成瀬巳喜男のサイレント観る
港の酒場に戻ったおみつには
幼い男の子がいた。二人で地
道に暮らそうとするが二人を
捨てた夫が戻って来て
脚本 池田忠雄
栗島すみこおみつの逞しい女性像が印象
的。…
戦前の日本の不況を上手に描く。
穴あきの靴や靴下は成瀬の定番。
鏡や影の使い方はまるでフィルムノワールのよう。33年制作だから時代の先取りがすごい。後の成瀬作品にも出てくるような編集やら撮り方がい…
『噂の娘』や『旅役者』でも見られた重要なシーンで俳優の顔にグッと寄っていく移動撮影や実験的なモンタージュなど成瀬作品の手法が既に表れている良作だった。
とにかく戦前のサイレント映画なのにモダニズム映…
字幕が読みづらい難点はあっても、成瀬巳喜男監督の後年には観られないトラッキング撮影等技巧を凝らした映像で圧倒された。佃島渡船場付近が舞台なのかと思われるが、盛り場の女給栗島すみ子が佃島の安アパートに…
>>続きを読む妻と夫の距離は縮まらず視線の非交差によって強調され続け、ラストにさえ遠くからの見ることしかできない。物語の展開に即した同じポジションからの窓枠からカットの対対比がいい。2人の子供への視線のみ2人が一…
>>続きを読む初めてのサイレント成瀬
初期作ながらエッセンスがすでにいくつか詰まっている
貧困に喘ぐ市井の人々、女性の生き方
確かなショットのセンスとリズムのいい編集はこの頃からある程度確立されている
後期では見…
実際に二人には遠近感がありながらも、相対する人物がフレーム内で向き合っている(ように見える)画角は成瀬の得意とする画面構成であり、その中で人物の機微に合わせてフォーカスが切られていく。
栗島すみ子…