【生きづらい世界】
ヤクザと家族の個人バージョン
犯罪者の人間性にフォーカスしたジョーカーのその後のその後の現実みたいな話。最近のヴィランを正体不明の闇の大将みたいに描くのではなく、普通のヒュー…
人生の半分以上を刑務所で過ごした前科十犯の男が、出所後、今度こそはカタギだと誓い真面目に生きようとするストーリー。
主人公の三上は、根は真っすぐな正義感のある男として描かれているが、若いうちは出所…
『すばらしき世界』を観て感じたのは、
「人間ってこんなにも不器用で、
でもこんなにも真っ直ぐなんだ」
ということでした。
役所広司さん演じる三上は、
暴力的で短気なのに、
心の奥底では…
なまじ人懐っこくてお人好しなのもデカイ体をぎゅっと縮めて耐えてる姿も母親信仰も福岡生まれも「似てますね」って言わなきゃ普通に生きていけないのも全部つらい
西川監督の映画ゆれるしか観たこと無かったから…
無性に泣けてきた…。
特に、養護施設でのサッカーのシーンと、介護施設での障がいのある同僚とのやりとり…。主人公の言い様のない悲しみが伝わってきた。
ラストはあのまま(ハッピー)エンドでよかったのに…
自分が幸せにならないと他人にも寛容になることはできない。
最近このようなことを哲学の本で読み、頭の片隅に置いていたが、この映画ではその言葉を再考させられるものであった。
人間、他己的に行きる程自己…
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会