COLD WAR あの歌、2つの心の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

上映館(12館)

「COLD WAR あの歌、2つの心」に投稿された感想・評価

なおむ

なおむの感想・評価

3.0
ズーラの奔放さについて行けなかった…。
途中、愛より地位を取ったのは時代のせい?

あと、オヨヨ〜じゃなかった。
何度聴いてもオヨヨ〜イだった。
はる

はるの感想・評価

4.5
冒頭からグイと引き込まれる。WW2からまだ間も無いポーランド。地方の集落らしきところで2人の男が民族音楽を演奏し、その独特な節回しに郷愁を感じる。場面は変わり今度は客を集めて聴かせるようなレベルのものになる。そうして説明はされないまま進んでいくが、やがて車で移動する男女3人の行為と目的が明らかになる。この時点で「これは好きな作品」ということが確定。
もちろんタイトルから想起される恋愛ものとして観ることも当然だろうが、それよりも音楽面での描写に心が動いた作品。「農村マズルカ」「民謡ジャズ(トラッドジャズ)」というジャンルの存在や変遷も知るきっかけになったし、遡ってショパンといったポーランドのクラシック音楽にも民族音楽が影響を及ぼしていたということも興味深い。

ネタバレになるが、鑑賞後に脳内でループし続ける「オヨヨ〜」が印象的な『Dwa serduszka』は「2つの心」という意味でこれが邦題にそのまま用いられている。原題は『Zimna wojna』で「冷戦」の意味。この曲はMazowsze(マゾフシェ)という舞踊団によるものが現在聴けるが、そのマゾフシェは1948年に創立されたというので、劇中のMazurekのモデルだろう。パブリコフスキ監督は若い頃はこうした伝統的な音楽と舞踊をバカにしていたそうで、それが今作の準備段階で完全に覆されたという。

イレーナとヴィクトルはフィールドレコーディングによって国内の民族音楽を収集し、それらを舞踊団で使う楽曲に落とし込んでいった。そうした行為自体がとても意義深いものに感じられるし、イレーナは音楽は民衆のものだという信念を持っていた。しかし大きな流れには抗えない時代背景もある。
そういう息苦しさから逃れ、新しい音楽を求めようとするヴィクトルだったが、ズーラは留まる。これは情愛の深さというよりも音楽への志向の違いだったのかと今は思う。この2人はお互いの才能を認め、音楽で繋がれつつも優位に立とうとするオトコと従うことを認めないオンナなのでいつかは対立してしまう。まあ『Dwa serduszka』のジャズアレンジに関しては、悪く無いけどもズーラの態度もわからなくは無いね。ただし、そういう風に作られた曲だということでもあるのだが。とまれ「民謡ジャズ」というジャンルは気になるところだ。
そしてヴィクトルは映画音楽にも携わるようになる。こういう当時のパリに即した音楽シーンの変遷が見られるのも今作の魅力だろう。直近で『アマンダと僕』を観た後だったので「またパリだ」と思ったり。

ズーラとヴィクトルの関係性は前述したが、やがて2人は音楽への志を失ってしまう。そうなって初めて愛情だけが残るというのは皮肉ではあるが、枯れた感動があった。
この2人を冷戦という状況が隔てたというよりも、その状況下で音楽がどう扱われたか。それこそが2人の心に影響を及ぼしたのだろう。
くま

くまの感想・評価

3.9
・儚い
・核心と余白しかない
・ズーラが大人びていくの凄い
・嫉妬と喪失でしか行動を起こせないのが人の性
・カット切り替わる瞬間が好き
kyohei

kyoheiの感想・評価

4.6
「お母さんは言った、あの人に恋してはならないと」

静かに激しく、心の奥底で燃える愛の炎は、何物にも消すことはできない。第二次世界大戦後、東西分断に巻き込まれたポーランドの複雑な歴史が、芸術学校で出会ったピアニスト、ヴィクターと歌手志望の生徒ズーラの恋愛模様と重なる。壁を往き来し、「仮の」結婚生活をそれぞれ送りつつ、何年かに少しの間だけ愛することが許される。現実と理想のギャップを埋めるのは、音楽だけだ。なんとなく織姫と彦星の話を思い出した。が、彼らの場合分断はより理不尽だ。

劇中繰り返し歌われる「2つの心」。そのアレンジの変化を軸に、使われる音楽のバラエティが彼らの心情を語る。アカペラで、民族音楽として、ジャズボーカルとして。スローなジャズアレンジの「2つの心」の録音を聴いたズーラのリアクション、ロックンロールに自然と身体を動かすシーン、そして訳詞という「言語」による表現の壁。それら一つ一つが、彼らの愛、欲望、嫉妬、そういったものに繋がってくる。

