レディ・バードの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

レディ・バード2017年製作の映画)

Lady Bird

上映日:2018年06月01日

製作国:

上映時間:93分

あらすじ

2002 年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称“レディ・バード”)。高校生最後の 1 年、友達や彼氏や家族について、そして自分の将来について、悩める17 歳の少女の揺れ動く心情を瑞々しくユーモアたっぷりに描いた超話題作!

「レディ・バード」に投稿された感想・評価

kyon

kyonの感想・評価

4.0
”レディ・バード”が羽ばたくために。

ベッドで寝ている母親と娘の姿。
学校の礼拝越しにばんっと前面に現れる”Lady Bird”のタイトル。

そこから車のショット。
2人とも「怒りの葡萄」の朗読を聴きながら涙を滲ませる。

ここのシークエンスで、ふと親娘としての小さな絆を共有して束の間、喧嘩し始める親娘。

喧嘩するシーンのリアルさは、どこかドラン作品の喧嘩シーンも思い出す。車の運転中に喧嘩しがち笑

ピンクのギプス、ピンクに近いオレンジのヘアカラーがトレードマークのシアーシャ・ローナン演じるクリスティン。『グランド・ブタペスト・ホテル』からまた大人になって、美しくなってる。

そしてずるいイケてる男子カイルを演じたティモシー・シャラメ。何度でも言う、ティモシー・シャラメがずるい。『君の名前で僕を呼んで』のエリオとはまた違い、どこか退屈そうな、男の子。だめだ…これはやられるね。笑


あと印象的だったのは、クリスティンがプロムに着たドレスに対して、カイルたちが車の中でダサいとか悪口言うシーン。つまり、このシーンでのおめかししたクリスティンは、何か彼らのコードからズレていて、そこからはもうあちら側とこちら側になってしまう。ファッションが示す境界線の有無はやっぱり物語ありきだから、映画衣装を語れるきっかけになる。

で作品全体を見ると、

自分のことを”レディ・バード”と呼ぶクリスティンは地元のサクラメントから脱したいと思っていて、そこに呼応するように彼女は自分のそれまでの世界から抜け出そうとする。

NYの大学にこっそり志願してみたり、演劇をやってみたり、好きな男子をゲットしてみたり…。なりたい「わたし」を探しながら仮名のレディ・バードを貫く。やがて、好きな男子は実はゲイだったり、イケてるグループに入ってみたものの中々馴染めなかったり、お互い初体験かと思っていたカイルからはそうじゃないことを告げられ、世界から抜け出そうとしても上手く飛べないような状態に。

母親にも上手く頼れず、しかもお互いがお互いの地雷を踏みまくる。

でもこの状態って、すごく共感するし、わ…わかる…って琴線に触れまくりだった。

クリスティンが羽ばたくのは、やっぱり自分の意志を形にしたときで、それまでの過程は彼女がレディ・バードからクリスティンになるイニシエーションに近い。

ティーンエイジャーを題材にする作品にはやっぱり”イニシエーション”の繋がりがある気がする。

何をもって”大人”と呼ぶのか、なるのかわからない揺らぎの中で経験したことでしかわからない少年少女たちがいて、その過程を青春と捉えることが出来るのかな。


監督のガーヴィングも、
「ティーンエイジャーの作品は理想の男子に救われて、その内実やリアルな女子の事情が描かれることが少ない」みたいなことを言っていて、やっぱり例えばこの作品でもはじめにクリスティンがいいなと思ってた男子を難なくゲットしていて、ある種のハッピーエンドの形はここで獲得している。

