黒い画集 ある遭難の作品情報・感想・評価

黒い画集 ある遭難1961年製作の映画)

製作国:

上映時間:87分

ジャンル:

3.6

「黒い画集 ある遭難」に投稿された感想・評価

松本清張原作。かなりオモシロカッタ。徐々にじわりじわりと、「この遭難、なんか変だぞ」って思わせるところが上手い。また、被害者の姉と従兄が疑惑をもっていることに、観る側に気づかせるのに、観る側の観察力が必要な具合いになっていて、またそれが効果的。たぶん、テレビの深夜帯で大昔に観たような気がする。ところどころ、場面になんとなく見覚えがあるような気がし、それになんといっても、『完全犯罪は偶然性の確率を何重にも高めていけば可能だ』という知識をこの映画で知ったような・・・。

遭難した岩瀬(児玉清)より、江田のほうにかなり好意的に見てしまった。😅
フィルム上では「ある遭難 黒い画集」
●'98 11/〜『松本清張 映画全集』特集上映
(初公開: '61 6/17〜)
配給: 東宝
ワイド(東宝スコープ) B/W
モノラル
11/20 11:00→14:13〜 シネマジャックにて観賞
フィルム上映
作品パンフ無し
特集上映パンフ無し

同時上映:
「波の塔」
yuko

yukoの感想・評価

3.5
2018.5.30 DVD

若き日の香川京子さんが見たくてレンタルした松本清張サスペンス。脚本は石井輝男。
登山は得意なはずの人が不自然にハァハァヨロヨロと弱っていく様が恐ろしい。
脚本は石井輝男で、彼らしさはあまり感じれないんだが、そこそこ楽しめるサスペンス映画になってる。
新文芸座で鑑賞。(松本清張原作映画の2本立て)

山登りの場面が多い映画。
時間軸の乱れた構成と単調な場面の連続。

前半は、「遭難事故に至る場面」と「遭難する山に向かう場面(登山雑誌に掲載された原稿を追いかける場面)」が交錯して時間関係が入り混じる描写であった。
後半は、遭難した姉(香川京子)の依頼で、遭難者のいとこの男が、遭難グループの男と山登りする場面。このあたりから、「遭難は事故ではなく殺人」の雰囲気漂う。
そして……。
結末は観てのお楽しみということで。
n0701

n0701の感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

三人は夏の鹿島槍ヶ岳に登山に出掛ける。
寝台列車に乗って、十分な睡眠を取り、休憩を繰り返しながら三人は山頂を目指す。

すると、急な悪天候により周りが一切見えなくなるくらいの霧が出て、もう一歩で山小屋というところで引き返すことになる。
それから来た道を戻っていた三人だったが、実は道は大きく外れ、元の道ではない別の山に足を踏み入れてしまったのだった。

