映画の冒頭、それからエンディングの直前、薄暗いけど光のある空を背景に、強めの照明が当たった人物を正面から捉えたショットが印象的。似たような映り方で花を撮っている日本の写真家が確かいたなと思い出される…
>>続きを読む『骨』が悲しいくらい自分には刺さらなかったのでリベンジのつもりでもあったが、なんて美しい作品なんだろう。
全編モノクロの映像は、光と影の対比が見事で、艶ややかさを感じる。
特に死体が引き上げられる場…
数々の映画史的引用から、まさにペドロコスタの体内を流れる"血"を観ているような感覚になりました。
車や自分の足では地続きの場所にしか行けないけれど、
僕たちは海を越える術を持っていると言われている…
はじめて睡魔に襲われなかったペドロ・コスタ作。溝口やらブレッソンやらフィルム・ノワールやらを想起させてはそこから逃げていく捉えどころのなさと、全てを塗り込める黒。森を歩くイネス・デ・メディロスを包む…
>>続きを読む決まりに決まったモノクロの映像がスタイリッシュで素晴らしく、惚れ惚れする。
「狩人の夜」のような美しい映像で、それはストーリーにも似たものを感じる。ただ、映像の静謐さには溝口のDNAを感じ、長編一本…
ペドロ・コスタはヴァンダの部屋だけ見たことがあった。凄い映画だけど内容がしんど過ぎた記憶だけはあって、覚悟してシネマリンへ。
いや、ペドロ・コスタも初めからあの様なストロングスタイルではなく映画史…
後の2本を先に見たので、クラシカルな展開、の中でずっと継続しているモチーフが1本目で既に見出し始めていたことに驚く、
もっと近づいてと言った後に、真っ黒な画面にふわっと現れるイネスが二人で坂を走って…
フィルム・ノワールの作法を極端に誇張したようなバキバキのキアロスクーロが目に突き刺さる。玄関の外の階段に腰掛ける父親と室内の主人公が同じ方向を向いて話すショット。奇妙な幾何学模様の濃い影が画面を覆…
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