でもその男子が実はゲイで、っていうのはわざとらしい感じじゃなくて、この男子は男子で自分のイニシエーションの時間の中で”気付いてしまった”1人でもある。

クリスティンの親友も多分教師にちょっとした恋心を持っていたけど、教師の妻とお腹の膨らみを見てこの気持ちは叶ってはいけないことだと気付く。

そういった揺らぎを持ち合う同じ世代同士にしか保てない世界があって、だからこそ2人を抱きしめるのは同じ揺らぎを持つクリスティンになる。

この世界には母親やまして家族が入り込めない境界線があって、その境界線を消したとき少年少女は1つ階段を上がるのかもしれない。

クリスティンが自分をクリスティンと名乗る行為はそんなイニシエーションの時間が彼女の中で一旦終わったことを意味してるのかなとも考えさせられる。

そんな彼女の青春を通して過ごすことは胸をぎゅっとさせながら、自分の中の青春と重ねる時間なのかもしれない。
minako

minakoの感想・評価

-
主演の女の子のハスキーな声が好きだった、
一番荒れていた頃のわたしと母の関係に似ている
Hidezou

Hidezouの感想・評価

3.5
『レディ・バード』

誰もが共感できる青春時代の苦くて恥ずかしい想い出。

反抗しながらも仲の良い母親との不思議な関係や、スクールカーストがリアル。
ジュリーと行くプロムが心に残る。

出ていきたかったが、離れて初めて分かるサクラメントと家族への愛。
注意を払うのは愛する事と同じだった。

https://t.co/dXDbo4iIAn
星人

星人の感想・評価

4.1
めちゃんこ泣けたぜ
キャラ的に思ったほど自分とは重ならなかったけども、こういう感じで上京してくるんです
サクラメントのように地元を愛おしく思う日が来るのはまだ先かなぁ
主人公のレディ・バードと同じく、自分も2002年から2003年を高校三年生として田舎で過ごしてきまして。高校三年の時に自分はどう過ごしてたかとか、ここではないどこかや都会に行けば自分の感性を活かせたり刺激的な毎日なんじゃないかなとか親との関係に悩んでたとか、そんなこと考えてた自分の高校三年の時の思い出と重ね合わせてすっかり感情移入して観てしまいました。そういう個人的な思いもあって高評価。尺も程よい長さでテンポも良かったです。
アメリカ同時多発テロ発生から間もない2002年、サクラメントのはずれに暮らすクリスティン。都会に憧れる彼女が家族や友達と時に笑い、時にぶつかりながらも懸命に羽ばたく―

禁欲的なカトリック学校を舞台にしながら全然それを感じさせないだらけた格好やあけすけな猥談。ウザい(ように見える)母親の庇護を離れ新天地へと巣立つ彼女の成長を描くけど、クリスティン自身の努力は目に見える形では取り上げてないんですよね。その代わり周囲があれこれ世話を焼いているという。なんだかその姿が自分と親にも当てはまってむず痒い。

しかし一番刺さったのは兄ちゃん!すげえダメっぽいのにあんなイイヤツだなんてうっそだろお前!?自分も誰かのために優しくなりたい、いやならねばならないなあ
アタフ

アタフの感想・評価

4.2
「私のことはレディバードって呼んでっ!!」

イタい女の子である。ちなみにレディバードとはテントウムシの意味らしい。だが周りはそんなに気にすることもなく流しているあたり優しいね。
もしもであるが私が高校生の時同級生に「俺のことはビートルって呼んでくれよな!!」って言ったらどうなるだろうか!?
陰で馬鹿にされて最終的にはイジメられるのが関の山だろう。何が言いたいかというと彼女の環境は恵まれているということだ。

そんな恵まれた環境でも様々な不満やエゴが出てくるのが思春期というもの。イケてる親友が欲しい、田舎はダサい都会に行きたい、両親がうるさい、教師が何だかムカつく、そんな思春期特有のモヤモヤをとても優しい目線で描いていると感じた。最近は『スウィート17モンスター』や『勝手に震えてろ』などの"イタい女の子"の映画が評価されている気がするが、その中でも一番"優しい"目線を持った映画だと感じた。

シアーシャ・ローナンの存在感は抜群で彼女なしにこの映画はあり得ないですね。ちょっと女子高生には見えなかったですが、まあ映画にはよくあることです。一番目の彼氏のルーカス・ヘッジズといい二番目のティモシー・シャラメといい旬なイケメン俳優が2人も登場ということで、女性ファンにはたまらないのでは??というかティモシー・シャラメはイケメンすぎだ!!『君の名前で僕を呼んで』でもそのイケメンっぷりをいかんなく発揮していましたが、今作もホンマかっこいいですわ。髪形とか。
だが「君が初めてじゃないよ」のセリフには「テメェこの野郎!!(# ゚Д゚)」となりましたけどね(笑)

お互い我が強いがゆえに喧嘩になってしまうレディバードと母。ラストのレディバードの留守番電話と母の手紙という伝達方法が、面と向かっては言えないがどうにかして愛を伝えたいという気持ちが伝わってきて素晴らしかった。本当にいい映画だったと思う。劇場で多くの人居たにも関らずエンドロール中には誰も席を立たなかったのもいい映画の証拠!!
Da

Daの感想・評価

3.8
Given name
まさに「(親に)与えられた名前」というが、その名前が嫌で主人公の女の子はレディ・バードと名乗っている。

高校生という多感な時期、周囲の環境に必要以上の不満と憎悪を抱き、その環境の外にあるまだ見ぬ世界を羨望する。そしてその環境下にいる人間を蔑み「私はこうはならない」と強がってみせる。
レディ・バードは強烈な自我を発芽させ、周囲へ噛み付いていく。その強烈な自我に真っ向からぶつかるのが誰でもなく母親であった。

若いとは愚かだ
と誰かが言っていたが、その愚かさを経て、大切なことに気づき成長していくのかもしれない。
おおた

おおたの感想・評価

4.0
適度に痛々しく、反抗期の女子高生”Lady Bird”の生活を描いた作品。大人ぶってるけど、中身はまだまだ子供な主人公の描写が絶妙だった。誰しもある程度こういう経験をして育つよね、と思いながら観てて、最後の方でお母さんが空港に戻るシーンで泣いてしまった。

見終えて、明日からまたがんばろうと思えた
M川A氏

M川A氏の感想・評価

3.6
親子間の愛情の機微の表現力が凄い。主人公にもスッと感情移入できた。
画的には退屈だったけれど。