どこで生まれてどんな経歴でどんな人生を送って来たか。
それらをいっさい明かさないドキュメンタリー。
本作は、ドキュメンタリーの肝ともいうべき個人の歴史を、見事にそぎ落とす。
都営霞ヶ丘アパー…
淡々と切り取られる生活が生々しく現実を記録し、主人格不在のまま流れる時間がオリンピックによって社会的弱者の立場へ強いられる人々をアパート=老人コミュニティとしてスクリーンに映し出される。現代と今後の…
>>続きを読む国立競技場に隣接した都営霞ヶ丘アパートに住んでいた老人たちが、東京2020オリンピック等に伴う再開発ために、長年住み慣れたアパートを追い出される過程を淡々と捉えたドキュメンタリー映画。
前回の東京オ…
映画の冒頭で、このアパートの住人のおばあさんをテレビの取材班がインタビューをしている様子が現れるが、ここにこの作品を観る者へのメッセージが含まれていたと思う。テレビのインタビューアーは、おばあさんに…
>>続きを読む国際スポーツイベントに日常生活を困窮へと追いやられた都営アパートの住民たちが映し出される。強制退去という行政の対応はあまりに冷たく五輪憲章とは程遠い。私たちは知らなかった祭りの "陰" を見過ごして…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
「もう2回も汚いみっともないアパートって言われてるんですよ」
みたいな言葉でおばあさんが仰っていたことがすごく心に残ってる。
純粋に、アンケートに「移転したくない」の選択肢がないこととか、いろいろ…
ただ、国とか都のやり方を批判するためとか、皮肉るとかそういう映画じゃない気がした。
記憶を記録としてアーカイブしておくための、そこに住む高齢者の方々の気持ちを思って苦しくなる場面もあるけれど、淡々と…
簡単に評価つけられないけど、この映画の総合評価を下げたくなくて5にした。
住民の生活も引っ越すのが大変だっていう思いも「壊す」のは簡単なんだよ。高齢の方が掃除、引越し作業してるのを見てハラハラした…
©Shinya Aoyama