十六歳の戦争の作品情報・感想・評価

十六歳の戦争1973年製作の映画)

製作国:

上映時間:94分

ジャンル:

3.5

「十六歳の戦争」に投稿された感想・評価

mingo

mingoの感想・評価

3.5
秋吉久美子の瑞々しいデビュー作!レネに影響を受けた松本俊夫の劇映画だけあってヒロシマモナムールっぽいアンニュイな描写に呆然と画面に向かっていたが、フォーク歌手で本作の主人公下田逸郎の歌がめちゃくちゃ良くて音楽映画としての出来は心に響くものがある。また戦争の傷跡と追憶が甦ってくる幻想ファンタジーでもある多面的な要素も持ち合わせており当時のヒッピー文化や反戦主義の風潮も時代を感じさせる。整形後のマイルドジャクソン気味の瑳峨三智子の腫れぼったい唇は見慣れるとセクシーに思えてきたから不思議…ヤク中になりホステスなどで食い繋いでいたのを思い出して気が気じゃなかった…
秋吉久美子初主演作品にして、母親役がスキャンダル渦中の嵯峨三智子、戦争後遺症の叔父役にケーシー高峰というキャスティングが凄い。
青春映画風に始まるが、豊川空襲の犠牲者の慰霊と主人公の青年(下田逸郎)の母親探しの旅が重なっていき、話は難解だが秋吉久美子のヌードを含め心に残るシーンが沢山ありました。
フィルム状態は悪いが、DVDはプレミア価格で手が出ないので、今回の特集で見れて良かったです。
現代(といっても1970年頃)と終戦時のそれぞれの16歳の少女の話。唐突に現れるまだ10代の秋吉久美子の全裸もインパクトが凄かったが、それ以上にケーシー高峰のPTSD演技が強烈過ぎる。旅行中に暴れ出す彼をなだめる為に家族が玉音放送のテープを流す場面がなんともシュール。羊の皮を被った強烈な反戦映画。
(シネマヴェーラ渋谷)
秋吉久美子を見たかっただけなんだが、よりか戦争後遺症のおじさんの演技が光ってたな、玉音放送でなだめるシーンの深さよ
公開された年に観たが、2~3年のお蔵入り作品ということで、当時ですら鮮度は薄かった。秋吉本人は、この年、山根や今井の作品で原田美枝子と並び、最も目覚ましい活躍をした女優さんだったが、本作は無関係に公開された感があった。’73というと、『旅の重さ』のヒロインを射止め損ねた後の初主演作で、本作での何時にも増して凛とした気負い・台詞廻しが心地いい(歯など矯正前だがもう大器だ)。松本の作品は当時スタイリッシュな短編実験作を少しは観ていたのだろうか。しかし、それよりも、観てはいなくとも数年前のピーターを起用した半風俗・半神話的作品は製作時から話題になってずっと気になっていたし、何よりその著作でメカスと並ぶ映画の見極め方の我々の世代の先生であった。それだけにこの題材はもとから?であった。
吉田喜重作品で知られる脚本家の起用は、一見今の目からは大林作品に見える本作を、はっきり先鋭的ヴィヴィドにしている。しかし、血・魂・死・狂気・不在・戦争・家らへの痛ましく根源的な遡及を、’70年代序盤のフォーク・Νシネマの緩く広い時代の空気のスタイルの中で描いたことの齟齬は残り続ける。
文学少女だったという秋吉も、これが完成から間置かず公開されてたら、その後のオファー・レパートリーも変わっていった気もする。役柄が実生活のキャラまで支配していったような感があるが、もっと理知的な彼女が見れたのではという気もする。’73の夏は、ヴェンダースや石上さんも、作品や連載で触れてたようにJ・フォードの亡くなったことでも記憶される。私は秋吉より少し年下だが、個人的にも、その夏はこの映画と似た一生忘却できぬ、大事な他者の生死にかかわる夢幻的でもある体験をした年であり、その傷は未だ癒えない部分もある。その時にこの作品に触れられてたら、という意味でも変に興業一本槍の決定は好ましいことではない。昨今でも製作本数が急激に増えてることもあって、お蔵入り作品は相当の数になるという。映画史の名作のかなりの数は、永く封印状態で、認知・映画表現の解放が遅れたという歴史がある。
1973年愛知豊川。昭和一桁世代の母は16歳の娘の自殺願望を戦争ごっこと決めつける。果たしてそうなのか? 突然のフルヌードと灯篭流し以降の怒涛のシュルレアリスム描写にびっくりした。
演技が上手かったら傑作になったと思う。あと部屋の前にムンクの『思春期』掛けてるの笑った。そういう話ではなくってよ。
や

やの感想・評価

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過去に囚われ、”あの日”に縛り付けられたまま置き去りになった人々の物語 死者の魂は墓場にでもあの世にでもなく思い出してくれる人たちのすぐ傍にあって、永遠に不滅なのだ。
堊

堊の感想・評価

3.0
たしかに山戸結希の『溺れるナイフ』
あと廃墟での観念的な会話は佐々木昭一郎の『ユートピアノ』思い出したり。
一体どの層にどういう風に受容されたのか謎な松本俊夫の青春映画(?)なのだがちょいちょいエポックメイキングなショットも。

そもそも主役の女の子の演技力に難がありすぎて理解に支障をきたすこと数えられずの映画ではあるが、B29のノイズ、画面のゆらぎ、尖りすぎた省略編集など単なる失敗作とは言えない歪な、歪すぎるが故の魅力に溢れている映画でもある。

海援隊みたいな当時の楽曲の主張がキツい。


「能の世界には生きた人物がいない」


※本作と『修羅』はTSUTAYAにはないけど一部のGEO店舗にあります。
秋吉久美子はよかったけど、体調悪かったこともあり、ストーリー老いきれず、少しうとうと。
Noir

Noirの感想・評価

3.8
植科あずなと有永甚の二人が出会って進展する様は気狂いピエロと似通っていると感じた、特に木々の周りをくるくる回るところ、アングルは違うけどどちらもいい。裸含めこっちの方が秋吉久美子のおかげで全体的にみずみずしさが溢れている。鎮魂歌になっているかは微妙でしょうなぁ。水が印象的な映画。マゼンタ退色がすごかった。なぜかうとうとしていましたとさ。
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