旅立つ息子への作品情報・感想・評価

「旅立つ息子へ」に投稿された感想・評価

mh

mhの感想・評価

3.8

じわじわと染み入る良作でした。

自閉症スペクトラムの息子と寄り添うように暮らす父。

母は子供のことを思っているには違いないが、一緒に暮らしておらず、どこか他人事のように見える。

父親母親、誤解を恐れず言ってしまえば障害すら越えて、これは私の物語かも知れないと思ってしまった。

子離れ出来ない親、親に守られ生きて来た息子が成長して旅立つ話だったから。

最後の父親の選択が素晴らしい。

じわじわと胸が熱くなり涙が溢れました。

派手さはないけど良い作品です。
sayaka

sayakaの感想・評価

4.4
両親どちらの気持ちもわかりなんとも切ない…。
ウリ役の方の演技が本当に素晴らしい。演技とは思われないほど。

お水を渡してあげるシーンやラストにかけての自動ドアのシーンなど、さらっと描かれているけれどじーーーんときた。
その成長に気づくパパの表情もまたよくて…。素敵な映画でした。
SUGI

SUGIの感想・評価

4.5
子を持つ親として共感せずにはいられないリアルなやり取り。アイ・アム・サムとかシンプル・シモンを思い出したけど、旅立つ息子を描きながら父親の成長を描いているので原題のHere We Areの方が良いなあ。偶然だけど、主人公の名前ウリは朝鮮語で「We」を指す。

2021.4.13
サミー

サミーの感想・評価

3.2
これね〜この問題について当事者ではない私でも感情移入をしたり考えさせられたりしました。
父親の気持ちが痛いほどよくわかります。
それでいて冷静なる第三者や社会・法律のあり方や立ち位置もよくわかります。
これってなかなか難しい問題ですよね。

本編のラストにおいてはベターな解決を見出して結べた訳ですが…
それは映画だからです。
現実は映画の後にも続きます。
きっと悩んだり心配をしたり少し安心をしたりをずっと続けるのでしょう。父親も母親もそして父親たちの親戚兄弟たちも。もしかしたら友達も。
アハロンは弟にウリとは1日、1週間も過ごせないと言うが、プラットホームでグズる、のぞき、アイスとあんなことが毎日あれば私も含め多くの人がそうだろう。アハロンは何が違うのか。愛しさと憎さを感じた母が亡くなることに、墓石に書けばと助言するところに

ラストシーンを考えると、結局、早くこうしてればよかったのか?旅があったからこそウリは心変われたのかもしれない。
お父さんと障がいのある息子との実話ベースのお話というので観に行ったのですが
感動すると聞いていたけれど、涙は一滴も出ず。

普段障がいのある子たちと関わってる立場からの意見としては、息子の自立を妨げちゃダメじゃん!ってこと。

親が思っているより、子どもはたくましいものです。
一生面倒見ていられる訳もないし。
可愛い子には旅をさせよ。
心配だけど、なんとかなる!

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ…主人公アハロンは、自閉症スペクトラムを抱える息子ウリと二人暮らし。ウリは『星形パスタ』『金魚』『チャップリンの"キッド"』が大好き→別居中の妻タマラは『息子の将来』を考え、ウリを全寮制の施設に入れたい模様→定収入の無いアハロンは『養育者として不適合』との裁判所の判断→施設に向かう途中、状況を理解できていなかったウリが泣き喚きだす→電話でタマラと話す。タマラの言葉を無視し、ウリと二人で逃避行→学生時代からの友人?エフィを頼る。エフィは、長年介護してきた母を亡くし、葬儀の最中。泊めてもらう。その晩、エフィと語り合う(母を亡くしたエフィの気持ち、アハロンが何故仕事を辞めたのか?等が語られる)→翌朝早くに出立。リゾート地エイラットに向かう。『ウリがいつまでも子供でない』コトに気付かされる→タマラの手回しで、銀行口座が凍結。カードも使えず、お金もおろせず→長年疎遠の弟アミールを訪ねるが、口論となる(アハロンの絵を買った客がアミールだったコト、アハロンのこれまでの生き方、等が明かされる)→ウリ、アミールの妻に『失礼な行為』。アハロンとウリ、アミールのもとを立ち去る→お金も尽きて、海岸で野宿→ウリの『無銭飲食』が原因で、アイスクリーム屋と殴り合う。警察に逮捕→ウリは施設へ→数週間後、タマラから電話。ウリが施設で問題を起こした模様→ウリは『キッド』を真似してガラスを割ったら、父が迎えに来てくれると思ったらしい。ウリとアハロンが一緒に暮らすコトで話が纏まる→数日後?ウリを迎えに行く。しかし、ウリは施設が気に入った模様。息子の成長を感じたアハロン、ウリを施設に残し、一人立ち去る。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自閉症スペクトラムを抱える息子『と』父親の物語…かと思ってたけど、違った。

