囚われた国家のネタバレレビュー・内容・結末

「囚われた国家」に投稿されたネタバレ・内容・結末

〜あなたはマッチを擦れますか?〜

これコロナ前に制作された映画だから、世界的パンデミックを経験した今では、だいぶ社会の状況や人々の心理が変わってきてしまってるけど、私は反骨精神あるタイプなので、この映画かなり好きです。

舞台は2027年。
9年前から地球はエイリアンによって統治されてます。
このエイリアンっていうのが異形中の異形で、見た目は勿論、話す言葉も言葉というより音が発せられてるだけって感じで全くもって人類とは分かり合えなそうヤツです。
そんなヤツらを我々人類は"統治者"と呼んで崇めたりしています。
「そんなバカな!」と思うかもしれませんが、『パラサイト 半地下の家族』でも地下の人間が地上の家主を「リスペークトッ!🙌」してたのを見れば分かるように、崖っぷちの人間は権力(者)を崇めちゃったりするものです。

異形じゃなく同じ人間なら尚更easyに崇められると思うし、昨今の"日本凄い!"ブームも中々の黄色信号が点滅してるなぁと思ってるので、この異形エイリアンにした所もかなり好き。

はじめは勿論エイリアンと戦ってた人類だけど、人いっぱい死んじゃうし、エネルギー(電力)を掌握されて降参し、ほぼ奴隷状態で彼等の為にせっせと働いているのに、「統治者のお陰で失業率が過去最低になった!」とか言っちゃう人間の愚かしさよ。

そんな社会でも諦めないでエイリアンをやっつけようとするレジスタンスのお話し。

コロナ禍+ロシアの戦争で、世界各国で民主主義や全体主義についての人々の心も含めた動きがあって、リベラル達はほんとこの映画のレジスタンスの立場に立たされてるけど、最近またちょっとフェーズが変わってきているように感じる。

「マッチを擦り、戦争を起こせ。」がレジスタンス達の合言葉のように語られているけど、実際の私達はマッチを擦る気力すら奪われてるような気がするし、若い人の多くはマッチを手にした事もないでしょう、きっと。

最後にお気に入りシーンは
巨大岩みたいなUFOが水上をスーッって飛ぶところ。唯一SFっぽさが出てた笑
世界観とシナリオがかなり好き 映像も雰囲気あるし ひやひやするし
ラストもじわじわとうぉぉってなる感じ
映画内で決着が着くんじゃなくて、映画のラストが世界への大一投目っていうのがうおお
スタジアム爆破後に首謀者を駐車場で襲うシーンの統治者が動物っぽい動き方であまり知性が感じられず、『シン・ウルトラマン』における外星人のように物理的暴力ではなくポリティカルなやり方で人類を支配したという説得力がなく、どちらかといえば中盤のバスのシーンで出てくるハンターの方が頭が良さそうだった。ただ統治者のウニみたいに変化するビジュアルは面白かったのでその点は好みで、映画が始まってすぐのトンネルでの襲撃シーンはわかりやすくSFホラー的でワクワクした。スタジアムでの作戦実行のくだりはチームスパイモノみたいで楽しかったが、全体的に暗いシーンが多く何をしているのかがわかりにくいのが残念。
独特な映画。
どちかといえば好きな方。全体的にセリフは少なく、状況で理解して系。
ちゃんと追えば分かるけど、ワクワク感は少し欠ける。
エイリアンは全く出ない。しかも地球を侵略できるほど強くはなく(特に描かれていない)地球の空気に触れちゃうと死んじゃうほど弱い。
最後の展開はとても良いけど、地下がどこまで発展していて、ユートピアなところなのか描かれていないから自爆して全てが翻るのかも不明。
ナンバーワンは流れでなんとなく分かってしまうからこそ最後はどんな所でどれだけの爆発が起きたか、など知って終わってほしかった。予算さえあればもう少し描けたのかな。
とてもモヤモヤした。


