はるさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.2

主人公がベッドで目を覚ますシーンから始まるところでちょっと笑ってしまうのだけど、今作の前に観た『ザ・スイッチ』もそうだったので可笑しい。そしてこちらは「ループもの」だとわかっているからお約束でもある。>>続きを読む

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)

4.0

今作のことは去年の年末に知って、そのときはドラマ『天国と地獄』の放送を控えていたので面白い一致の作品だなと思っていた。残念ながら上映延期によって放送時期と重ならなかったが、ドラマが盛り上がっただけにも>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.3

数年前ならアカデミー賞授賞式の後で観る(日本公開される)作品だったと思う。でも『ミナリ』にしても今作にしても最近では授賞式の前に観ることができるし、先入観無しで観るからこその感動が得られる。
今作を観
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トムとジェリー(2021年製作の映画)

4.2

昭和の頃、地方のテレビは平日夕方に『トムとジェリー』(古い方)が繰り返し再放送され、観ていた子供はその中でも好きなエピソードやギャグを各自心に刻んでいたと思う。
それが例えば、冷蔵庫の配線を変えて室内
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モンスターハンター(2019年製作の映画)

3.9

『フィフス・エレメント』の頃にはミラ・ジョヴォヴィッチがアクション俳優になるなどとは想像もしないが、『ジャンヌ・ダルク』での好演もあったから、実は向いていたんだろう。今作ではまさに『ジャンヌ・ダルク』>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

4.5

USの映画で移民が開拓する物語というものは、まさに本流のものだろう。それが現代で作られて、その主たる登場人物はアジア系の家族。しかもこれほどに堂々たる仕上がりとなって評価されているのは素晴らしいことだ>>続きを読む

アウトポスト(2020年製作の映画)

4.0

今作は2006〜2009年の物語で、その当時であれば『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007)』という作品が思い出される。そこではUSが1980年代に行ったアフガニスタンへの支援に奔走する主人公た>>続きを読む

ビバリウム(2019年製作の映画)

3.9

ユニークな世界観だけど、物語自体は淡々と進んでいくので、内容の気持ち悪さが緩和されている。あまり怖い方にいかないので助かったというのもある。
イモージェン・プーツがとにかく良くて、ジェマが変わっていく
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野球少女(2019年製作の映画)

4.3

韓国の高校でスポーツを続けることについての事情も知っていたので、主人公の立ち位置にはまず驚いた。
スインは笑わない主人公だ。野球のことを愛しているはずだが、おそらく高校に進学してからは楽しむ余裕も無か
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.6

『本気のしるし』以来、出演しているのを観ると「あ、石橋けい」と反応してしまうので、冒頭のシークエンスから楽しいものになった。
乗客である華子に話しかけるタクシーの運転手の内容で彼女の素性が窺い知れると
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アヴリルと奇妙な世界(2015年製作の映画)

4.5

スチームパンクものということであらためて気になって観たが、これが面白かった。
オリジナルで書かれた本は大胆に歴史を改変していて、19世紀後半からが大きく変わっている。その変わった部分で考えることも楽し
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さんかく窓の外側は夜(2021年製作の映画)

4.0

あまりこれまで観てこなかった系統ではあったけど、気になっていたので観たところ、意外な転がり方をする作品だと感じた。それは良い意味での意外性だった。

PG12指定らしい描写が導入で続いたのでキツいなと
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スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020年製作の映画)

4.4

スタントウーマンの歴史は映画史や女性の地位向上を考える上で参考になるし、レジェンドの3人の証言は貴重なものだった。特に70年代以降はTVシリーズの隆興とともに活躍の場を広げていったことがうかがえるが、>>続きを読む

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

4.4

ブラジルが舞台という知識さえも無いままに、評判のみを頼りに観るという態度の者にとっては素晴らしく裏切られる作品。
ブラジルといえば『シティ・オブ・ゴッド』という発見が随分前にあったことを思い出す。そし
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.7

公開直後に観て、再度観ることを決めていた。一度めではとにかく主演ののん(能年玲奈)に注目していたが、そういう態度の観客にとっては最高の作品になったと思う。
かなりの部分で一人称で進んでいく今作は、彼女
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.9

良い作品だということは知っていたからその内‥と思っていて、図らずも『WW84』に続いて女性監督、女性主演のものを観ることになった。ほとんど情報を入れないで観たのだけど、もう冒頭の描画のシーンから「これ>>続きを読む

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

4.2

1年越しの公開になった今作だけど、やはりこの時期が相応しい内容だった。DCEUの9作目ということで、ワンダーウーマンとしては『ジャスティス・リーグ』以来。JLは微妙な出来だったが、今作は満を持してパテ>>続きを読む

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(2019年製作の映画)

