとき「緑はよみがえる」とは、“平和が戻るだろう”という意味かと思ったが、間違いだった。

(覚え書き)
献辞:al mio papà che quando ero bambino, mi raccontava della guerra dove’era stato soldato (私が幼い頃、従軍した戦争の話を何度もしてくれたパパへ捧げる)

最後のテロップ:La guerra è una brutta bestia che gira il mondo e non si ferma mai
Toni Lunardi, pastore(戦争とは、世界中を駆け巡り、絶対に足を止めることのないけだものだ 羊飼いトニ・ルナルディ)

エンドロールの頭の文:Qussto film ha preso ispirazione dal racconto La paura di Federico De Roberto -1921(この映画はフェデリコ・デ・ロベルトの短編「恐怖」(1921年)から着想を得た)
ぐ

ぐの感想・評価

3.1
巨匠エルマンノ•オルミ監督作。浅学の為、初見だがアンゲロプロスのように徹底した描き方を感じた。静寂と雪の世界は、暗闇と土で陰惨ながら月の光が所々に見え、性質として無味に思えた。後半役者がカメラ=観客に向かって喋る真意も印象に残り80分とは思えない疲労度。
ラストのセリフ一つ一つがとてもいい。目を見て、セリフが腹の底に響く演出。
この映画では、戦争非経験者が題名から連想する「緑はよみがえる」は全く違う意味合いを持っていて、人によって連想するものが違うことという当たり前の事を思いしらせてくれた。
rico

ricoの感想・評価

4.0
父の第一次世界大戦の話を映画化したもの。撮影監督は息子。遺作と思ってたらまだこの後もドキュメンタリー撮ってた。
素晴らしい反戦映画。雪の景色の美しさと、砲弾が撃ち込まれるときの臨場感がすごい。音もいい。
McQ

McQの感想・評価

3.8
〝人が人を赦さなければ人間とは何なのか、、〟

「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ監督作品。映像美に関しては言わずもがなかも知れない。第一次世界大戦中のとある雪山(アジア-ゴ高原?)の〝静寂〟と、それをぶち破る〝爆音〟に打ちのめされる!

その山中の塹壕で彼等は疲弊しきっていた。唯一の安らぎは家族から送られてくる〝手紙〟を読む事だけだった。

本作は実際にやり取りされたというこの〝手紙〟をもとにオルミ監督が映像化したものである。そしてそれはオルミ監督の父から受け継がれた〝教え〟であり、その教えは父から子、そしてまたその子(息子であり撮影監督のファビオ・オルミ氏)へと伝えられていくのである!

これらの背景を知る事で〝肉付け〟されていく深み、、ぼんやり眺めるだけでは勿体ない!
戦争って、本当にあったんだな。と思った。自分となにも変わらない人たちが、自分と変わらない人達を殺す。そして憎しみが生まれてく。
だけど、どこまでも私たちは、やっぱり心温かい人間で。。
それが、痛いほど伝わってきた。
戦争映画って普通はどれほど人間は残虐で愚かなんだって胸が苦しくなるものが多いけど、この映画は逆で、どれほど人間は優しくて暖かいんだって胸が苦しくなった。心暖まるというわけではなくて、残虐なのとおなじように、暖かさに、胸が苦しくなった。
この映画、すごいな。じわじわじわじわくる。
Haruka

Harukaの感想・評価

3.8
自然保護ドキュメンタリーだと思っていたけど、見てみたら戦争映画だった。
始まり方が薄暗くていい雰囲気だなーと思っていたらずっと薄暗かった。
銃撃戦とか、無理くりな戦争ヒーローを描いた内容ではない、静かな映画だった。それが良かった。
戦地で寒さと恐怖を耐え忍ぶ兵士たち。命について考える彼らは儚くも生々しい。キツネやネズミや木などに心が動かされている様子にも胸が痛む。
そんな辛い環境にありながら「赦し」についての言及がある。そして最後のセリフからの引用によるメッセージと静かに畳み込む。
短いけれど、十分に伝わる映画だった。見てよかった。
Tyga

Tygaの感想・評価

3.5
「戦争とは絶えず世界を動きまわる醜い獣である。」
「ここで起きたことは忘れ去られ、誰にも信じてもらえなくなる。」

『緑はよみがえる』なのに、ひとつも緑は出てこない。
それでも最後、このタイトルで締めくくるのだ。これは祈りの映画だ。

誰が誰だかよくわからなかったので、もう一回観たけどやっぱりよくわからなかったので、それはもうわからなくてよいということか。
りす

りすの感想・評価

1.7
2019年36本目、3月5本目の鑑賞

戦争映画


タイトルからして環境問題を扱ってる作品かと勝手に思ってましたが、そういうわけではない
撃ちあったりする戦争映画ではなく、塹壕での様子などを描いている

上映時間が短いのは見やすくて良いのだが、内容はなんかありきたりな感もある

戦争映画で反戦を訴えることはとても素晴らしいこと
ただ、そこに強烈なインパクトがないと、ありふれた作品になってしまうのだろう

今作はありふれた作品の1つにすぎなかった
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