霧ある情事の作品情報・感想・評価

「霧ある情事」に投稿された感想・評価

我らが岡田茉莉子が愛人の座から抜け出そうとする話。
タイトル通り霧の映画で、ここまですんごい霧はそうそうお目にかかれない。
岡田茉莉子の実家(窓から何故か灯台が見えている)といい、津川雅彦が住んでいる三角形の家といい、妙にセットが頭にこびりつく。

それはそーと、岡田茉莉子の親父が徹底的にクズで、娘に投げつけられた札束を寝転がりながら起きもせず、肩たたきで引っ掛けて取るという怠惰な運動演出が見事すぎる。(そのあとその肩たたきで女のケツを突く)
これ1発で人格を表現してしまう。

2人が山小屋の2階で情事に及ぶシーン、ここでハシゴがバタリと倒れるのも見事で、もう戻れないところまで来てしまった感を演出している。

それはそうと、2人が逃げた先、岡田茉莉子が入る温泉は日活『侠花列伝 襲名賭博』で松原智恵子が入っていた温泉と同じではないか!?
可もなく不可もなく、面白すぎずつまらなすぎないでいつも丁寧な仕事してて好きです渋谷監督。津川雅彦(超かっくい〜何頭身あんの)が住んでるあの家めちゃくちゃ良いな。東京上空~で、中井貴一が住んでたあの家くらい住んでみたい。みんな大好きマリコの体当たり演技もすごい。入浴シーンとか、その場の勢いで津川雅彦と馬小屋でヤッちゃうとことか良かった。
情事とは殺人事件のこと、と15歳くらいまでは思っていたなあ、と霧の中でファイトする父娘をみて思い出していた。
生計を立てるよすがもなく、うざい父殺しも失敗、心中も失敗。生きてるだけなのに疲れちゃうよね…。格差の辺縁部のはなし。
スチールの連続みたいな、まんがみたいな映画。
金目当ての親父から逃げたい岡田茉莉子と親の代から世話になってる男(加東大介)と縁を切りたい津川雅彦の逃亡劇。前半の展開が若干トロい気がしたが、後半からは最高。霧に包まれた山奥の馬小屋の扉がゆっくり開くのが完全にホラーでビビる。岡田茉莉子が障子を倒したときに心中した男女の死体があるのも最高に渋谷実だった。主役二人は勿論だが、三上真一郎やっぱりいい。こういうチンピラ役で出てくるの大好き。菅井一郎もただのクズで素晴らしい。クソ親映画として中々面白かった。
カラー作品
主演は岡田茉莉子、助演は津川雅彦、加東大介、菅井一郎、芳村真理ら

【あらすじ】
岡田茉莉子は加東大介の2号さん
でもそんな日陰の暮らしにうんざり気味
奥さんが死んでも2号のままだし、他にも女(京塚昌子)がいるみたいだし
ロクデナシの親父(菅井一郎)はがめつくお金をせびってくるし

もうこんな生活うんざり!どこか遠くに逃げ出したいわと思っていた岡田茉莉子、そんな彼女にベストタイミングでドラマチックな事が起こる

加東の秘書である津川雅彦が、加東のドラ息子(三上真一郎)と揉み合った末(芳村真理が原因)ナイフで刺してしまいます
津川雅彦はかねてから岡田茉莉子のことが好きで、岡田茉莉子のほうはうんざりな生活から逃げ出したくて、追い詰められた2人は勢いにまかせて逃避行をはじめるのでした、、、

【感想】
岡田茉莉子と津川雅彦が逃避行するお話なんだけどメロドラマ感はあまりない
タイトルにあるように山奥の霧に包まれた小屋の中で情事は起こるんだけどなりゆきみたいな感じが強い

加東大介と別れたくてもズルズル続けちゃうし、ロクデナシ親父と縁を切りたくてもこれまたズルズル
思い切って駆け落ちみたいなことしてみてもお金はないし警察には追われてるし
加東大介の息のかかったロクデナシ親父まで追ってくるし
そのロクデナシ親父を湖に落としたものの生きてて、心中まで阻止されるし

何やっても思うようにいかないの
そんな悲しさ、虚しさを残しながらのエンド

んーー、評価難しい
振り返るといろいろとツッコミ所とか都合がいい所が目についちゃう
津川雅彦は正当防衛じゃん、ナイフも相手のものだし、そもそも生死不明だし、自殺を決意してまで逃げる必要ないでしょ
その津川雅彦の母の住む故郷が山奥過ぎw なんでお母さん1人だけそんな山奥にいるのよ
お父さんも同じ会社で働いていたっていうし、この辺はよくわからない
岡田茉莉子は、、、情緒不安定でヒステリーで勢い任せって感じなのでよくわからない

全体的にはつまらなくはないんだけど面白くもない
なんとなーく見続けて終わっちゃった感じ
個人的には岡田茉莉子が見れたってだけで及第点だけど、、、そうじゃなかったら凡作かなぁ
渋谷実は『現代人』『バナナ』に次いで三本目だが、バナナ同様、岡田(今作での造形かなり良い!)・津川カップリング、だったり加東from東宝だったりでありがたい
コメディな前半からの、後半へのツイストが妙味というのはわかるがいまいち失敗している、画作りは所々良いのだが
泣ける。序盤はセット感丸出しの松竹ドラマが展開されてて嫌気がさしてたけど、男との逃亡劇になってから急に面白くなる。逃亡先のロケーションが絶妙で特にあの数頭の馬と霧に包まれた湖の光景がヤバすぎる。死を暗示しているのか。最後の岡田茉莉子の独り言「もう疲れた」には不覚にもグッと来た。『散歩する侵略者』の長澤まさみの「嫌になっちゃうな」に匹敵するヤバさ。
isopie

isopieの感想・評価

-
2015年7月9日(木)シネマヴェーラ渋谷 特集/渋谷実のおかしな世界 The Bizarre World of Minoru Shibuya