父と二人の息子の背中を、ローアングルで切り取る最初のシーンから、小津安二郎しかやらない絵に、条件反射で嬉しくなる。建物の少ない開放感たっぷりの東京は、画面の広さも相まって抽象的な舞台のようにすら見え…
>>続きを読む小津の戦前の映画はローアングルで撮ることによって未だ建物に覆われていない東京の開放的な風景やその上に広がる空を、経験したわけでもないはずなのにたまらなく懐かしい風景としてスクリーンに映し出し、それを…
>>続きを読む工場地帯を歩く坂本武と二人の息子を、低位置・背後からの所謂小津のショットは悲壮感たっぷりに捉えていたものの、坂本武が仕事を得ることでその風景は輝き始める。結果的に暗い風景に逆戻りすることを含めて、街…
>>続きを読む坂本武と岡田嘉子の座る立ち上がるの反復が、前半は2人のロマンチックさ、後半は別れを予感させ。なにより1つのフレームに煙突の煙や行き交う人と座ってる3人が同居している剥き出しさが怖い。クライマックス、…
>>続きを読む早すぎた和製ネオ・レアリズモ。
前半の乱立する電柱と工場の煙突が、職を得た後には空になった徳利の乱立に変わる。宿のあるなしで区切られた前後半、室外から室内への変化によって、前半に映っていたものが後半…
安定の超ローアングル撮影がバランス良く撮れてて観やすい。ただ今までの小津安二郎監督作品の中で1番貧乏な設定の作だったのでは無いだろうか。自分も働けるだけで丸儲けな気持ちを忘れないでおこうと思った映…
>>続きを読む松竹株式会社