今作=SF≠侵略だったからではない。
統治者、支配される人間、レジスタンス。
各々の立ち位置と物語との絡み。
劇中語られない含み、製作者の主張があるように見えた。

仮に友人が今作のようなお話をしたとする。
聞き終わった後、私は友人に問うだろう。
主旨は何?と。


地球外生命体による侵略後の世界。
設定自体は特に目新しいものではない。
「第9地区」然り。
「モンスターズ 地球外生命体」然り。

SFというジャンルは人によって好みが分かれる。
個人的にはSFは説得力の有無だと考える。
作りが雑だろうが納得できれば良作である。

冒頭の9年前のエイリアンによる侵略シーン。
衝撃波で一瞬で木端微塵になる両親。
結果的に、このシーンが蛇足となってしまった。


■時系列

今作の舞台はエイリアンの侵略から9年後ではない。
エイリアンの統治が始まってから9年後である。
衝撃波のシーンでは既にレジスタンスの合言葉が使われている。
レジスタンスが結成され、合言葉も通用する体制が構築。
よって、9年前よりかなり前に侵略が始まっていたことが見て取れる。


■エイリアンの強さ

今作で描くエイリアンは「人間には太刀打ちできない脅威」である。
意図は分かる。
前提として抗えない相手と位置付けたいのは別に構わない。

今作の舞台は現実世界である。
故に、エイリアンの侵略を受けたら少なくとも現存戦力で抵抗しているはず。
その結果、人間側が負けて統治される側となったわけで。
戦いなくして降伏を受け入れるというのは考えにくい。
だが実際は、9年前の冒頭シーンでも建物ひとつ壊れていない。
どれだけ優しいエイリアンなのだろうか。

マスクか兜か知らないが素顔を空気に晒すだけで死ぬエイリアン。
致命的な弱点である。
しかもたった一人のレジスタンスとの肉弾戦で負けている。
そんなエイリアンが何故地球全土を支配できたのだろうか。
疑問が残る。

エイリアン自体は弱いが技術力で勝っていたから。
兵器では圧倒的戦力差があった。
そう解釈できなくはない。

だがそうであっても。
今作のエイリアンは直接対面する機会を持つような間抜けである。
ならその機会に肉弾戦を仕掛ければ済む話ではないか。
1対1でも倒せるレベルなら数で勝る人間は楽勝ではないか。
わざわざ自爆テロをする必要もない。
交渉する体で対面する機会を作って複数で襲えば良いだけである。

そう思わせない為の冒頭の衝撃波なのだろうけど。
何故人間はあっさりと降伏して負けたのだろうか。
抗えない存在であることにもっと説得力を持たせるべきだ。

侵略後のお話だから侵略された事実だけ前置きすれば良い。
そんな製作者の怠慢な考え方に思えてならない。


■何故地下なのか

エイリアンは人間に居住区を地下に作らせた。
本部長が謁見する際は念入りに消毒していた。
何故だろう。
地上でも普通に活動できているのに。
ラストの自爆テロシーンの為に後付け設定したようにしか見えない。


■何故人間を生かすのか

だが、それなら何故人間は一掃されないのか。
エイリアンが地球で活動する為に人間が必要な理由。
それが描かれていない。
エイリアンが自分で搾取が面倒だから人間にやらせる。
ただ単に圧政を敷いて自身が楽をする為にしか見えない。

資源搾取に協力させる為に人間を生かす。
何で?
人間の現代の技術力を以てしても勝てないエイリアンの技術力。
それなら人間にやらせずに自分達でやった方が合理的ではないか。
人間を根絶やしにしてからゆっくり搾取すればいいやん。
わざわざ反乱のリスクを残してまでやらせるロジックが理解できない。

仮に地球特有の技術でエイリアンには持ち合わせていなかった。
そう仮定することもできる。
だが、統治開始から9年も経っているわけで。
その間、人間からあらゆる情報を吸い上げているわけで。
資源採取の方法などすぐに理解できるはずだ。


