魔女の作品情報・感想・評価

魔女1922年製作の映画)

HAXAN

製作国:

上映時間:87分

ジャンル:

3.7

「魔女」に投稿された感想・評価

yadakor

yadakorの感想・評価

3.0
魔女の歴史を、中世の魔女狩りを中心に描いた映画
文字が多く、映像はどちらかというと補助的に使われている印象だけど、合成やら特殊メイクやらお金はかかってそう
中世の魔女は今でも精神異常者として質を変えて差別され続けているっていうところは心に残ったよ
魔女の歴史についてのドキュメンタリーであり、人間の醜さ恐ろしさを告発するドラマであり、精神疾患を抱えた人々を隔離する社会を非難する社会問題映画でもある。前半は異形の怪物の歴史から始まり、後半は(主にヨーロッパの魔女狩り時代の)悪魔や魔女という概念や人々の間で広がる恐怖を視覚化したらこうなりますよーというドラマが展開される。かなりグロテスクだけどもの凄い映画。
natsumi

natsumiの感想・評価

-
魔女についての講義を受けているかのように歴史とか特徴をまとめた構成が面白い。老婆だったら魔女即決、若い美女であっても魅惑の魔女ってことで火炙りの刑は酷い。これ教授と生徒の映像挟んだり、ナレーションとかもつけてモンティパイソンっぽい低予算なブラックコメディとかにしたら現代でも割と受けそう。悪魔がヘルボーイっぽくてキャラデザ影響してるんだろうなと思った。
ほしの

ほしのの感想・評価

4.5
魔女についての時代の変遷を媚薬、魔女狩り、集団ヒステリー、神経症という流れで、ドキュメンタリックにというか再現ドラマ風にというか伝えてもらった。

魔女狩りはやっぱり怖い。標的にされると何を言っても無駄になる。ネトウヨの「天皇は左翼」ってぐらいのデタラメさで魔女認定は決定される。

サイレント映画とヒステリーは合うなって思った。神経症の次は統合失調症(スキゾフレニア)で、その次は自閉症や発達障害なんだろう。統合失調症は患者数が減ってきているって聞いた。時代(文化、政治、メディア)で何が病とされるのか変遷していくなぁとか思った。あと、年明け早々何を観てるんだろうとか思っていた。
アー

アーの感想・評価

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大学生の頃、映画が好きなフランス語の先生が、なぜかフランス語の授業の時間を使って、フランス語の授業よりも熱心に解説をしながらみせてくれた映画。といっても、当時の私にとって授業中は寝る時間だったので、私はほとんどみていなかったのだけれど。
最近、魔女について調べていてこの映画のことを思い出し、DVDを購入。サイレント映画ならではの独特な空気感もあいまって、不思議な魅力をはなつ映画だった。大学生当時ちゃんとみときゃよかった。
くだんの先生は、授業のあたまにおよそフランス語とは関係のない映画の話を毎回30分くらいし続ける人で、私があれこれと映画をみるようになったきっかけのひとり。テストで赤点をとりかけた私を救済もしてくれた。今もお元気だろうか。
nG0

nG0の感想・評価

3.8
中世に存在した魔女狩り文化をモノクロサイレントで映したドキュメンタリー作品。

魔女狩りの実態と背景を全7章で構成。
特殊メイクといい、演出といい構成といい、90年以上前の物とは思えないクオリティ。

当時の理不尽な魔女認定が残酷すぎる。
1.精神疾患なら魔女
2.老婆なら魔女
3.目つきが悪いと魔女

●手足を縛り水中に沈める

浮いてきたら魔女。火あぶりの刑。
浮いてこないなら魔女じゃない(ただし溺死)
●人体破壊系の拷問を自白するまで続ける。
などなど。



字幕で「はたして現代に悪魔が居ないと言いきれるのでしょうか」ってあって、上司を思い出した。あいつ絶対に火刑にしたんねん
資料画像と解説により、文字通り「講義」として進む第一部にはちょい面喰らったけど、第二部以降「サイレント映画」の体を成し始めてからは(再現映像、と呼ぶ方が適切かもしれないけれど)、視覚的な不気味さに引き込まれました。

