『知事抹殺』の真実の作品情報・感想・評価

『知事抹殺』の真実2016年製作の映画)

上映日:2017年04月22日

製作国:

上映時間:80分

3.5

あらすじ

2006年福島県知事、佐藤栄佐久に突然科せられた謎の収賄事件の真実を描いた作品。就任以来、5期18年一貫して原発に問題提起をし続け、突然の収賄容疑で逮捕され「抹殺」された。結果的に「3.11フクシマの悲劇」が起こり佐藤栄佐久の「予言」が的中してしまった。被災者は言う「あと1期でも続けてくれたら、このフクシマの悲劇は無かったかも知れない・・・」。 佐藤栄佐久は、なぜ逮捕されたのか。捜査方法、メデ…

2006年福島県知事、佐藤栄佐久に突然科せられた謎の収賄事件の真実を描いた作品。就任以来、5期18年一貫して原発に問題提起をし続け、突然の収賄容疑で逮捕され「抹殺」された。結果的に「3.11フクシマの悲劇」が起こり佐藤栄佐久の「予言」が的中してしまった。被災者は言う「あと1期でも続けてくれたら、このフクシマの悲劇は無かったかも知れない・・・」。 佐藤栄佐久は、なぜ逮捕されたのか。捜査方法、メディア報道の信ぴょう性、収賄額0円の異例判決。可能な限りの記録と様々な重要証言を元に構成。原発に近づくものは消えていく。この恐ろしい今の日本の現状を明らかにした作品。

「『知事抹殺』の真実」に投稿された感想・評価

mashu

mashuの感想・評価

4.0
反原発派の元福島県知事が根拠の無い罪で有罪に。あと1期続けていたら原発事故はあそこまでの被害はなかったかもしれない。
本当にそうなら、影の権力者の罪はでかいな。本当にそうなら、恐ろしい。
ドキュメンタリーは、ただ事実を羅列するだけでは伝わりにくいんだなと、あらためて実感。
並びの悪い文章を、読んでいるような感じがあって、編集次第で効果的な映像になったのかも。
エンディングの曲が流れた途端、一気に身内感を醸し出して引いた。
あの曲もどこかのシーンで流れていれば…。
いいたいことが分かるだけに、歯痒い。
カツミ

カツミの感想・評価

3.7
収賄額0円でも有罪って変でしょ。
日本の司法はイカれてる。
YukoK

YukoKの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この事件当時のことは記憶にないけれど、諸事情により後から勉強することになり、原作も読了。
後半に出てくる、支援者?の集会。「私の人生、間違っていなかった」という佐藤栄佐久元知事の一言に救われる。その後、スピーチの途中で堪えきれなくなるシーン。あそこにすべてが詰まっている。こちらも思わず涙。
そして終盤、立入規制がされた富岡で、満開の桜並木をバックに東電技術者が語るシーン。「ふるさとを壊していいのか」という真理をついた一言に「あと一期やっていれば」という反実仮想。6年経ったけれどフクシマはまだまだ。
映像作品としては、他の方も書かれているように、佐藤氏本人や関係者らへのインタビュー、集会などの映像、当時の写真や新聞記事が多く、取り調べや裁判の部分は再現VTRではなくアニメーション。そのためややリアリティに欠け、実際の映像部分との温度差があった気がする。報道機関が共同通信以外、映像や資料提供を拒んだ以上仕方ないんだろうけど。
それを差し引いても観る価値がある作品。無知は恐ろしい。過去はもう消せないしタラレバ言っていても仕方ないけれど、今起こっていること、これから起こることに自覚的になること。自戒。
映画内でも言われていたけど、捕まらずに福島県知事を続けていたら、福島の原発事故は起こらなかった(もっと被害は少なかった)のだろうか、、、

このレビューはネタバレを含みます

冒頭に「各報道機関に資料の提供を依頼したが、応じたのは一社だけだった」というテロップが。なのでこの映画は、映像的には過去の写真(恐らく佐藤元知事の私物)や新聞記事の切り抜きの静止画と、関係者のインタビュー、再現ドラマ風部分で構成されている。もし当時の映像が各報道機関から提供されていれば、当然ドキュメンタリー映画としての迫力は違ったはずだ。

もうこの事実だけで「だからマスゴミは」と言いたくなるような出来事なのだけれど、内容は更に上をいく。公権力が「こいつは邪魔だ」と考えたときに行う仕打ちは、これで日本は法治国家と言えるのか?と感じるほど。検察の取り調べを苦に自殺を図る者、偽証をしてしまう者。佐藤元知事自身も、身内や関係者へのマスコミを含めた圧力への居たたまれなさに、早くこの事件を終わらせたい一心で、一度は罪を認めてしまう。冤罪はこうして作られるのだ。