自閉症スペクトラムを抱える息子『を持つ』父親の物語…だった。



父親の『子離れ』のお話。


『息子の為に、田舎暮らしを始めた』と言うアハロン。

だけど、実際は『そうじゃない』らしいコトが、時にはハッキリと語られ、時には曖昧な表現で、明かされて行く。

『エフィとの関係』も、『大手デザイン会社からの退職』も、全てにおいて『逃げてきた』様子。
アミールの指摘通り。

そして、そんな姿勢ゆえ、タマラからも愛想を尽かされた模様。


結局、自己を正当化する為に、息子を『言い訳』に使っていた…と言うこと。



ただ、息子に対する愛情に偽りは無い模様。
心配だし愛おしいんだけど、このままではいけないのも分かってる。
そして『母の死に対するエフィの気持ち』を聞く場面あたりから、アハロン自身にも『ウリに対して同様の気持ちを感じる時もある』らしいコトがウッスラと表現されていく(※それは決して責められるコトではない)。
劇中の、『アハロンの葛藤する表情』に、観ているコッチまで苦しくなる。




ラストで、息子の成長を確認し、自分が息子の成長を妨げていたことを認めざるを得なくなる。

そして、『自分こそが変わらなければいけない』コトにも気付かされる。


そんな『父親の子離れ・成長物語』って感じだった。



ウリが『自動ドアを開けるボタン』を自分で描けてたトコロは、感慨深かった。

ウリ役の俳優さん、本物の自閉症スペクトラムの人かと思ってたら、違った。物凄くリアルに感じた。




この手の作品だから、結末はある程度予想出来るので問題ないのかも知れないけれど…『旅立つ息子へ』ってタイトルが『盛大にネタバレ』してる気がする。
切ないけれど物凄く良い話だなぁ、という子離れの物語でした。

父・母・息子の主演親子3人を始めとして、登場人物達がそれぞれ複雑な感情を様々表していて、役者さん達の演技たるや物凄いなぁと思いました。

自分が付いていないとダメだと信じている父の気持ちも、親なき後も生きていける環境を用意せねばと考えてる母の気持ちも、超越して前に進んでいく息子の姿に、子育て全般の難しさ&面白さを感じました。

ただ、自分に果たしてこういった困難さを乗り越えられるのだろうかと考えた時、やっぱり世の親御さん達を最大限リスペクトせずにはいられないのでした。
僕はこれが好き?
------------------------
自閉症スペクトラムを抱える青年・ウリと、彼を支えるために全てを捧げてきた父親・アハロンのちょっとした逃亡劇。

***

「大切な息子は私が守る」とでも言いたげになかなか子離れ出来ない父親。
だがそれは父親が息子を自分のカゴの中に閉じ込めていることでもあり、息子の持つ様々な可能性を潰していたのかもしれない。

確かに一般社会の中で生活させるのはとても厳しそうに見えるし、施設に預け全て任せてしまうことに対する不安もある。

しかし結局のところ父親一人から息子に分け与えられるものは限られていて、息子は父親以外の他の誰かと過ごすことで大きく成長していくのだろう。
アハロンが与えたものではなく、ウリが自ら見つけてきた好きなものを楽しむ姿を見て、アハロン同様に目頭が熱くなってしまった。


ウリを演じた俳優ノアム・インベルがまだ無名の新人だというのが驚き。あれが全て演技だったとは…恐るべし。
ShotaOkubo

ShotaOkuboの感想・評価

3.4
子離れできない父親の物語です。

息子が社会と交わるのを拒否し続けた父、彼が物語の主導権を握っているので、どうしても一本調子な印象を受けてしまいました。

彼らを写すバストショットで感情を紡いでみせるのですが、代わり映えしない画が続いたのも興味が持続しにくい理由の1つかと思います。
>|