この手紙を読むときはの作品情報・感想・評価

「この手紙を読むときは」に投稿された感想・評価

nagashing

nagashingの感想・評価

4.0
きれいな円環構造。鐘楼をバックに白い鳥が横切る冒頭のショットに陶然とする。修道院の両側の窓から見える景色(片や表通りの喧騒、片や修道女が勤しむ中庭)、フィリップ・ルメールが働く自動車工場とジュリエット・グリコが乗る馬車など、近代以後と以前の対比がその後の対決を暗示。現代的な過剰流動性に適応したヤリチンVS保守的な慣習と倫理のなかに彼を封じ込めようとする元修道女の攻防。白くビビッドに泡だつ波頭と真っ黒につぶれた男女のシルエットのコントラスト、光と声が唐突に遮断されるトンネル突入がすさまじくかっこいい。愛嬌はあるが品性のかけらも感じられないフィリップ・ルメールの顔が妙味。煙草の火で裸体を隠す風船を破裂させるのにはしびれた。
いずみ

いずみの感想・評価

3.9
青山シアターにて。シャルロットとジュールみたいな音楽。感化されたのだろうか。メルヴィルにしたら普通。だけどグローブのショットだとか、グローブを手にした前後の店のショットの暗示がいい。ひったくりのシーンの二人のショットとかも驚くほど綺麗。リヴェッドの修道女も思い出した。ヌーヴェルヴァーグの作家たちが影響されたんだろうなとすごくわかる。
流石に良いショットが多いけどこれが作品にとって効果的であったかというと疑問。
筋に対して上滑りしていると思う。

スカートが燃えたのを機に押し倒してくるのと投石で爆笑。
あとノーブラ巨乳ウェイトレス。
Hero

Heroの感想・評価

3.5
『海の沈黙』『サムライ』ぐらいしか観てない自分が言うのもなんだが、メルヴィルらしくない映画。まぁ正直全体として観れば面白くはないのだが、糞男が盗んだ金貨を手に海へと逃げるまでのロングショット、その流れで辿り着く海での逆光シルエット、一連の電車の撮り方など瞬間瞬間で観るとハッとなるメルヴィルらしさもあり、かと思えばいきなりお姉さん燃やしたり、お姉さん引き留めるために糞男がゴツめの石を左肩にクリティカルヒットさせたり、極め付けは糞男が待ち時間に立ち寄ったレストランのウェイトレスの浮き乳首というか魅せ乳首がすべてを無に帰す爆発力を発揮するわけで、もうそれは是枝の『万引き家族』で言うところの松岡茉優でしかないし、結局のところあの映画は世界の今平以来の日本人パルムドール受賞作でもなく、現代日本社会が見て見ぬ振りでやり過ごしている闇に映画という手段で以って真っ向から向き合ったローカライズされたグローバリズムの結晶でもなく、松岡茉優おっぱい映画なのだと、自分でも何が言いたいのか分からないがただ一つ僕が言えるのは松岡茉優に恋してる、以上。

《ゴーモン映画〜映画誕生と共に歩んできた歴史〜》
華やかなカンヌの街を捉える左旋回のパンからはじまり、ひとつの物語を終えると逆方向パンにて海に収まるカメラ。そこに集う金持ちマダム、彼女らにたかるハイエナ男、そこで生計を立てる市井のひと、それぞれの人生観や規範の尺度による悲喜劇をみせつけてそっと綴じるような〆に思わず嘆息。風船にタバコ一発で情事が決まったり、夜の海辺のふたりの姿のネガポジにハラハラさせられて、地味な駅のレストランで隅に映っていた海兵が店員のお姉ちゃんを狙っていた動きの楽しさもあったり画も豊か。それにしてもジゴロのフィリップ・ルメールの半端なルックスのちょうどよさといったら。
菩薩

菩薩の感想・評価

3.9
マックスがぐう畜過ぎて何も言えないけど、どこに一番憤りを覚えたかと言えば、当然最後のレストランの爆乳ノーブラウェイトレスちゃんに行きずりのキッスをかましやがるシーンに決まっている、死ねばいいのに、いや死ぬんだけど。石を、しかも拳大の石を投げても良い相手は機動隊員だけと相場が決まっているし、あんなの「ちょ、待てよ。」と一言言えば止められただろうに、まぁまぁいい感じのところにヒットさせるなんて、恐らくマックスの中の人は小宮山なんだと思う。かがり火がスカートに引火しちゃうとこ(なんであれ投げてんの?)含めなんか無理あるけど、海辺のシーンと言え、列車のシーンと言えおっそろしく綺麗。なんだかんだ一番悪いのは姉ちゃんなんじゃないか…まぁ迷い故の信仰って事なのか子羊ちゃん。自分で脚本書いてないからって本人は気に入ってないらしいけど、充分価値ある一本だと思う(ノーブラだしな、あと後ろでタップ踊ってるとこも好き)。
メルヴィルとしては結構変わってるんじゃないかと思えた作品。

冒頭の俗世と修道院の対比シーンやスカーフのシーン、海辺のシーンと普通にメルヴィルらしく映像として良い場面もあったのだけど、それ以上に音楽のぶつ切りとか後のゴダールを髣髴とさせる特異な演出が目立ったからか一風変わった面白さが感じられた。

でも展開としては殺人犯した女たらしの強姦魔のくせに悪びれる様子もない屑を中心に描かれるせいで半ばうんざりしてしまった。(最後の事故も取ってつけたような感じでモヤモヤした)
紫色部

紫色部の感想・評価

4.0
2018.7.6 アンスティチュ・フランセ東京

メルヴィルは海と女性を撮るのが巧すぎです。強姦された妹ちゃんの船上での歩行、金貨を持って逃げる男を追う姉さんを固定カメラで捉えるロングショット、肩に小石がぶつかって倒れる姉さん、姉さんを乗せた列車内のショット(おもむろに老人が立ち上がり暗闇が襲う!)、逃避行を妨げた列車が去っていくショットの空の怪しい雰囲気に黒沢清を連想。駅のレストランにいた巨乳ノーブラウェイトレスにいまだ興奮が収まらない。
AS

ASの感想・評価

3.6
ドゥニーズを乗せた搬送車がマックスの横に並ぶ瞬間、テレーズを乗せた列車がマックスの横に並ぶ瞬間。全く異なる状況下での手紙の反復。
スカートについた火を消すシーンは何度みても笑う
『コードネームはメルヴィル』特集にて。

トリュフォーはディスったらしいが、巧妙なメロドラマのメタパロディみたいな感じだと思う。

石投げて相手を止めるシーンで会場爆笑。