特に、魔女狩り・魔女裁判の様子に窺える、今観ても恐ろしい宗教・権力の暴力性や、シンプルに並べられただけなのに「嫌〜な」気持ちにさせられる拷問器具の紹介などは、かなり強烈な印象を残しました。

軽いお勉強のつもりで手を出したら、思いがけず忘れ難い一作となってしまいました。
No.16
何回か寝たけど本当はこういうの大好き。誘惑の可視化はマジでビビった。
「魔女」という概念について、学術的に考察しているサイレント映画。全7章のオムニバス形式であり、フィクションとノンフィクションが混交したドラマになっている。

収録されているドラマは「魔女に関する古文書の解説」「魔女の生活様式」「魔女裁判(異端審問)のプロセス」「魔女狩りで使用された拷問器具の解説」「魔女と精神疾患の関係性」といった具合。

内容的にも映像的にも前衛性に富んでおり、悪魔の姿を可視化させるための着ぐるみのクオリティがやたらと高いことに目が奪われる。とりわけ、悪魔に篭絡させられた女性たちが、悪魔のケツに接吻していくシーンは、今見ても十分過ぎるほどショッキング。ホウキに跨った魔女が滑空するシーンの合成映像もまた素晴らしい。

「如何にして人間は頭の中に悪魔を拵えるのか」という提起にまで着地させているところが当時としては先鋭的。アシッドな悪魔的映像に酔うことができる逸品。(公開時、日本は大正11年)
TS

TSの感想・評価

3.8
【魔術史研究の先駆的作品】80点
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監督:ベンヤミン・クリステンセン
製作国:デンマーク/スウェーデン
ジャンル:ホラー・ドキュメンタリー
収録時間:87分
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ホラーの原点とも言われる魔術史研究のドキュメンタリー映画。当時、ドキュメンタリー映画という分類はなかったため一概にはいえませんが、中世ヨーロッパの魔女問題について再現をし、我々に講義をするような形なので、巨視的に見ればドキュメンタリー映画と言えるのではないでしょうか。サイレント映画且つ魔女と認定された人の異端尋問、悪魔の姿が描かれるためかなり不気味。そして今作は後世の悪魔系ホラー映画に多大な影響を与えた模様。特に『エクソシスト』への影響は大きいようです。

中世ヨーロッパでは黒死病などが蔓延していた時代があり、なにかとつけて人間にとって超自然的なものに対しては魔女のせいであると決めつけたのです。確かにウイルスという目に見えない存在が発見されたのは17世紀末。それまで、風邪を始めとした人間の体調不良というのは一つの大きな謎であったことでしょう。神の悪戯、はたまた悪魔の使いである魔女の仕業、と考えてしまうのも無理はないかもしれません。現代においてはかなりの事象が科学的に証明されているため、その時代で育った我々からすると、根拠をそんな超自然的なものに委ねるというのはおかしな話とも思えてしまいます。

何か災いが起これば、そのたびに魔女のせいにする。いわゆる魔女狩りが15世紀あたりで流行してしまっていたのです。この魔女の容貌ですが、老婆で身だしなみが汚い場合、問答無用でそう判定されたそうです。そして、自分が魔女であるということを、身の毛もよだつ拷問具を使用して白状させるのです。なんという理不尽な話でしょうか。彼女らを魔女として火刑にすることで一体何が変わるのでしょうか。ある意味神に生贄を捧げ、神の怒りをしずめるという儀式的なものも彷彿されてしまいます。超自然的なものに抗う手段としてこのようなことが行われていたのは確かに仕方ない部分もあるかもしれませんが、こんな理不尽な言いがかりで死亡した人間は、200年間でなんと800万人にものぼる模様。末恐ろしき事態です。

今作はそういう中世ヨーロッパの負の歴史を出来る限りリアルに再現したドキュメンタリー映画です。怖くはないかもしれませんがどことなく不気味。やはり、一番怖い生き物は、猛獣でもなく霊でもなく、洗脳された人間なのでしょう。なかなかオススメ。
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