ゴダールの「映画史」から永遠と突きつけられている問い、映画の芸術的可能性とは、物語ながらも言語という制度に対抗しうる可能性というただそこにしかない。
ブレッソンが批判したような表現主義的な方法、あ…
聖性、英雄性を剥ぎ取ったジャンヌ・ダルクを撮った今作はかなり圧迫感のあるものだった。ほぼ全てがクロースアップで撮られる。司祭たちからはありのままの姿ではなく、絶えず目配せをし、まるで仮面を被っている…
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顔、顔、顔、思惑、の連続。
美しすぎる無駄のないセット。
上から、下からのカメラワーク。
見上げる、見下ろす。
大衆が走るシーン。
そしてなにより、最後の火刑台のシーン。
彼女を見つめる大衆(=自…
これまでに作られたジャンヌ・ダルク映画の中でも、最も抽象的かつ純粋な映画表現の結晶。
カメラはジャンヌの運命を語るのではなく、その苦悶と信仰が凝縮された顔そのものを通じて、私たちに沈黙と衝撃を突きつ…
感想記録51
宗教及びキリスト教史と中世ヨーロッパ史に関しては不勉強で無知なため描かれているジャンヌ•ダルク処刑裁判の経緯や状況は正直なところよくわからない。異端審問とか処刑された理由を説明出来る…
裁かるゝジャンヌにおいて、ジャンヌは英雄ではなく村の少女だった。火あぶりにされることを恐れ、涙し、一度は自分の神を信じないと嘘もついた。ドライヤーは人間としての彼女を書いた。そこに真実があると思った…
>>続きを読む映像の強度と、言葉の強度とでは、おそらく言葉の強度のほうが高い。たとえば同じ映像に対して、相反するタイトルをつけることが可能なことからも、このことは分かる。
また、僕たちが映像的に何かを認識する際…
3回目?
おじさんたちが若い女の子にいやがらせ
若い女の子が戦いの原動力になると思えばそれは確かに脅威ではあるだろうけど
おじさんたちが絵画に出てくるような個性的で意地悪そうな表情だったり撮り方や…
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1920年代の無声映画。英雄ジャンヌの実際の記録に基づき裁判を再現した映画。
ジャンヌや異端審問官たちの顔をクローズアップ撮影、容赦なく裁判は進む
若く誠実、聡明なジャンヌをルネ・ファルコネッティ…
(c) 1928 Gaumont