4.1

メイキングを観てからの方がより深い感動があると思える。それほどにとてつもない手間と工夫がなされているのと、昨今のCGアニメとの違いがわかりにくくなっているくらいに精巧なストップモーション・アニメは「精>>続きを読む

パーフェクト・センス(2011年製作の映画)

4.5

このタイミングで観ることは良かったと思う。そしてパンデミック映画で描かれるのは「他者との関係性」であったりするものだが、今作は感情によりフォーカスした内容。SFとして観るよりもロマンス、ロマンスとして>>続きを読む

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.2

物語世界などの情報は事前に入れずに「クオリティが高い」という評価だけを聞いていて、昨年の字幕版はスルーしてしまったが、観ていれば『ロング・ウェイ・ノース』『幸福路のチー』と並ぶ好きな作品になっていただ>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.1

原題は『Minding the Gap』ということで、進路にある段差や隙間を常に意識するスケーターの習性を表しながら、社会的なギャップ、親子のすれ違いなどの意味も含んでいる。このタイトルに込められたも>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.0

こういう新作を観るのは久しぶりだな。そしてどうしても「ジョナ・ヒル初監督作品」ということがまずあって、その勝手な印象からは意外すぎるほどに繊細で普遍的な仕上がり(多少の悪ふざけもあるが)になったなと思>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

4.5

今作のロケ地はUS、エストニア、イタリア、ノルウェー、UK、デンマーク、インドなどと非常に多い。そんなロケ地でのメイキング映像の様子は、今となっては遠い過去のようだが一年前のことなのだ。こうして世界各>>続きを読む

ミッドウェイ(2019年製作の映画)

4.0

某映画誌では「真夏の珍事」とまで言われるくらい、エメリッヒが好作品を撮った。実際そうだと思う。予告編の時点ではまず観ない類のものだったのに、いざ公開が近づくと「出来が良いらしい」という。
観ればわかる
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.7

まずはオリヴィア・ワイルドに賛辞を贈りたいなと素直に思う。あの『リチャード・ジュエル』での演技も記憶に新しい彼女の「監督デビュー
作」がコレで(笑)、しかも抜群の出来になっているというのだから。ただし
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スケート・キッチン(2018年製作の映画)

4.5

今月の初めにBSで放送された『Learning to Skateboard in a War Zone (if You’re a Girl)』(邦題:スケボーが私を変えるアフガニスタン 少女たちの挑戦>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

4.2

1933年のものは未見だったので、配信で観てから今作を観る。
やはり当時はその映像表現、トリックが魅力になっていたはずだが、そのインパクトは現在では薄まる。そこで、という部分での工夫が実に楽しい。
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.1

ヨーロッパ企画で時制を扱った作品、というとっかかりもありながら、客演に朝倉あきという配役を知って絶対に観ようと思っていた今作。

「リレー形式」の時間SFを、低予算で極めて少ない空間を使って映像化する
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のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

4.2

言葉は少ない。
だからこその味わいがあるし、実のところ「動き」は多いのだ。
それらを主要人物たちがお互い意識することで、幸運な干渉が始まる。

さてネタバレ。

近藤・四条・田崎・倉田は小寺さんから影
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ワイルド・ローズ(2018年製作の映画)

4.5

『ジュディ 虹の彼方に』で気になっていたジェシー・バックリー。日本公開時の3月の時点で彼女のことを少し調べると「Irish actress and singer」というプロフィールが目に入り、なんと歌>>続きを読む

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.0

ある程度の前評判は聞いていて、「映像とサウンドにこだわったA24作品」という心構えで鑑賞。
観た上映館は、今作のようにサウンドが重要な作品では安定の爆音気味設定でやってくれるので、冒頭から映像込みでイ
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カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

4.3

原題は「Blinded by the Light」で同名のスプリングスティーンの曲から。この邦題もまあ確かに内容に則してはいるのだけど、原題こそが相応しいということは観ればわかると思う。
今作は音楽に
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囚われた国家(2019年製作の映画)

4.7

4月初旬の公開直後に観て、帰宅前に寄ったスーパーで様子がおかしいことに気づく。そこで察するものはあったが帰ってからニュースを見て緊急事態宣言の対象に自分の住んでいる県が含まれたことを知った。今作の出来>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.7

映画館上映が再開して最初に観た今作。
原作は未読でかつてテレビで放送されたアニメ『愛の若草物語』や1994年版の映画のイメージが何となく残っている。四姉妹の個性を前提として知っていた方が入りやすい仕上
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サボテン・ブラザース(1986年製作の映画)

4.3

これも何度となく観てきた大好きな作品だけれど、今回はちょっと久しぶりだったと思う。『ブルース・ブラザース』と同じジョン・ランディス監督作品で原題は『Three Amigos』。サイレント時代のハリウッ>>続きを読む