東京の宿に投稿された感想・評価(★4.1 - 5.0)

『東京の宿』に投稿された感想・評価

ユロ
4.3
狂犬病予防のために野良犬捕獲に報酬が払われたり、道端に置いてた荷物はほんの数分で盗られるし、挙句には腹減り過ぎた父子がおままごとを始めるという、この時代の貧困の厳しさを細かい部分で描いている。

戦中のサイレント映画だけど、戦争の匂いは全くない。

ただひたすら職がなくて工場を渡り歩く父親と、
それについていく息子2人なんだけど、
限られた金をどう使うかっていうスリリングさと、
いざ職を見つ…

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CQ
4.5

職を求めて放浪する原っぱのショット群の見事さ。
岡田嘉子がぬるっとフレームインしてくるのが本当に素晴らしい。
坂本武と突貫小僧の芸達者な飲み会パントマイムは泣ける。
終盤愁嘆場が増えてしまうものの、…

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5.0

見渡す限りの空き地に電線の大きなリールが転がっている。空き地の奥手には巨大なタンクが見え、工場から煙が上がっている。都市整備の狭間に生まれた広大な空き地にはその後工場が建設されていったことだろう。旋…

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4.4

 チャップリンの「犬の生活」が渡日したのが1919年。貧乏と辛い浮世のどん底でも犬のスクラップスは名無しのチャップリンの友達だか相棒で、福の神とて紛れもない。名無しのルンペン氏だが犬には立派に名前を…

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ニシ
4.7

坂本武と岡田嘉子の座る立ち上がるの反復が、前半は2人のロマンチックさ、後半は別れを予感させ。なにより1つのフレームに煙突の煙や行き交う人と座ってる3人が同居している剥き出しさが怖い。クライマックス、…

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5.0

早すぎた和製ネオ・レアリズモ。
前半の乱立する電柱と工場の煙突が、職を得た後には空になった徳利の乱立に変わる。宿のあるなしで区切られた前後半、室外から室内への変化によって、前半に映っていたものが後半…

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日本サイレント映画挽歌的な小津安二郎監督の喜八物シリーズ最終作で、「男はつらいよ」なんぞとは全く事にした結末となった人情喜劇映画の傑作。床を踏み抜くとどん底に堕ちる厳しい現実。妻に逃げられた喜八坂本…

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324
4.2
一宿一飯、自己犠牲の美化。後に続く、同じキャスト・同じような名前の使用。息子2人が意地を張り合い、預けられた荷物を置いて離れるくだりが出色。吊るし乾かし包帯の地獄感。

落ち込む父を励ます為にマイムでお酌をする姿に当時の子供ならではの逞しさを感じた
生活がどんなに貧しくあっても心は貧しくない
映画の結末がどうであれ、また家族で笑い合っている姿が目に浮かぶ
なんだろう…

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