瀕死の白鳥の作品情報・感想・評価

瀕死の白鳥1917年製作の映画)

Umirayushchii lebed

製作国:

上映時間:49分

4.4

「瀕死の白鳥」に投稿された感想・評価

生を得て死に向かう非情。
悪夢のシーンの迫ってくる無数の手のイメージが素晴らしい。
名前はあまり知られていないけど、サイレント期の監督で自分がもっと評価されるべきと考える映画監督の代表作。

というのも、いちいち奥行きの感じられる映像を多用していて、人間が全身映っているカットも多いから、自分の琴線に触れて堪らないのだ。

この作品に関してはちょっと字幕が多かったけど、破滅的なテーマやちゃっちくて逆に味のある夢のシーンも良かったし、実に見応えのある中編となっていた。

サイレント時代の監督だから今更再評価というのも難しいだろうけど、せめてここの彼の項目にもっと作品を追加してほしいとは思う。
授業で観た。

プレイボーイに捨てられた女と変人だけど実直な男とのラブストーリーかと思っていたら非モテキラーの話だった。
最高のバレエ映画。
死がテーマにも関わらず画面は光に満ちていて白く美しいのだが、それがまた怖い。
ラストの静止画における主人公のバレリーナの首のもたれ方。白鳥のようでもあるし、死を感じさせる形でもある。
おぞましい。

主人公がベッドで寝ていると、雷の光で画面が点滅し、カメラが引いていくショット→悪夢のシーン の流れが1番よかった。
雷がもはや窓ごとに違ったタイミングで光を点滅させコクトーのような夢幻的な空間を作り出してしまう。
花子

花子の感想・評価

5.0
カミーユ・サン=サーンスの「動物の謝肉祭」の「瀕死の白鳥」シーンは1910年代のロシアに人気があったので、そのバレエから、この映画が作成された。
原始的な技術で撮られたのに、哀しいバレエダンサーの像が頭にこびりついて離れない。
バウエルの監督の方法とカラリの美しい踊りの組み合わせが素晴らしいから。
美しいソ連映画。ベラ・カラーリのバレエシーンが観られる貴重な作品。
Roland

Rolandの感想・評価

5.0
沈黙が死であるとすれば、いわばその初めから翼を失った白鳥が死へと向かっていくのは避けようのない行く末。そもそもこの映画において、二重に言葉を失った彼女の存在はどう機能するべきなのか?思えばサイレント映画においては誰しもが沈黙の支配下にあって...

前にホセ・ルイス・ゲリンが似たようなことを言っていた気がするけど、初期映画の持つ霊的な感じ、そこに映る役者が皆すでに死んでいることは分かっているのにちょうど今目の前で動いている様子、だからこそ異常に顔の白い彼らが幽霊のように見えてしまう瞬間、そういう紙一重の危うさのようなものに気づくと一層虜になってしまう。