主人公のカップルは、監督の両親がモデルらしい。「振り子が時を殺す」と訳したジュリエットは、ジュリエット・グレコから来てるのだろうか?映画のスコアアレンジを手掛けるミシェルは、ミシェル・ルグラン?50年代のサン=ジェルマン=デ=プレのボヘミアンライフスタイルを想起させるビバップと自由主義な芸術家たち。共産圏とは相容れないライフスタイルだが、思想の分断も超えるのが愛であり、音楽なのだ。モノクロの引き画が映し出す風景に、淡々と進行しつつ音楽が醸し出す情感に、愛の美しさと切なさを感じさせられる。
モノクロームの美しさを溢れんばかりの音楽に身を置きながら堪能できた。
レア・セドゥに似た主演の女優さん、美しくかなりエキセントリック。
ロマンス映画の大堂のようでした。
かなり好きだった!
watsipec

watsipecの感想・評価

4.0
Los ojos de Jesús..
La Internacional, en polaco?!

ばっちりキマったモノクロの画を恋と音楽が彩る。美しい。

時間が細かく飛ぶから、冷戦期の東ヨーロッパ事情がわからないと難しい。
KOUSAKA

KOUSAKAの感想・評価

4.5
先日、幸運にも『イーダ』をスクリーンで観ることが出来て、このパヴェウ・パヴリコフスキ監督の最新作は本当に楽しみにしていました☺️

期待通りの素晴らしい作品で、『イーダ』はかなり抑制的な作品でしたが、この『COLD WAR あの歌、2つの心』はホンマに情熱的やったな〜。『イーダ』でも主演だったヨアンナ・クーリクや、不良叔母さん役を熱演していたアガタ・クレシャなどが前作から続けて登場するので、なおさら比較してしまいます😎

民族音楽のプリミティブな魅力がもともと好きなので、音楽もすごく良かったです。時間の流れを示すやくわりとして、その時代時代の代表的な音楽が演奏される訳ですが、まるでその場にいるかのように疑似体験しながら時系列に沿ってその音楽たちを聴いていくと、やっぱりロックンロールの登場のシーンでは、血湧き肉躍るような興奮を本当に感じました🤩やっぱり凄いわ、ロックンロール‼️

とにかくヴィクトルとズーラの二人が、どんな障害があろうと魅かれあい、愛し合おうとする「強さ」がこの映画の肝だと思いますが、亡命中だろうが、恋人がいようが、違う相手と結婚していようが、子供がいようが、逮捕されて刑に服していようが、ぜんぜん関係なし‼️🤣一目会えば、何度でも恋に落ちる。っていうか、もうただひたすら運命のようにずっと恋に落ち続けている。いや~情熱的です😍

今作で何度となく歌われる、まさにキーとなる曲「Dwa Serduszka」を、パリでズーラがジャズアレンジで歌うシーンが個人的ハイライトで、最もドキッとさせられたし、「あ~!!ズーラがとうとうこっち(西側)に来た~!!」と、一番アガりました。めちゃくちゃ格好良いシーンだと思います👍👍
パリでジャズを歌うズーラが一番輝いていた気がする。でも途中からズーラの奔放さに面倒になってしまった。中盤、ズーラがヴィクトルにイラついているように見えたのは自分を女として見てくれないと感じたから?モノクロは悪くなかったけれど、民族衣装の色合いや、所々ターニングポイントとなるところにはやっぱり色があると良かったかもしれない。
Ayu

Ayuの感想・評価

2.5
先週某俳優さんにおすすめされたので鑑賞(『ワイルドライフ』のレビューにその時の小話あります)現代にあえてモノクロで撮られた映画を自ら選んで鑑賞したのは初めてかも。『ROMA/ローマ』はまだ見てないし…『アーティスト』とかアカデミー賞獲ったけどモノクロってだけであんまり興味が湧かず。

意外と食わず嫌いだったモノクロ映画、全てがモノクロがゆえに洋服の色や風景などを想像することでいろんなイマジネーションがかき立てられて想像以上に良かった。88分とコンパクトにまとまっていて、ポーランド、ドイツ、ロシア、そして最後のパリへと舞台をどんどん変え近づいては時代の流れのせいで引き裂かれて離れていく2人の半生を一緒に旅した気分。主演の2人が美男美女ではないんだけどだんだんヒロインが素敵な女性になっていく姿を見るのが素直に楽しかった。

雑談:劇場で3席離れて座ってた女性に「ポップコーンを食べる音がうるさいから食べるな」と上映が始まってから威圧的に大きめの声で言われて納得いかなかったけど食べるのを止め、上映後直接話しようと思ったらエンドロール始まってすぐ出て行かれて尚更納得いかなかったので行きつけ居酒屋でやけ酒。持ち込んだものとかなら注意されるのは当たり前だけど普通に売店で売ってたポップコーンをいつも通りなるべく静かに食べてただけなんですけど…神経質すぎてビビりました。
>|