そのまま突き進む三人は、やがて獣道に迷い込む。そのうちの一人は早くから疲労困憊し、山道は慣れたものであったはずなのに、その頃には虫の息であった。

リーダー格の男は、二人を残し、助けを求めに下山する。

しかし、肉体的にも精神的にも疲れ果てていた男は急に発狂し、服を脱ぎ捨てては走り出し、急斜面から落ちて死んでしまった。

彼らの山登りは一名死亡という惨憺たる結果を残し、終わったのであった。

しばらく後、リーダー格の男の元へ亡くなった男の姉が従兄弟の男と一緒に訪れる。そして、花向けをするため、もう一度山を一緒に登ってくれないかと持ちかける。

男は危険な冬の山道を、しかも友人が死んだ山道を登ることに渋りつつも、承諾する。

死んだ男の従兄弟の男は、少しずつ少しずつ山登りを誘った経緯を告げる。

そして、山頂に辿り着いた時、従兄弟の男はリーダー格の男が極めて計画的に殺人を犯したのではないかと告げる。

なるほど何度も休憩させ水分を取らさせ、誤った道を歩かせ、悪天候は予測できたはずなのに無視し、その結果、凍えさせたことは、殺したと言っても過言ではない。

だが、動機もなければ、疲労困憊していた理由も謎のままだ。それに何より、死んだ男は十二分に山登りには熟知していたはずである。

それが何故「殺人」と断言できるのか。

一笑に付したリーダー格の男だったが、山頂から下山するにあたり、今日中には戻らねばならぬからと急斜面を降りると申し出る。

それに従兄弟の男も一緒に付いてくることを承知する。

降り始めて少し経った後、リーダー格の男が死んだ男の従兄弟より少し早く岩壁を下り始め、さらに、彼に語りかける。

「動機は、あいつの妻との不倫です。」男の妻が5日間程外出した日、死んだ男と温泉旅行に出かけていたのであった。

そして、それを知っていることを行きの寝台電車の中でそれとなく告げたことで、死んだ男は眠れなくなったのだった。

それが疲労困憊の原因であった。

リーダー格の男は、犯罪の動機について語りかけている最中、死んだ男の足元の雪を削り、罠をしかけていた。

従兄弟の男は、彼の動機を聞きながら崩れた雪に足をかけ、踏み外したと同時に急斜面から落ちていった。数百メートルもの距離を叫びながら、叩きつけられ、落ちていった。

その姿を目にしながら、微笑して煙草に火をつけるリーダー格の男。

すると、彼の頭上から雪崩が起こり、彼もろとも全てを埋め尽くした。

彼らの死は全ての謎を解明させないまま、静かに終わりを告げたのであった。
松本清張原作。
三人の山岳パーティーが、夏場にある山に登山に行った。

ベテランのリーダー。
経験のある山好きの男。
初心者の若者。

そこで、遭難に会い山好きの男が亡くなった。

若者が、当時の状況を書いた手記が雑誌に掲載された時、山好き男の姉が遭難現場に献花したいとリーダーに申し出てきた。

リーダーは快諾し、姉は代わりに山のベテランの従兄弟を行かせる事に。

あの山に、冬の登山を二人で。

登山の道中、従兄弟はリーダーに色々話しかける。それは、だんだんリーダーの心中に・・。

私は、あんまり山の作品は観てないのですが、この作品は面白かったです。

遭難と言う形になったが、そこに計算された計画。それをリーダーに一つ一つ検証し、追いつめていく従兄弟。

衝撃のラスト。

ちなみに、出演者とBGMが「ウルトラQ」を感じました。
exryo1

exryo1の感想・評価

3.9
原作の短編も、最後の3ページに驚きの展開が待っていて、その結末にしばらく茫然だったけど、それが映像化されるとこういうことか、と。白く美しい雪景色が、終わったあとはどす黒く見える、そんな幕切れ…と思いきや、最後の香川京子のシーンは蛇足だったなぁ。全てが白い雪に覆われるまでで終わらせればよかったか、と。

あと前半の登山のシーンがちょっと退屈。もっともモノクロだからかも。カラーであれば美しい山の風景をより楽しめたかもしれない。前半は、ね。
くずみ

くずみの感想・評価

3.5
さあみんなでイヤな気持ちになろう。黒い画集シリーズ安定の後味。
疑り深い香川京子にそそのかされた従兄(土屋嘉男)が、ほぼ根拠ゼロで動機さえ分からないのに江田(伊藤久哉)を殺人者扱いするのが凄い。たまたま素人推理が当たったものの、土屋嘉男はホントに失礼でヤな奴にしか見えなかった。でも映画としてはそこが素晴らしい。彼の転落を望遠で長回しというか執拗に撮ったショットも最高!

サスペンスとか推理とかはどうでもよくて、身も蓋もない結末をダメ押しする「私が疑ったばっかりにまた人が死んじゃったわ……」という香川京子の最後の台詞にはカミナリが落ちたかのような衝撃、あっけらかんにも程があると震えてしまいました。

確かに前半の登山は寝落ちしそうなくらい退屈だけど、その繰り返しとなる後半がそれで活きてきたので我慢した甲斐がありました。傑作!
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