支援者の集会で佐藤元知事が号泣する場面がある。ああ、本当にこの人は辛かったんだと、世界中が自分の敵のように感じていたんだと実感した。同時に、だからこそ、その時支えてくれた人達への感謝の念で、涙が抑えられなかったのだと。カメラは横位置から動かず、淡々とその場面を伝えるのみだったが、ドキュメンタリーの凄みを感じたシーンだった。

「佐藤さんがもう一期長く(知事を)やっていれば、福島原発事故は起こらなかったでしょう」とカメラの前で断言する元GEの原子力技術者。
上映館は少ないようだが、近くに来た際は是非観てみてほしい。そう思える映画だった。
Osamu

Osamuの感想・評価

3.5
申し訳ないけど、おもしろくなかった。期待していた内容と違っていただけで、見方が間違っていたのだろうか。

2006年に収賄疑惑で辞任した元福島県知事のドキュメンタリー。

原発に物申す知事が邪魔になった国がマスコミや検察を使って嫌疑をかけ「抹殺」した、ということを訴えている。

でも元県知事側の「私たちが思っていること」が一方的に述べられているだけで本質的には何も暴いていない。

そこをもっと見たかったんだよなあ。まあ、それを掴むのはかなり難しいんだろうけど。これじゃ、元県知事のプロモーションビデオだよ。批判しているマスコミの手法とたいして変わらない。

元県知事側が主張することは充分あり得る話だと思う。権力に対する監視機能として効いていないどころか権力の加担をするマスコミだとか、法の番人であるはずの検察や裁判所の無法的対応だとか。だから、そこにもっと切り込んで欲しかった。
小一郎

小一郎の感想・評価

3.9
陰謀系のフェイクドキュメンタリーであって欲しいと思うけれど、まっとうなドキュメンタリー。この手の話は別の件について本で読み、そういうことはあるのだろう、という認識ではいた。

1988年から5期18年にわたって福島県知事を務めた佐藤栄佐久氏。地方分権・地方主権を旗印に国政に真っ向から意義を唱え、原発の安全神話にも疑問を呈してきた「闘う知事」。2006年9月、突然の汚職事件で辞任し、その後逮捕された。この辞任から逮捕、有罪確定までの真実を明らかにすることが目的。

映画が明らかにしたい真実の核心は「知事が社会的に抹殺されたのは『政府の意向』にそぐわなかったから」ということだろう。映画を観て、政府は会社経営者、知事は会社役員かのように感じた。

会社では、経営者の意向にそぐわない役員は更迭される。しかし、知事を“更迭”(リコール)できるのは地方自治体の有権者であって政府ではない。

だから政府の意向にそぐわない知事を“更迭”するには、検察にたたかせホコリを出す。知事にホコリがなくても部下に、組織にホコリがあれば、都道府県庁の長である知事の責任にすることは容易だ。そう考えると、知事のクビは政府次第でいかようにもできるような気がしてくる。

何故、政府が知事をクビにするのか。それは会社の経営者が、自分が決定したことが会社の利益を最大化できると思うように、政府の決定が国益の最大化できると思うからだろう。抵抗勢力や不満分子がいたのでは政府の決定をスムーズに実行できず、国益を損なうかもしれない。だから、排除する必要があるのだと。

厄介なのは利益と違い、国益という概念があいまいなことだ。いや厄介というより、政府にとって都合の良いことかもしれない。国益とは何かがはっきりしないから、政府は自らが決定したことを正当化しやすい。

福島原発の安全性に強い疑問を呈していた佐藤氏の“更迭”は、国のためになったかどうか。もし彼が知事を続けていれば、原発に津波対策が取られ、これほどまでの惨事は起きなかったかもしれない。

だけど、そのことは本質的な問題ではないと思う。結果的に、政府の意向に沿わない知事が国のためにならなかったというケースもあるかもしれない。だからといって民主主義のルールを無視し、政府が経営者と同じようなことをすれば、国民の意欲をくじき、国を土台から腐らせ、取り返しがつかなくなる気がしてならない。

このドキュメンタリーを怖ろしく感じるのは何故だろう。こういうことが起こる国というのは民主国家ではないような気がするから。日本が一党独裁国家や独裁者が支配する国家のように感じるから。

日本を独裁するのは何だろう。それは多分、資本主義というイデオロギーではなかろうか。そういえば、資本主義の超先進国アメリカでは、すでに大統領が政治経験のない元経営者。日本もいずれ…というのは考え過ぎだろうか。
あつし

あつしの感想・評価

4.0
政府にとって都合の悪い人が消された話。
政権が変わった途端に。
こんなことが平成の世で起こってる。
社会の闇の部分。
知らなかったことを知れた。
知らなかったら知らないまま。
国策の原発推進に逆らえばベテラン知事も消されるというマスメディアで報道されなかった事件の裏側を描く。異論も出るだろうし、映画は佐藤栄佐久氏側の主張と捉えるが、お上に逆らうな同調空気が醸成されている日本の状態が不気味でならないから本作の存在は貴重。
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