■エイリアンの統治

劇中のエイリアンが実際にやっている事はこうだ。

資源採取が目的だから統治権だけくれたら好きに過ごしていいよ。
言語違うけど通訳を介して対話できるようにするよ。
政治に口は出すけど文明は人間のものを尊重するね。
エイリアンの為に働いてくれたら報酬増やすよ。
大人しく従ってくれたら危害加えないし普段の生活させてあげるよ。

どれだけ平和的なエイリアンなのだろうか。
ただ単に主権を持てない人間の不満が起こした反抗に見えてしまう。

劇中、このままだと地球の資源が枯渇してしまうような表現がある。
だがそれは一人の人間の言い分でしかない。
エイリアンの搾取によって地球の資源が枯渇する根拠が示されていない。
エイリアンの統治を見るに、枯渇させて惑星を潰すようには見えない。
枯渇したら他の資源豊富な惑星を探す手間も発生するわけで。
それならば枯渇しないよう上手く搾取しようとするのが自然ではないか。
故に、枯渇してしまう!の描写は人間の勝手な見解に過ぎないように見えた。

劇中、エイリアンに対する反抗を「テロ」と表現していた。
他方、全体的にはレジスタンスが正義のような描写である。
だが、そこに正義はあるのか。
何の為の反抗なのか。
結局どっち側の主張をしたいのだろう。
製作者の意図にぶれを感じる。

侵略系SFならこの点は説明不要だが、侵略後を語るSFなら。
人間が宇宙人に従わざるを得ない理由。
従うことで人間が不幸になる理由。
反抗しなければならない理由。
これらの説得力をしっかり持たせないといけない。


■結論

つまるところ。
作者は今作の物語の裏側に社会的な暗喩を持たせたかった。
人間を支配する宇宙人。
支配される人間との関係性。
圧倒的権力に抗う反骨精神。
ただシンプルな社会派映画にすると力不足だからSFの皮を着せた。
そんな風に解釈できた。

極端な話、主旨だけ見ればSFじゃなくても成立する。
どこぞの国が勢力増して圧政敷いた状況にすれば成立する話である。

社会風刺や社会的メッセージを匂わせるとしても。
お話に説得力を持たせなければただの戯言にしか聞こえない。
興味の無い政治家の興味の無い内容の街頭演説と同じである。


私は映画を娯楽作品として観ている。
だからこのような主義主張が込められていたとしても。
まずは娯楽作品としてのクオリティを高めてからにして欲しい。



基準点:3
ジョン・グッドマン主演:+1
ヴェラ・ファーミガ妖艶:+1
SFである必要性が無い:-1
設定の裏付けって大事よ:-1.1
ご 都 合 主 義:-1
2022/05/03

テロは成功するが逃亡に失敗し組織は壊滅する

自爆テロを起こそうとするところで終わる
決して面白いわけじゃないけど、終盤のビデオのシーンはとても好きだ。

2022-0402-33
うわ、ずるいわぁ。
ラストでやられるやつ。
ジョングッドマンに泣かされるとは。

最近では珍しい、大人ってかっこいいって思わせる終わり方。よかった。

ウニ男に勝てるのはヒトデマンだけだ、日本のアニメはどんな敵にも対応可能だなー。
素晴らしい作品でした。ストーリーもしっかりしていて、なるほどと唸らせるラストシーンはお見事でした。対地球外生物との闘いに負け支配された人間でしたが、その尊厳を失っていなかった勇気ある行動に拍手です。
同じ人間同士、同胞同士に対するP大統領の非人間的行為には多くの疑問を呈しますし、そして情けなく、哀しく、絶対に許せません。。
全体的な雰囲気が好き。設定もエイリアンとの侵略前の戦いではなく、完全に従ってる設定が独特でいい。エイリアンもなかなか個性的なデザイン。ちょっと宇宙船は安っぽかったけど。

世界観はいいんだけど、中盤までなかなかストーリーがつかみにくい。なんの前知識もなくて初見だと厳しい気がする。

ラストにそういうことか~!!!ってなるのは心地よかった。
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